【地方×Makuake】新商品「TEMASK」の製造レポート「TEMASKの編み方」
はじめに
手袋製造歴約60年、3代続く株式会社イナバから、手袋メーカーとしてウイルス対策に何か貢献できないか、と、ブランディング企画会社である株式会社サンカクキカクに相談が入り走り始めたプロジェクト。
手にもマスクのようなウイルス対策を。
そんな想いから試行錯誤を重ねて完成した新商品が「TEMASK / 手マスク」です。
現在、クラウドファウンディングサービス「Makuake」を活用し、支援者を募集しております。
noteでは、Makuake内で継続的に掲載してきた活動レポートを「マガジン」としてまとめて記録に残そうと思います。
以下、2020年5月18日に掲載した活動レポートです。
製造レポート「TEMASKの編み方」
みなさま、こんにちは。
引き続きたくさんのご支援いただき、本当にありがとうございます。
さて、今回は以前レポート案内しました「TEMASKのための糸」に続いて、糸からTEMASKを製造する工程、「TEMASKの編み方」をご紹介させて頂きます。
ちょっとマニアックな内容ですが是非お付き合い頂ければと思います。
手袋の製造方法は大きく分けて2種類ある
まず始めに手袋の製造方法は大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか。
ひとつめは衣服を作るようなやり方。生地を作り、手袋の形になるよう型紙を切り、ミシンで縫製して手袋を製造するやり方です。いわゆるスムス手袋や、革素材ではスキーグローブなどはこの方法で作られています。
そしてもうひとつの作り方は、糸を編むことにより手袋の形を作るやり方、「ニット手袋」です。
編み物をやったことがある方は、大体想像がつかれると思いますが、1本の糸をフープを繋げて編んでいくことにより、手袋の形を成形していくのです。更にフープが縦に連なった形となっていますので、生地にある程度の伸縮性が生まれるわけです。
弊社では長年、和歌山県の(株)島精機製作所製の手袋編み機を使用しています。今や無縫製セーター編み機のホールガーメントで有名な(株)島精機製作所は元々手袋編み機のメーカーで、編み機から出てきたニット手袋はなんと始めから手袋の形をしています。これがニット手袋の革新的な技術で大きな特徴です。
更にTEMASKでは快適な装着感を実現するため「伸縮糸」を一緒に編み込んでいます。
左が前回ご紹介した「TEMASKのための糸」、右が「伸縮糸」です。
これを編み機で同時に編み込んでいきます。
同じく左の太い糸が銀メッキ糸と綿糸を撚り合わせた「TEMASKのための糸」、そして右側の極細の糸が手袋生地の伸び縮みを格段にアップする「伸縮糸」です。
TEMASKではこの伸縮糸を生地の表面に出ない様、手袋の内側の全体に編み込んでいます。
これは「プレーティング」と呼ばれるニット製造技術で、靴下製造では一般的に使われている技術です。
ですが靴下の円運動での編み上げに比べ、手袋は構造上、往復運動で編み上げるので、プレーティングをすることが格段に難しくなります。
弊社もこの技術を習得するのに大変苦労をしましたが、今ではコア技術のひとつとなりました。
以上TEMASKのフィット感を実現する影の立役者、伸縮糸を使った「TEMASKの編み方」のご紹介でした。
是非TEMASKを手に取って頂いたら手袋をぐーっと引っ張って頂いて生地の伸縮性をお確かめ下さい。
そして装着時のフィット感を感じて頂ければ幸いです。
製造については順調に進行しております。
5月末お届け、6月末お届けも予定通り出荷できると思います。
ご支援いただいた皆様にはもうしばらくお待たせいたしますが、
スタッフ一同、精一杯努めておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社イナバ、スタッフ一同
ウイルス対策手袋「TEMASK-てますく」の詳細はこちら
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