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看護師あるある③

「いまの病院は言わないとなにもしてくれない。」

高校の同級生の集まりで聞いた言葉。

数年前に両親を亡くしている友人の言葉でした。
友人の父は膵臓がんで、母は肺塞栓症で亡くなっていて
そのときにどんな苦労があったか私は知りません。

ひとりの友人の父が白血病疑いで検査入院しているが
検査、治療などが進まずにいると話していたときに
友人が「いまの病院は言わないとなにもしてくれないから、言う事いわないとだめだよ。なにもしないから。」
という言葉でした。

病棟で働く看護師として
「医療者は精一杯やっていると思うなあ。」
と少しばかりさみしい気持ちになりました。

たしかに自分の親の治療方針、現状がどうなっているか説明を毎日聞きたい気持ちはわかります。それは当然の反応だと思います。
治療も早く始めてほしい。入院しているのだから何かしてほしいと思いますよね。

ですが病棟というのは主治医となる医師は何人もの患者さんをみている。
それにプラス外来でも患者さんを診察しています。

医師は優先順位をつけて業務をしているでしょう。

だからこそ、病棟の看護師は医師に対して
いますぐに処置、治療、家族への説明が必要な患者さんを
見極めて医師と連携をとりながら看護をしているだろうと思います。

こう言うと
「じゃあうちの家族は優先順位が低いってことですか?」
となると思います。

決してそういう訳ではありません。
私はそこの病棟の現状と患者さんたちの状況をみながら
必要なときに必要な治療、説明をできるように調整しているのだと感じます。
ときには医療者の人数や検査件数、手術室の使用状況など。様々な理由があります。

例えば心臓マッサージをしている医者に対して
「うちの治療どうなっていますか!」と聞きますか?

そのときの状況に合わせてそれぞれの患者さんの治療などが決まっていきます。それによって誰かに何かがあったとしてもそれはその人の運命かと思います。

だからこそ看護師は状況を説明し、患者さんとその家族に不信感を与えないように関わらないといけないと思います。

体調不良になり、病気を患い、受診した入院している。
その病院を選んだのはあなたなのです。ってスピリチュアル的な感じになったりして。笑

そこの場を選んだのは自分であって。
そこではそこで一生懸命働いている人がいる。
だから医療が成り立っている。

だからこそ、決めつけのように
「言わないとなにもしてくれないから。」
という言葉にとても残念でした。

確かに病棟という多数の看護師がいたら
適当な対応に見えてしまう、もしくはそのような対応をしている看護師もいるかもしれない。
でも、経験上そのような看護師は多くはないと思っています。
そうでなければ看護実習は乗り越えられないし、そう教育されて国家試験を受けているから。

冷たいこというと、違うと思ったらセカンドオピニオンするしかないんです。それは病院に限らずに飲食店や洋服屋さんも一緒ですよね。
同じものを売っていても、そっちを選ぶ理由がきっとあると思うんです。

それを選んでもらえうように切磋琢磨するしかないんですよね。

人生はタイミングであって、どう動いていくかもきっと生き様なんです。
「こっちから医療者に言った結果、早く説明を聞けた。動いてくれた。言わなかったら動かなかったと思う。」
となるのだろうが、それは結果的に患者さんのためにはなるが
悪い言い方をすると「家族がうるさいから優先した。」
良い言い方をすると「家族の方が安心できるように優先した。」
ということになる。

クレームもそうですが言ったもん勝ちみたいのがあったりする世の中なんだなと思います。

色々細々書きましたが結論は
「医療者は頑張ってるよ!適当に仕事していないよ!」
ということです。笑

サービス業ではない医療の場面だからこそ
悲しい言葉に聞こえてしまったのかもしれませんね。

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kikki
生きる活力にさせていただきます☁