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人生にも通じる『スラムダンク勝利学』
こんにちは。Sunbears(サンベアーズ)編集担当の久保田です。
今回は『スラムダンク勝利学』(辻秀一 著)という本をお勧めしたいと思います。スラムダンクといえば90年代にバスケットボールブームの火付け役となった連載漫画。桜木花道をはじめとする湘北高校バスケットボール部の個性的なキャラクターたちを思い浮かべると、今でも胸が熱くなる読者も少なくないのではないでしょうか。
もちろん漫画を読んでいなくても大丈夫です。著者の辻氏はメンタルトレーニングを専門とするスポーツドクターですが、この本はスポーツにおけるメンタルマネジメントの重要性だけでなく、人生における指南書ともいえる内容になっています。
目標設定
「勝つチームと負けるチームの差は、そのチームにふさわしい、ハッキリとした目標を持っているか否かの差であると言われます。」
例えば、次の試合や目の前の課題に対して、あなたははっきりとした目標設定を持っているでしょうか? それを言葉にして回りの関係者に伝えているでしょうか?
湘北高校のキャプテン赤木(ゴリ)は毎年チーム目標を「全国制覇」と明言していました。すると、ともにその目標を実現したい仲間が集まってきます。目標が共有化されていることで、チームメンバー全員が同じ方向に向かうことができます。つまり「必ずそれを実現するための“根拠”が後からついてくるものなのです」(辻秀一氏)。
これに加え、目標達成の実現性が高まるヒントとして、次の3つが挙げられています。
目標を達成したときのポジティブなイメージを抱くこと
有言実行
断固たる決意を持つこと
イメージトレーニングの効果についてはサンベアーズの別記事でも紹介していますので、ぜひご一読ください。
本物のチームワークとは?
「あなたのチームの理念とは何ですか? あなたはその理念を理解していますか? その理念を理解しているチームメイトはどのくらいいますか? これがチームワークの力を決定する大きな条件です。」
スポーツの試合でも会社でも、一人でできることには限界があるでしょう。チームワークの条件として著者は、「理解すること」を挙げています。互いを理解することはもちろん、チームの共通目標、ルール、それ以上にチーム理念や哲学を理解すること、と述べています。
湘北高校のチームメイトはそれぞれ個性がバラバラですが、インターハイで王者・山王工業を相手に闘った際、キャプテンのゴリはこう言います。
「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし、お前らには腹が立ってばかりだ。
だが…
このチームは…
最高だ……」
チームメートにとっては最高の誉め言葉ですよね。これは、花道たち全員が下記のことをすべて理解し徹底したからこそだと著者は解説します。
共通目標を理解する
ルールを守る
自分がやるべきことに取り組む
あきらめずに全力を尽くす(精神的な理念・哲学の理解)
精神的な理念・哲学の内容はチームによって異なるかもしれませんが、プロ・アマ関係なく、どんなチームスポーツや仕事にも通じることではないでしょうか。
ネガティブ思考の克服
「”怒り”はパフォーマンスにもマイナスに影響するばかりでなく、セルフイメージも縮小します。この感情のコントロールこそが一流への道です。」
本書の後半では、「怒り」「あきらめ」「不安」といったネガティブな感情についての考察が出てきます。中でも、スポーツ心理学的に最もコントロールしなくてはならない感情は”怒り”だそうです。
大事な試合でファウルを取られた陵南高校の魚住は、「自分は正しい、審判の判断が誤っている」という理性が働き、怒りの感情を審判にぶつけて退場。結局チームは敗けてしまいます。
「怒り」も「あきらめ」も「不安」もセルフイメージを縮小させ、結局は自分に跳ね返ってくる。つまり自分が一番損をすることになると著者は述べています。また、ともすると私たちはすぐに他人との比較や、理想との比較、過去の栄光との比較をしがちです。こういった比較は「最悪の思考の一つ」(辻秀一氏)だそうです。
ではネガティブ思考を防ぐにはどうすればいいのでしょうか? 本書では何度も出てきますが、常に自分自身に目を向け、今すべきことに集中して全力を尽くすーーこれに尽きるようです。
最後に
この本が面白いのは、各章ごとにスラムダンクの一場面が紹介されており、「その場面から読者は何を学べるか」が具体的に解説されている点です。漫画だけを読むと単に感動するだけで終わってしまう、あるいは何気なくスルーしてしまう場面でも、辻氏はこの本の中で深堀りし、あなたという選手、チーム、人生にとって大事なことは何かを教えてくれます。
本の帯で、スラムダンク著者の井上雄彦氏が「花道たちへの愛と理解がさらに増した」と書いています。まさにこれを読み終わるころには、スラムダンクを知らない人でも花道やゴリ、安西先生といったキャラクターたちに対する愛と理解が深まり、スポーツや人生に対してポジティブな思考を持つことでしょう。
なによりスラムダンクを読みたくなること間違いなしです。
ちなみに、スラムダンクは『THE FIRST SLAM DUNK』として映画化され、12月3日から劇場公開されます。そちらも楽しみですね。
『スラムダンク勝利学』(辻秀一著)集英社インターナショナル
■目次■
第1章 根性は正しく使う
第2章 自主的な目標設定をしよう!
第3章 目標達成への鍵は、理解と覚悟だ
第4章 心技体を変化させる
第5章 “するべき事”をする
第6章 “今”に生きる!
第7章 必ず自分に返ってくる!
第8章 良いところを見る
第9章 “反省”と“確認”は違う!
第10章 目標に向かって“石”を置いていく
第11章 目標に“情熱”を注ぐ
第12章 チームワークの条件とは?
第13章 本物のチームワークとは?
第14章 “怒り”の感情をコントロールせよ!
第15章 あきらめは最大の敵である!
第16章 不安はどこからくるのか?
第17章 “大丈夫”と言えること
第18章 感動を与えることの意味
第19章 休養がプラス思考を生む!
第20章 健康の意味を知る!!
第21章 “3つのCと4つめのC”
第22章 “波を感じる”
第23章 コーチ(COACH)の資質
第24章 結果の捉え方こそ勝負の分かれ目なのだ!!
第25章 誰のため?
第26章 “感謝すること”こそ勝利と一流への道
(出典)
トップ画像:August Phlieger氏撮影、Unsplashより
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