若手デザイナーたちが作り上げた、ナレッジシェアイベント「Garage Party」の舞台裏
Sun*のデザインチームには、80名以上の多様な専門性を持つデザイナーが在籍しており、日々お互いから学び合うために、さまざまなデザインナレッジ活動が行われています。
今回は、社内ナレッジシェア活動の一環として若手デザイナーが企画し、開催された社内トークイベント「Garage Party」について、運営の中心メンバー3人に、イベントの背景やその裏側、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。
小さな有志活動としてはじめ、文化として定着するまで成長させた
— イベント開催における企画のきっかけやイベント開催の目的について教えてください。
中村:「Garage Party」は、社内の有志メンバーで運営しているナレッジ集約活動「Designer’s Garage」の1つのコンテンツである「Designer’s Talk」の100回記念イベントとして企画したものです。
元々、この数年でデザイナー組織が大きくなる過程の中で、どのようにデザインナレッジ(プロジェクトで培ったノウハウなど)を形に残し、各メンバー、特に若手がどう成長していくのかが課題としてありました。ナレッジ集約活動である「Designer’s Garage」は入社当時からその課題を強く感じていた21年、22年卒の新卒入社メンバーを中心に2022年6月から始動しました。
「Designer’s Talk」は、集約活動の一環として社内のナレッジをできるだけ簡単な形で残すこと、デザイナー同士が自由に話しながらナレッジを交換することなどを目的に、週に2回、30分で行ってきたトークセッションです。2022年の9月から始め、デザイナーの皆様の協力により2023年10月に100回を迎え、イベント開催をすることとなりました。
「Designer’s Talk」立ち上げ時に一旦置いた目標は「とにかく継続して社内認知度を上げ、文化として定着させること」でした。
一年間継続できたことによって、デザイナーが積極的にナレッジ活動を推進していることを会社全体に認知してもらうことができました。100回を迎えるにあたり、若手がやっている小さな有志の活動で終わるのではなく、もっと組織の課題に連動したインパクトあるものにするため、マネージャー陣にもヒアリングをしながら「Sun*のデザイナーのケイパビリティを社内に適切に発信すること」を目的としました。マネージャー陣からは、他の職種に対してデザイナーのケイパビリティを正しく発信したいという想いや、デザイナー同士でも自覚する必要があるという課題を受け取りました。
水上:運営してきた「Designer’s Garage」をはじめとする社内ナレッジ活動そのものの知名度や利用度をさらに上げることも目的でした。また、運営メンバーがDesigner’s Talkを継続していくモチベーション維持につながればいいなと思いました。
山本:他にもデザイナーメインのイベントを開催してみたかったというのもあります。Sun*で行われるイベントはデザイナーがクリエイティブの手伝いをすることはあるものの、デザイナーが企画から運営まで全てを行うイベントはなかったため、せっかくの100回目を迎える記念のタイミングなのでやってみよう!という運びになりました。
デザイナー主体だからこそ、自由な発想でこだわり抜いたコンテンツとクリエイティブ制作
— 開催してみて、よかったことやうまくいった部分はありますか?
水上:シニアメンバーが協力してくれて、登壇の打診を断る人がほとんどいなかったことです。平日の勤務時間内ではシニアメンバーの予定が抑えられないのではと不安な部分もありましたが、みなさん登壇に協力的でむしろノリノリで参加してくれました。結果、普段忙しく、話を聞く機会が難しい方達のレアな話や秘話をまとめて聞けた特別な機会になりました。
自分たちが企画・運営したいというイベントを止めることなく、ポジティブに受け入れてもらいとても嬉しかったです。
中村:参加者が常にいたことです。オフィスでの登壇をオンライン配信する形式でしたが、社員はそれぞれいつも通りの業務があるため、タイミングによっては視聴者が10人くらいに落ちる予測をしていました。ですが、最初から最後まで常時30人くらい見ていてくれました。他職種からの視聴者も多く、デザイナーが何を考えているのか、どんなことができるのか、に対して関心があるということを改めて感じることができました。これは今後の活動継続にも良いモチベーションになっています。
山本:それぞれが抱えている業務と並行しながらで出来る限りでしたが、クリエイティブにこだわれたことです。イベント全体のロゴやイベントを盛り上げるためのオープニングムービー、他にもセッション中に使用される背景など、参加者がワクワクした気持ちで視聴してもらえるように、さまざまなクリエイティブを運営メンバーで作成しました。また、気になるセッションを見れなかった人が後ほど簡単に見返すことができるように、リアルタイムでのグラフィックレコーディングも行いました。デザイナーが企画したイベントらしく、企画や全体の流れに合わせた、クリエイティブを作成することができたと思っています。
積極的に手上げできる文化の中で、さらに活動を成長させていく
ー最後に、今後のナレッジシェア活動における展望を教えてください。
山本:今回は主にオンライン配信でしたが、より参加者がインタラクティブに参加できるものにしたいです。今回の企画のアイデアとして、インタラクティブに参加してもらう為のさまざまなアイデアが出たのですが、業務との関係上行えなかったものがほとんどだったので、次回開催の際にはオフラインで実現できたらと思っています。
また、Sun*メンバーの登壇はもちろん、いくつかのセッションは他企業の人に登壇いただくなど外部とのコラボレーションもしていきたいです。参加についても、社内だけに閉じず誰でも参加できるものにすることで、Sun*のデザイナーのケイパビリティを外部に発信していければと思っています。
水上:今後は、よりインタラクションがある場作りにフォーカスしていきたいと思います。実際に開催してみて、MiroやFigmaの画面上で矢印が動いてる状態はオンライン参加者やベトナムオフィスと繋がっていることが感じられてよかったのですが、リアルな場で人を集めての開催もできるといいな、と。Sun*はリモートワーク中心なので、オンラインでのコミュニケーションでのナレッジ共有は多いのですが、リアルな場で集まるともっと発見がありそうだなと体感しました。
中村:定期的な開催をしつつ、さらにテーマを面白くしていきたいです。今回はベーシックな内容が多かったので、今後はデザイナーメンバーの中でニッチな知識を持つ人に話してもらう回も混ぜたいです。例えばUIに関するセッションだけを集めた1日とか、UXやリサーチに関するテーマだけを集めた1日とか。
このイベントの開催後は、組織内のナレッジ活動もより活発になり、今は他のナレッジ活動とも目線を合わせながらどのように組織を成長させていくかを話し合っている最中です。トップダウンではなく、またキャリアも関係なくこういった活動を進めていくことができるのがSun*の魅力なので、各々が気になったポイントや課題感を一緒に実現させてくれる、親身になって聞いてくれる文化はこれからも残していきたいですし、毎年多くの新卒メンバーが入社しているので、若手からもどんどんアイディアを出していけるカルチャー作りをしていきたいです。