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コンセプトの落とし込み方
・「大切な人」
・「東京の原風景」
・「時間を超えてみているもの・こと」
最新作「nana」のコンセプトをこんな風になんとなく意識し出した頃から、早速撮影を開始した。(前回の記事)
元々40歳をきっかけに「これまでの自分の歩みを振り返りたい」と感じていたことがベースになっているんだけど、
・「大切な人」=恋心
・「東京の原風景」=中央線の風景
と置き換えて、振り返る気持ちを込めて撮影をしていきました。
中央線で思い入れのある駅で降り、一駅につき一人の女性を撮影していきました。神田駅で撮影した彼女の名前は「神田ナナ」、中野で撮影した彼女の名前は「中野ナナ」としたのはそのためです。
・「時間を超えてみているもの・こと」=フラッシュバック
実はこれは撮影を始めてから発見したコンセプトでした。
東京駅からだんだんと中央線を下るように撮影を進めていき、五人くらい撮影が終わった時に一度仮セレクトをして写真を並べてみました。
すると、「撮影した光」、「セレクトしてできた文脈」の中に、各駅で共通するものを見つけました。
『「逆光」の当たった目の前にいる君に、
僕は、「昔のあの人」を見ているのかもしれない。』
そんな感覚を発見して、写真展の際にはわざと、既視感を演出するために、似通った光の中で撮影したポートレートを複数セレクトしました。
でもね、鑑賞者に僕の思いを押し付けるつもりもないので、「ヘェー」と思って写真集を見てもらえると嬉しいです!
次は被写体をどうやって探して撮影に至ったか、でも書きたいと思います。