僕のポリシーは勘違いから生まれた。
この話は、どこが勘違いなのかが自分にもわからないので、正解を知っている人がいたら教えて欲しいんですが・・・。
20代半ば、僕がまだアシスタントだった頃、深夜の映画を紹介する番組をぼけっと見ていたら、「華氏451」という映画を紹介していた。
少し未来のその世界では、国が国民の思想を管理するために読書を禁止していた。当然ながら一部のレジスタンスは、はずれにある隠れた村でこっそり本を読むわけだが、そこの村長が言ったセリフが僕の心に突き刺さった。
「人として生まれたからには、子を残し、家を残し、そして本を残して死ぬべきだ。」
こんなニュアンスのことを言っていて、かっこえぇ!ってなったわけです。
それ以来、僕はフォトグラファーとしていつか写真集を出すことが至上命題になりました。
ところが、その紹介番組を見ただけで本編を観ないまま、ずいぶんと経って、ふとこの映画のことを思い出して観たわけですが・・・、あのセリフ、確認できないまま映画終了。念のため二回観てます。
こうして、「写真の最終形はプリントだ」という僕の考えは、その根拠を無くしました・・・。まぁそういうこともあるよね、という話です。
ひょっとしたら、元カノだと思っていたあの人も、付き合っていたのは僕の勘違いだったのかも・・・。という写真集です。