Marketing Automation Maturity モデル
このNoteで繰り返し伝えておるが、日本は、アメリカのマーケティングの10年遅れである。そして、アメリカは、マーケティングのIT化が進んでいて、もともとマーケティングが得意な所がブーストされた感じがある。
日本がアメリカに追いつくには、到達ゴールや理想イメージを持つ事が重要だ。その観点では、マーケティングのMaturity Modelというものを参考にするのが良い。このMaturity Modelという概念、海外の調査会社やコンサル等が作り出した概念だが、マーケティング発展段階を複数段階に分けて図示したものだ。
イノーバでは、今まさに海外のMaturityモデルを研究し、日本独自のモデルを作り出そうとしており、そのための情報収集をしているところ。日本のマーケティングを良くするためには、経営層と話せるようになる必要がありますからね。
今のマーケターは、経営層から見ると、特殊なカタカナ語を話し、売上や利益ではなく、PVやセッション数、リード数などをKPIにする謎の存在だと思われていると思います。私の友人が、P&G時代の怖い元上司にあった時に、「お前の考えるマーケティングとは何か?」という禅問答のような問いをもらい、「トップライン(売上)を伸ばす事です」と答えたら、「ばかやろう、マーケターの目標は、利益成長だ。P&Lだ。」と言われたとのこと。蓋し、名言だと思います。
さてさて、では、Forrester社のMarketing Automation Modelをご紹介しよう。英語は、例によって、判りにくいので、私のが日本の実態も含めて超訳してます。
段階1 ブラスター(Blaster):一斉配信段階
マーケティングオートメーションを使い始めた段階。
一斉配信メール中心で、(クリックや資料ダウンロードを発生させ)とにかくリードを量産する段階。
マーケティングとセールスの連携はほぼ無い。
スコアリングは、デモグラ(この場合は地域とか企業規模とか想定してるかな?)に基づいて行われ、営業へのリードの割当てが自動化される。すべてのリードは、(その質の良し悪しに関わらず)CRMにプッシュされる。
営業部門は、受け取ったリードに対して、思い思いの営業アプローチをかける。だが、(結局、リードの質がわからないので、担当営業の主観で)ごく一部のリードには営業アプローチがなされるが、ほとんどのリードは無視される。
段階2:キャンペーン実行者
マーケティングオートメーションを使い始める。キャンペーンを計画し、測定し、実行する。
組織的には、マーケティングと営業で、リードの受け渡しのプロセスが確立される。
マーケティングはターゲットを絞ったキャンペーンを実施。
リードはデモグラフィックと行動に基づいてスコアリングされ、すべてのリードは営業に渡される。営業は、最もホットなリードのみに対応し、購買に至らないリードはマーケティングに戻し、ナーチャリングを行う。
マーケティング部門は、営業部門が担当しないリードを、ナーチャリングキャンペーンに回すが、このキャンペーンも、他のリードと同じキャンペーンを使っていて、特別なキャンペーンを組めている訳ではない。
段階3:最適化運用
リードのライフサイクル全体を通するアプローチ。リードがファネルを流れるフローを確立し、リード滞留が起きないようになっている。
組織面では、マーケティングとセールスが、リードのライフサイクル全体にわたって、お互いに情報交換を行っている。
マーケティングキャンペーンの内容は、各ステージにおけるバイヤーの詳細な情報ニーズに密接に連携している。
リードは行動に基づいてスコアリングされ、すべてのリードはCRMに登録されるが、購買の兆候が見られるリードは営業担当者に割り当てられる。
営業は、割り当てられたリードの情報を収集し、プロフィールに追加します。
マーケティングは、購買における役割、業種、リードの獲得源など、複数観点でのナーチャリングプログラムを持っている。
段階4:予測する段階
ファネル全体に対して、需要予測が出来ている状態。
組織面では、マーケティングと営業が一体となっていて、1件1件の見込みリードに対して、個別化されたコミュニケーションをとっている。
バイヤーの行動に合わせて、パーソナライズされたナーチャリングプログラムが走るように設計されている。ソーシャルメディア連携が出来ていて、スコアリングに反映されるととともに、その後のタッチポイントにもフィードバックされる。
マーケティングとセールスの間で、引き継ぎ(handsoff)という概念はない。マーケティングも、セールスのパイプラインにある見込み客に接触する。
(AIを活用した)Predictive Model、予測モデルが導入されている。
宗像のひと言
どうかなー。日本の会社は、ほぼほぼ第一段階だろうねぇ。
僕のイメージは以下。
第ゼロ段階:製造業のほとんど。
第一段階:IT企業の大手・中堅。人材企業。
第二段階:外資系IT企業
第三段階:トップのIT系会社(セールスフォースとか?)
第四段階:多分居ない。
せめて第二段階には早くいかないと。第四段階とか行くには、ち密なナーチャリングプログラムを組まないといけないから、それこそ、マーケティングテクノロジストが必要ですよね。