これから起業を考えている人に読んで欲しい5冊の本

こんにちは、宗像です。
今回は、起業に興味を持っている人に読んで欲しい5冊の本を紹介する。

私は決して昔から経営者を目指していたわけではない。実家が商売ををしていたこともあり、なんとなく「自分で会社やれたら楽しいかも」とは思っていた。だが、社会人になってからも、現実的に起業を考えてはいなかった。

そんな状態だった私が、紆余曲折を経て、それなりに会社を経営している。そして、今の自分があるのは、無茶苦茶勉強をしてきたからだと思う。たくさんの失敗を経験し、失敗から学んだ。そしてとにかく本をたくさん読んだ。

だから、今少しでも起業に興味のある人には是非、これから紹介する本を読んで欲しい。
起業を躊躇っている人には、起業についてもっと知り自分にも出来るかも、と思って欲しい。起業ってかっこいい!と思っている人には、先輩として、「ちょっと待て」と言いたい。

そんなメッセージがこの5冊には込められている。

1.『小さく賭けろ! 世界を変えた人と組織の成功の秘密』
(日経BP社) ピーター・シムズ 著

“アイディアが浮かんだら、いくら儲かるかを頭で計算する前に、まず小さい規模で試してみる”。

これは大ヒットを生み出している組織や、コメディアンに共通している法則だ。この本にはアップル、アマゾン、アカデミー賞の司会も務めたこともあるアメリカの大物コメディアン、クリス・クックなど、この法則で大成功を収めた、組織や人の事例が紹介されている。

私はこの本を読んだ時、目を開かされた。大企業にいた頃、新規事業を始める時には、3年後や5年後を見据えた、事業計画を練っていた。しかし、将来どうなるかなんて、誰にも分からない。不確かな将来を頭で考えるより、失敗出来る場所をあえて作ったり、お金をかけずに失敗をすることの方が、学べることは多い。そのことに気づかせてくれたのが、この本だ。

今起業をしたいと思っている人にも、同じことが言える。いきなり起業して、失敗するとリスクも大きい。まずは起業に繋がるような、小さなステップを踏もう。頭の中でキャリアや理想を考えるより、実際に動いてみる。ベンチャー企業の社長に必要なのは、行動力だ。この本はまさに、行動力をつける為の一冊。

2.『週4時間だけ働く』(青志社)ティモシー・フェリス 著

この本は、インターネットを駆使した新しい働き方について提唱している。週80時間という激務をこなしていた著者は、出来る限り自分の業務を自動化、外注した結果、労働時間を圧倒的に減らすことが出来た。私がここで伝えたいことは、労働時間の減らし方ではなく、いかにアウトソーシングを自分のビジネスに活用するか、ということだ。

例えば、oDesk(現:Upwork)。この会社はインターネットを通じて不特定多数の人々に業務をアウトソーシングするサービスを提供している。この本の中にも紹介されてるが、例えば、バーチャルアシスタントといって、インド人やフィリピン人の秘書をインターネット上で持てるのだ。これは私自身も使った経験があるが、海外のデジタルマーケティング動向のリサーチなども依頼出来るので、業務の効率を上げられる。

また、震災の時に、MBAの同期たちと募金を募った際もクラウドソーシングは非常に役立った。友人のアイディアで、クラウドソーシングでアメリカ人のPRを雇い、募金活動を宣伝してもらったのだ。今までは、世界にいる専門家と一個人がこのように繋がることは非常に難しかった。しかし、このようなクラウドソーシングサービスを使えば、簡単に実現する。因みに、この時にかかった費用は約5000円だ。

起業を目指しているのであれば、このクラウドソーシングサービスは是非知っておいて欲しい。この個人型アウトソーシングが出来るようになれば、極端な話、世界中の人材を活用出来るのだ。

3.『歴史の使い方』(日本経済新聞出版社 )堺屋太一 著

明治維新や本能寺の変など、歴史上よく知られている出来事を取り上げ、その教訓をどう未来に活かすのか。これがこの本のテーマである。

その中で石田三成の話がとても面白かった。著者の堺屋太一さんは、通産省出身で大阪万博の企画・成功に大きく貢献した人物だ。ではどうやって成功に導いたのかというと、この石田三成のやり方を真似したという。豊臣秀吉に仕えた石田三成は、反徳川の体制をまとめ、関が原の戦いで徳川家康と対決に至る。結果的に石田三成は敗れてしまうが、その対決に至るまでの根回しが非常に上手かった。

この話の中で私が感じたこと。それは、物事が上手くいく為には実利と大義の両方必要だということだ。実利とは、「これは、自分にとって得になるのか」という、そろばん勘定をすること。大義とは、「世の中や社会の為に、自分がこれをやらなければ」と考え実行することだ。この2つを持っていないと、ベンチャー企業も上手くいかない。

大義はあっても実利がなければ、会社は回らなくなってしまう。かといって、実利ばかり追い求めて、社会的意義がなければ、人からの支援は得られないだろう。例えば、ソーシャルゲーム。ゲーム内の課金システムによって、実利はかなり得られるだろう。しかし、そこに大義はあるのだろうか?

大きな成功を目指すのであれば、人の心を捉え、人を動かさなくてはいけない。歴史が教えてくれた、現代に生きる私たちへの、教訓だ。

4.山野愛子―愛チャンはいつも本日誕生
(日本図書センター )山野愛子 著

これは、日本に美容業を持ってきた、山野愛子さんの自叙伝である。今でこそ、人気職業の一つになっている美容師だが、かつてはそうでなかった。そのような戦前戦後の時代に、山野愛子さんは、「これからの時代、女性は髪にお金を使うようになる」ということを確信していた。女性起業家の先駆者である山野さんのエネルギーや行動力、先を見据える着眼力。これら全てに、とても感銘を受けた。

また個人的に、アジアで美容室のビジネスは面白そうだな、と以前から思っていた。美容院を開業するには人通りの多い、路面店が必要だ。まだ土地が安いうちに、その路面店の土地を買って開業する。土地が値上がりしたら、それを売って収入に出来る。美容院としての収入と、土地からの収入が得られるのだ。起業を目指す人、また店舗型のビジネスをアジアでやろうと思っている人にも、この本は参考にもなるだろう。

5.社長失格(日経BP社 )板倉雄一郎 著

インターネットバブルの時代に、ハイパーネットという会社があった。まだネット接続が有料だった時代。この会社が提供した、広告を出す代わりにインターネットへの接続が無料になる、というサービスが飛躍的に伸びた。一時期は売上高約7億円、経常利益約2億円という数字を出したベンチャー起業だったが、その後倒産へ追いやられてしまう。

この本には、ベンチャーが陥りがちな失敗のパターンが書かれている。自分で実際に失敗すれば、その失敗は身につくだろう。だが、本当に失敗してしまうと、失うものも大きい。
そんな時に、このような“失敗本”を読んで、擬似体験しておく。すると、自分が同じシチュエーションに陥りかけた時に、それを思い出して、リスクを回避出来る。上手く行かなかった話や、失敗本はこんな風に役立てることも出来るのだ。

最後に
一昔前に比べて、起業を志す人は増えている。非常に良いことだと思う。ただし、自分で実際に経営に関わってみて、起業はそんなに甘いものではないとも思うし、その分、強い使命感が必要だとも思う。これらの本を読んで、改めて自分が起業する理由や、将来の決断へのヒントを、見つけて欲しい。

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