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わかった顔で腰をおろすな。「MASS AGE」-BOOWYの歌詞に見る仕事論②

自分が自信を持っておすすめしたい商品があったとしよう。

しかも、それは自己満足ではなく、それなりに人気の高いモノだ。

だから、その商品に興味を示した相手には、流暢な営業トークができるし、その熱意もちゃんと伝わる。

わかる相手には、そこでしっかり良さが伝わり成約となるのだが、ときにそこから「駆け引き」をしようとする人もいる。

いや、それ自体は全然悪くない。その駆け引きが「あなたから買いたい」というところから発したものであれば。

私がいろんな意味で未熟だったことが一番の理由だったのだろうが、「別にあなたから買わなくても、少しでも安いのであれば、同じものを他から取り寄せる。だからあなたは、値引きするの?」という態度が相手に見えたとき、私は「もういいです。この話はなかったことにしてください」と、売ることをやめてしまったことがある。

値引き交渉じたいは、それほどめずらしいことではない。だけど、同じ値引き交渉でも「これだけ値引きしてほしい」というストレートなものでなく、意味のない駆け引きが見えた時点で、熱が冷めるというか、やる気を失うことがある。こちらも人間だからこそ。

熱くなることも知らねえ奴の機嫌をとって
右手を挙げてくださいなんて言いたかねぇぜ

あのとき、私はBOOWYの「MASS AGE」のこの歌詞が頭に浮かんだ。

あぁ、私はこの歌のように、ステージでシャウトし、それに呼応してくれる人だけを望んでいたのだ。

大した事も出来ねぇくせに わかった顔で
腰を下ろすのは まだまだ先でも間に合うはずさ
理屈じゃねぇのさ その時間だけがおもしろかったら
それでいいだろ つまんねぇ事は忘れちまいな
(作詞 氷室狂介)

さすがにここまでは思ってないが(笑)、フィーリングが合う、合わないというのはあり、一度合わなくなると、その歯車はとことん合わなくなってしまう。

そうならないようにすべきなのだろうが、フィーリングが合わない人と関わると、それは結果的にマイナスになることになり、日本にはそういうときに仕える良い言葉がある。
「ご縁がなかったということで」
いや、ほんと、そんなことこちらから言える立場ではないんだけど……。

でもこうなってしまうのは、売り手にも感情があるからであって、もしAIが人間の代替えになるとしたら、商売上の直感的なフィーリングも合理的に判断されてしまうのだろうか。

どちらが良いのかはわからないが、私の根っこにはこの歌があることは間違いないだろう。



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