詩|わたしの心をとかすもの
わたしの心をとかすもの
それは焼きたてのトーストにのせた
分厚く四角く切り取ったバター
みるみるパンに染みこんで
わたしの口で広がるのを待っている
わたしの心をとかすもの
それは暑い日差しの中を歩きに歩いて
たどり着いた先で手にとったソフトクリーム
みるみる形が崩れていくのを
こぼさぬように舌が待っている
わたしの心をとかすもの
それはあなたがささやく甘い言葉
はちみつみたいに体もとけてしまって
あなたと混ざり合うのを待っている
わたしの心をとかすもの
それはわたしがわたしにつける花丸
よくできましたわたし じゅうぶんオーケー
柔らかい布団が わたしを包むのを待っている