【大会】第8回南阿蘇カルデラトレイル/約50km D 約2950m(2024/07/06)
7月の南阿蘇はめちゃくちゃ暑かった!
基本情報
開催日: 2024年7月6日
走行エリア:南阿蘇アスペクタ周辺の峠・山岳群
距離:約50km
標高差:YAMAP実測 +2950m -2954m
開始時間: 朝7時00分
※まじめに走ったので動画はなしです。
夏、冬の年2回行われるこの大会、今回は夏季として初めて50kmが追加になったということで出てきました。コースは毎回微妙に調整が入ってるそうで、他には2km、18km、30kmがあります。全カテゴリー満員御礼と九州のトレイルレースの中でも人気があることが伺い知れます。
前日
珍しい試みとして前日(と終了後)に会場であるアスペクタで車中泊orテント泊できる企画がありました。普段はできないのでレアな体験です。
あまり認知されていないのか?あるいは終了後にかたよったのか?は不明ながらテントは4張りだけ。基本的に地面が斜めってるので設営はやや難儀しましたが、広々とした空間でのんびり。
トイレ・水場は近くにあるので苦労しませんし、何より朝の移動がないというのは気分が楽。風が強く、時折小雨が降ったりで残念ながら星は見えずじまい。
スタート-エイド1
開始前
スタートは7時なので5時前には起きて食事しないといけません。軽めにパンにしつつ、レースで使うカロリーを考慮で3つ。1000kcalくらい。
テン泊ながら火を使わないそっけないスタイルでした。着替えやレース用に日焼け止めなどを塗っていると何やら幕内が明るくなってくる。外に出ると、雲の切れ間から綺麗な朝日!
日の出からはあっという間。会場にも賑わいが出てきます。
6時過ぎにテントを撤収・駐車場に移動すると出走まで残り1時間を切ったので、ささっと着替えなど残りの準備を済ませて会場へ。
スタート
スタート15分くらい前からゲート前に並びます。
朝は苦手で弱いし、走り始めはずっと登りが続くからスロースタートし徐々にあげていく走法を採用。というわけで並び順は真ん中より後ろくらいに位置し、開幕ダッシュはなし。
〜地蔵峠①
初っ端から登りで始まり、いくらか草原を駆け登るとロードに合流。ここから地蔵峠までの登りは基本的にほぼすべてロードの登りとなり、斜度も三段階ほどあり徐々にきつくなっていきます。
ロードの登りだけでおよそ500m以上標高をあげます。ワインディングした峠を延々と登り続け、斜度自体は走れなくもない区間はあるけれどスタートして間もなかったので無理せずパワーウォークで様子見して進みます。
とは言え経験則からレース序盤抑えすぎて後ろにつくと渋滞ロスなどで更に遅れるリスクがあることは知ってるので、後から調整がたやすく出力的に無理がない範囲、具体的には前から20人前後の位置どりを目安にしていました。心拍は登りで168-172を越えたら落とすスピード感を保持。
地蔵峠までは8km強くらい?およそ70分かかってました。この時点でけっこうな量の汗をかいてます。日陰のないロードはとにかく暑い。
※それでもこの時間帯はまだマシな方でした。
-エイド2
〜大矢岳①
地蔵峠からは登りトレイルに直結。ここからは涼しく快適な山の中です。だいたい200mないくらいの上昇。直射日光は当たらないし冷たい風が吹いてヒンヤリしており、ロードとは比較にならないほど気持ちよい。
大矢岳から冠ヶ岳に向かう道はガスっており普段なら残念に感じるところですが、夏のレースにおいては大変ありがたい。
~ウォーターステーション・冠ヶ岳
景色を堪能しつつ、ウォーターステーション前後から調子も出てきたので徐々にペースアップして少しずつ前の人を抜いていきます。
路面の感じや水の減り具合などを把握し、ここからがレースの開始って気分でした。
ウォーターステーションを抜けるとだいぶ晴れてきます。
コース中で一番のビューポイントはこのあたり!
~地蔵峠②
冠ヶ岳から地蔵峠まで何キロかありますが、くだり基調なのでわりとすぐ。
以降は30kmカテゴリーの人たちも走行中になるため、地蔵峠エイドはだいぶ人が増えてきます。スタート時間が多少ずれてもルートがかぶってるのでこうなりますわな。
ちなみにこのエイド2関門が特に厳しかったらしく30分延長になっていたようです。それもあってエイド3の関門アウトの方がけっこういたようで…。
-エイド3(アスペクタ内)
〜駒返峠①
地蔵峠から再び大矢岳を経由し、分岐から駒返峠に向かいます。少し混み始めていたし通ったばかりなので大矢岳2回目の写真はなし。
分岐点から最初と違う方向に進み、10kmほど急登や長い登りのない走りやすいトレイル。ただし一部スリッピーな箇所もあります。場所によっては泥濘がすごくて木版を踏まないと軽く沈むところも。わりとロードの多いコースですが、この区間はトレイルランニングしてる!と感じられる楽しい時間です。
駒返峠からはテクニカルな降りとなり、ごつい根っこの道を越えた後はガッツリとしたガレ場。後程また通るし、まだ全体の半分程度なので様子見がてらゆっくり進んでルートの特徴を記憶に残します。この大会は短い距離のカテゴリーで割とトレイルビギナーの方も参加されるので、この区間は山慣れしてないとしんどいだろうなぁと思いながら進みました。アスペクタまで一気に650mくらい落としていく区間でもあり、あまり時間をかけすぎるとまずいのです。
トレイルを抜けるとロードに合流。数100mながら登りが入ること、そして何より直射日光の厳しい暑さ。山頂から気温も何度か上がりますし、涼しいトレイルから出るのでギャップがすごい。単純計算で山頂から3℃くらい高いわけで、さらにほぼ昼時になってるからそりゃ暑いよね。
〜アスペクタ①
しばらくはロードでアップダウンしながらアスペクタに向かっておよそ100m弱を降っていきます。暑いので短い登りでも心拍数が上がりやすく、実数値も普段より3-5%くらい高くなります。
暑さで胃腸の調子が露骨に悪くなってきて、比較的飲みやすい補給食のジェル(アミノバイタル)すら若干気持ち悪いくらいでした。この先からエイドでは飲み物だけ。口に入れるのもしんどい固形物は無理して摂らない。
サブ飲料兼ハイポトニック枠としてバックポケットに常備のパワープロダクションCCDを前後半で2つ、計340kcal摂れるしエイドのコーラでいくらか足されるのでエネルギーは問題ないという判断です。
アスペクタではゴールゲート方向には行かず会場内をぐるっと周り、エイド3へ。周回中ミニプールに入ってる子どもたちに羨ましさを覚えてましたが、エイドまで行けばスタッフの方に水をぶっかけてもらえます。ありがたい。全身くまなく濡らしてしまいます。
体内がオーバーヒート寸前なため冷やさなければとてもじゃないけど速く走れません。肌を水で濡らしても走っていると30秒もたず乾いてしまう。
なので普段はやりませんが、ウェアや靴の中も常に濡らして気化熱により過剰な暑さを各重要部分から奪ってもらう、という作戦をとっていきました。夏とはいえ濡れた服で山に行くのはあまりよろしくないですが走れなくなったり倒れるよりはマシです。
-エイド4
〜地蔵峠③
びちゃびちゃになって準備を済ませ、日陰で見学してる人たちにいってきま~す!ギャハハ!と言いながらレース再開。ゴールがすぐ近くなのに横目に進むのはなかなか気が引けますが…これより後半戦です。
アスペクタからいったん降り、最初と違うルートから短めのトレイルを経由しロードに合流する登り。戸建ての飲食店がいくつか並ぶ通りを進んでいるとき、側溝に何やら動いた気配。なんだろう?と覗くとそこにはうり坊!めっちゃかわいいミニサイズ。お母さんとはぐれちゃったのでしょうか。とはいえレース中、お母さんがいても困るし横目に進み続けます。
なんかこの頃、とても嬉しいことにかなり高い確率で山に行くたびにカワイイ生物と会えます。引き寄せているのか、引き寄せられているのか?さておき、この辺だけは日陰から日陰に進む間だけは走りました。
そして例の長い登り坂へ。半分でも走るべきか悩みましたが、出力を抑えて最初と同じくパワーウォークで進みました。心拍数と大殿筋の感じからして、おそらく走っても支出に対しての見返りは少ないだろう、という判断でこれは妥当でした。後で加速する分にパワーを残したほうが速いという見立てです。
風は吹けども直射日光が厳しいワインディングで黙々と同じペースを刻みます。標高が上がってる気はしないけど、進んで振り向くとしっかり雲が近づいている。斜度がキツくなっていってもペースは維持し、先行してた人をようやく抜くことができました。ここからが勝負だ!気合い入れてけよ~!
唐突ですが、頻繁にレースに出ておいてアレですが私はどちらかというとトレイルランニングをスポーツ・イベント・アクティビティの枠で捉えてないので正直なところ「速さ」など山において"ある種外来的な尺度"ばかりを追求するのはなんか違うなぁ…と考えることがしばしばあります。スタンスとしては今もかわりません。
だけど、レースに出るとなんだかんだで競争心だったり諸々の気持ちが出てきます。それらに気づくのもレースの渦中にいなければありえないし、おもしろい発見のひとつではありますね。
…熱で頭がパンク寸前に浮かれてるので朧気にそんなことを考えてると、遂にえぐめの急斜面。登り切れば地蔵峠のエイドです。ここでもペースを落とさずひたすら歩き続けます。キロ10切るくらい。
そしてようやく3回目の地蔵峠に到着。しっかり頭から水をぶっかけて、フラスクの水を満タンにしたらいよいよラストスパート!
-ゴール
〜大矢岳③
意気揚々と進むと困ったことが!なんとトレイルが渋滞してる!
18km・30kmの方たちと時間的にかぶってしまい、3カテゴリーがそろってしまったわけです。登りで狭い道が長いのでわりと詰まってしまいました。
まぁ、参加人数の多いトレイルランニングの大会においてはしょうがない現象です。こういうとき無理に進むのは好きじゃないし、涼しいトレイルで息を整えられるよね?とプラスに受け取る。この区間はペースが落ちましたが、実際にかなり調子が戻ってきたので結果的には正解!
大矢岳山頂くらいからは混みも解消、道が広がり比較的抜きやすくなったので声掛けしつつどんどん"お先に失礼"していきます。加速!
〜駒返峠
だいぶ元気になったし、出力をショートレース基準に上げてもスタミナは最後までもつと確信したので1周目よりだいぶ速めに進めます。疲れ自体はあるので登りはパワーウォークになったけど…。
降りは飛ばしても接地に安定があったので躊躇せずガンガンいきます。
駒返峠からの降り、例のガレ場でまたも渋滞。ここはさすがにそうなるだろうなぁ、と思った通り。なんなら地蔵峠先より混んでました。
ある程度の距離をゆっくり進み、道幅が広くなってからは再び加速!シューズのグリップが優秀なのと荷物が軽いこともあって飛んで跳ねて落ちて進むでもグラつきなくスピードを出せます。
ここまでの2区間でほぼ写真がないのですが、それくらい走るのに集中していたというわけです。
〜アスペクタ
ガレ場から降りると後はロード!一気に行くしかない!沢から溢れて側溝にたまった大量の水すらも活用して体を湿しつつ、降りで加速します。
その勢いで登りも走っていったものの、降りのち再三訪れる登りで力尽き歩いてしまった。暑いもんでバテバテです。
しかし、その登りも終わりゴールまでは後少し!少しでも時間を巻くべく、アスペクタが見えてからはぶっ飛ばしていきます!最後は余力をできるだけ残さず全力でいきたいタイプなので…!
そして…ゴール!
ゴールインは他のカテゴリーの人たちとごちゃごちゃに被ってしまった…!
やはりこれだけ暑いとだいぶ主観強度が高く感じます。春なら地蔵峠までの坂も3割か半分は走れてるけど無理でした。
当初の目標は6時間台行けないかな~と思ってたのですが届かず。
しかし順位的にはけっこういい。この距離で一桁は初!いけて20位以内かな、と予想からだいぶ上だったので驚きました。
なんだかんだで結果が良いと気分はいい、というのも事実です。大会までのデイリートレーニングで坂連を多めにしてた甲斐がありました。やはり平日に累積400mの坂ピストンは効きます。
暑さ対策に関してもこれまでの経験から最適解が順序だてて考えられたのも良かったポイント。
そういや去年阿蘇ボルケーノトレイルでコースの4割くらいは通ってるはずなんですが全く記憶にありませんでした。逆走だから…
ゴール後
まず水浴びして体を冷まし、振る舞いの方へ。食欲は全くなかったのでホットドッグはいただかなかったのですが、よく見ると阿蘇ミルクが!!
誇張なしで1番美味い牛乳とおもってます。賞味期限短いし取り扱い店少ないから、実質阿蘇に来た時にしか飲める機会がないんですよね。
レースが終わってからは少しだけゆっくりして、南阿蘇と言えば?の未来コーンを食べたり、萌の里で野菜買ったりひまわり見たりして夏を感じていました。普通レース後は空腹がすごいのですが、今回は腹も減らなくてコーンくらいしかまともに食えないしほぼ水分とアイスというありさまでした。
今年初のミドルレース(50kmだしミドルで良いですか?)、内容的には反省点もあれど結構いい感じの結果だし練習においても方向性がわかってきたので中々の収穫となったのでした。
この大会に限らず表彰選手のレベルは頭ひとつ抜けてるから、もしそこを目指すなら二回り以上はレベルをあげなきゃなと思った次第です。
コース
データ
ペース的にはLTが中心なので、距離比でいうとわりと継続可能な限界に近いところでした。体感的にはトレイルの登りは走っても良かったなって疲労感でしたが、後になって思ったことなので潰れるかわからない状況でそこまで求めるのは難しいところ。
降りはだいぶいい感じになってきたけど、登り対策が夏の宿題として持ち帰りとなりました。難題ですが少しずつ片付けてレベルをあげていきます。Vo2MAX強化から逃げるな!