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ペットの為のみまもりカメラ;どのカメラを選ぶか(Synology Surveillance stationとATOM Cam、ときどきONVIFカメラ)
前回までの話
最近、まぶシステム(マーブルの為のみまもりカメラ)を改良するのが楽しくなってしまい、日々アイデアを考えている。
これまでの記事は以下から。
我が家のカメラ構成
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このnoteでは、我が家で使用しているカメラについて触れていきたいと思う。
どのカメラを選ぶか
カメラといってもかなりの種類があり、高額なものだと数万円もする。
高額なカメラが良いという事は全くなく、安価で用途に合ったカメラを購入するのが最も良い。
ただ、セキュリティ面でも注意する必要があり、得体のしれないメーカーの激安カメラなどは避けたほうが良いと思う。
残念な事に国内メーカーで揃える事はほぼ無理だと思った方が良く、逆に海外製がメインとなる。
ちなみにSynologyは台湾だし、SwitchbotとTP-Linkは中国。
ATOM Camは日本の会社が販売しているが、WYZE CAM(中国)のOEM、もっと言えばXiaomiのものがベースになっている。
Xiaomiと言えば一時期アメリカ政府に投資禁止のブラック入りさせられた(現在は和解し解除済み)事でも記憶に新しい。
ATOM CamはそのXiaomiをベースにしているので一定の不安があるが、クラウドへのデータ保存にAWSを使用しているので最低限のセキュリティは担保されていると考えている。
しかし、中国=危険という思考の人は使わない方が精神的に良いと思う。
使用するカメラを選ぶ際に参考にした項目は以下の通り。
Synology Surveillance stationで管理できるか
パンチルト(縦横に視野を移動可能か)があるか/必要か
ナイトモードがあるか
画素数がどの程度か
複数台を同時に視聴可能か
安価であるか
得体のしれないメーカーでないか
今までに試したカメラ
ATOM Cam
ATOM Cam 2
ATOM Cam swing
SwitchBot見守りカメラ
TP-LINK Tapo C210
1.Synology Surveillance stationで管理できるか
現在はiPadをモニターとして下記の様に確認をしている。ソフトウェアはSynology Surveillance stationのiPad版であるDS Cam。
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そのため、同ソフトウェアで管理できることが大前提となる。
Synology Surveillance stationでの管理が可能かについて確認すべき事は大きく2つ。以下のどちらかに対応していれば使用可能。
ONVIF対応
RTSP対応
ONVIFに対応していればベストだが、単に動画を閲覧しそれを録画するだけならRTSPでも問題ない。
ONVIFに対応しているとパンチルトカメラの操作がSynology Surveillance stationからも行える様になり、わざわざ純正ソフトを起動させる手間が省ける。
ここで最初の脱落が出た。
SwitchBot見守りカメラである。
SwitchBot見守りカメラはSwitchbot純正アプリからしか閲覧、制御できずSynologyへの接続ができない。要はRTSPもONVIFも未対応。
他にも不満点があったので、SwitchBot見守りカメラの継続使用は諦めた。
2.パンチルト(縦横に視野を移動可能か)があるか/必要か
これは大きく2つの考え方があると思う。
1.パンチルトが必要な場合
少ない台数のカメラで広域をカバーしたい
ペットが広範囲に移動する
固定カメラだと死角ができてしまう
ある固定カメラが接続不良などで閲覧出来なくなった際、別のカメラで確認できる様にしたい(バックアップ用途)
2.パンチルトが不必要な場合
物理的にカメラを多く設置可能
ペットの移動がケージ内など限られた範囲内に制限されている
固定カメラでも死角ができない
パンチルトを必要とする場面は、固定カメラだと見えないアングルがあるからだと考えているので、我が家の様に多くのカメラを設置する場合、基本的にパンチルトは不要だと考えている。
パンチルトができるのは3機種(ATOM Cam swing、Switchbot見守りカメラ、TP-LINK Tapo C210)だが、台数で死角をカバーする方針の我が家ではパンチルトは不要という結論になった。
余談だが、セキュリティの観点からも無用なパンチルトは避けたほうが良いと思っている。
正しく恐れる必要がある点に注意して欲しいが、謎メーカーのネットワークカメラを使った結果、不正にカメラにログインされた挙句、パンチルトして室内の広範囲を見られでもしたら目も当てられない。
ネットワークカメラは不正アクセスの標的になりやすいし、多分見られたことには気づかないので十分に注意したい。
メリットとデメリットは常に対極の関係なので、各自取捨選択をして欲しい。
3.ナイトモードがあるか
今はナイトモードが搭載されていないカメラの方が珍しいが、一応確認しておいた方が良い。
スナネズミなどは夜間でも活動するので、夜中にカサカサ音で目覚めた時に直ぐ映像を確認できるのはとても便利。
4.画素数がどの程度か
非常にざっくりというと、どこまで詳細に(言い換えれば拡大してもはっきり見えるか)見られるかの指標。
ケージに近づけて撮影する場合、フルHD画質(1920 X 1080)程度あれば十分だと考えている。
屋外で車のナンバープレートや人物の識別を必要とせず、比較的対象近くにカメラを設置する場合、フルHDでまったく困らない。
5.複数台を同時に視聴可能か
特に純正アプリを使用する際には非常に重要。
カメラを確認するときは、当然ペットはどこにいるかわからないので、カメラ映像は一覧できた方が良い。
複数台同時確認ができない場合、1台ずつカメラを確認することになり非常に手間になる。
なお、ATOM純正アプリ、Switchbotアプリ、TP-Linkアプリは最大4台まで同時に見ることができる。
Synology Surveillance stationはiPadなら6台、PCなら100台でも可能。
もちろん複数接続には別途ライセンスが必要。
6.安価であるか
これも重要なポイント。
複数台を設置する際には1台あたりの単価は安い方が良い。
価格はAmazon(2022/11/08現在)。
ATOM Cam 2:約4000円
ATOM Cam swing:約5400円
SwitchBot見守りカメラ:約4200円
TP-LINK Tapo C210:約4300円
7.得体のしれないメーカーでないか
ここは評価が難しい。
明確に映像の覗き見など悪い事をしているという証拠はないので、気持ちの問題も含まれてくる。
ATOMがAWSを使用しているので安心感はあるが、サーバが中国にあるメーカーの場合、クラウドにアップされたデータはいつでも閲覧される可能性があると思った方が良い。
もっとも、見守りカメラを設置する際には余計な箇所が映らない、プライベートな空間を含めた生活空間を無駄に晒さないというのが大前提になる事に注意して欲しい。
要は、万が一誰かに見られてもダメージを負わない場所のみを映すというのが鉄則。
といっても、Eufy(充電器で有名なAnkerの家電ブランド名)が、データはローカルにしか保存されない(=クラウドにアップされない)と言っていたにも関わらずしっかりとデータをクラウドにアップしていただけではなく、発覚後に規約を修正するという鬼畜っぷりを披露した事件もあるので、どこが信頼できるかはわからない。*1
まとめ
ここまでの項目を踏まえた比較表。
パンチルトは不要という方針なので、ATOM Cam/Cam2を採用した。
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おまけ
各カメラの雑感。ATOM Camはすでに製造中止になっているので触れない。
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各カメラを比較した際に結構気になった点が1つある。
それは「下まで見ることができるか」といういうもの。
以下の画像は少し高い台からケージを見下ろしているが、SwitchbotやTP-Linkは下の可動範囲が狭すぎて十分に映すことができない。
向かって左はATOM Cam swing、向かって右はTP-LINK Tapo C210。
似たようなレンズ位置に見えるが、実際は結構違う。
ちなみにSwitchbotもTP-LINK Tapo C210と同じ画角だと考えてよい。
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ATOM Cam swing
下までしっかり映っている。
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TP-LINK Tapo C210
下はほとんど映っておらずこれでは使い物にならない。
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Atom Cam2
フレキシブルに位置調整が可能。
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画像は公式から
リファレンス
*1
Ankerの家電ブランド「Eufy」がプライバシーに関する約束をウェブページからこっそり削除、勝手に監視カメラ映像をアップロードしていた問題発覚の直後(2022年12月19日 16時00分)
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