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私が怒っているときは大抵悲しいとき

先日2人で飲みに行った初めてのお店。
広くはない店内だったが食事は美味しく
ほぼ満席。
お酒が飲める場所は
他のお客さんの会話が丸聞こえ。
声だって大きくなる。

着席してすぐ
他のお客さんグループの会話で
"シングルマザー"という単語が出て来て
耳に引っかかった。

(なに・・・?)

と思い、耳を傾け
聞こえてくる会話に
ググッと目の前のビールを飲んだ。

内容がたまらなくムカついたのだ。

お酒がすすむ前は
横にいる友人に話すつもりはなかった。
でも、飲むにつれ、話したくなった。
自分の心の中に留めておくことで
ドロドロが増すような気がした。

『なんなん、アレ。なぁ、アレの何がおもろかってん。』

ただの不機嫌の八つ当たりに
なってしまったかもしれない。
ごめんなさいと思いながらも
わたしは悔しかった気持ちをはき出したかった。

内容としては
“可愛い女の子”がいると思ったら
実は“シングルマザー”だった。
「だから、ないわ~」
と発言するひとりの男性に対し
ある人が
「そんなこと言わんと誘ったれよ~」
「ヤったれよ~」
と笑いながら発言。
そのやりとりを聞いている複数人と発言者が
「ガハハハ!」と笑い、盛り上がる。
そういうものだった。

わたしはきっとその“可愛い女の子”には
到底見た目も中身も劣るだろうけれど
かわりに言わせて欲しい。

「ないわ~」→ごめん、そんな人こっちも「ないわ~」
「誘ったれよ」→ごめん、そんな人は迷惑
「ヤったれよ」→馬鹿にするな、選ぶ権利は対等でこちらにもある
「ガハハハ!」→何がおもろいねん、教えてくれ

【下の人間】とみなして見下し
【属性】で人を判断
ガハハハと【嘲り笑う】スタイル。

ただの居酒屋での一コマにすぎないけれど
これは世間の“偏見”を凝縮したような一コマだった。

腹の底から怒りを感じながらも
わたしは本当は悲しかったのだ。

わたしたちは
蔑まれ、馬鹿にされる存在じゃない。
お願いだから笑わないで欲しい。
わたしたちは、これまでの人生で傷つき
大変なこと、のりこえなくてはいけないことがたくさんあった。
そしてそれは、現在進行形でもある。
必死で生きている。

ねぇ、お願いだから、笑わないで欲しい。
たまらなく悲しいのです。

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