壮大な無駄も無意味も、また、美し。(寄稿記事)
一気に寒くなってきましたね。
今年の秋の土用入りは、10月20日。
この日から、
立冬の前日である11月6日 までの18日間が、秋の土用となります。
季節の変わり目である土用には、
季節の食べ物を意識して食べ ることで、
必要な栄養分を補い、次の季節に心身ともに備えましょう。
夏に酷使した消化機能の回復には、
キャベツ・南瓜、人参・かぶなどの根菜、
豆類・栗などの穀物を摂る と良いそうですよ。
ところで、秋といえば、紅葉。皆さんは、
なぜ、秋に葉っぱが色づくのか、
なぜ、葉っぱが落ちるのか、 ご存知ですか?
詳しい理科は割愛しますが、(※本文末に追記)
樹々の葉が落ちるのは、
冬に向けてのエネルギー節約が目的で、
葉っぱが赤 くなることによる
樹への生物学的なメリットは一切無い、という説があります。
花が咲くのには、虫を寄せるため、
という目的があるけれど、
紅葉には、目的がないのです。
断捨離した ついでに、
赤くなっちゃうだけなのです。
何に感動し、
何に価値を感じるのか、
という定義は人それぞれですが、
人間の心が
最も静かにしみじみとするこの季節に、
あんなにも美しく山一面に染まるのに、
そこに意味は無い。という、
「諸行無常と無意味と無駄」 の美しさ、
を味わうというものも、
また、粋かもしれません。
※ 紅葉のメカニズム
植物は、通常、葉に含まれる葉緑体によって、光合成を行い、
糖分を生成して、栄養素としていますが、
日が短くなり、日照時間が少なくなると、
光合成によって生成できるエネルギーよりも、
葉を維持するエネルギーの方がかさんでしまうため、
エネルギーの節約のために、
葉への栄養分の運搬を停止します。
具体的には、
葉っぱの付け根の所に、
「離層」という壁を作って、
物理的に供給パイプを塞いでしまうんですね。
これによって、
栄養の供給が止まり、葉の中の葉緑体が分解されることで、
緑の色素(クロロフィル)が消えて、元々の黄色(カロチノイド)
の色が見えるようになるのが、黄葉。
分解した葉緑素と、葉に残っていた糖分が反応して
赤の色素(アントシアニン)が生成されて、
葉が赤くなるのが紅葉です。
葉の付け根の「離層」が完全に完成すると、
その名の通り、この部分から、
葉っぱがポロっと落ちます。
この、ただの断捨離によって地面に落ちた葉っぱが、
土を肥やしたり、微生物を繁殖させたりする腐葉土になってゆくのだ、
と、思うと、
本当に、自然の仕組みって、
よくできてるよなぁ、って思いますよねぇ。
今日の魔法の質問
身近にどんな自然がありますか?
それではまた明日。
すみぃ でした。