ダイアロジックリーディング、そしてアウトプット
「思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ」加藤映子著、を読んでのメモ。
ダイアロジックリーディングという言葉を初めて知る。「幼少期のお子さんには、絵本の読み聞かせが大事です」「読み聞かせをたくさんしましょう」という呼びかけは、子どもが生まれてからたびたび行く児童館や保健所でたびたび言われ、図書館などによく置いてある、絵本の紹介パンフレットなどの読み物の中にも見かける。だが、その理由を明確に知らなく(調べようともせず)ただ、なんとなく、親子の密着した時間が大事だ、母親や父親の愛情のこもった声で脳が活性化する、スマホであやすな、の対抗策として本を読め、くらいの意味にしか捉えておらず、実際になぜ読み聞かせが必要なのか、ということを論理的に考えてこなかった。だが、この本で書かれている、「ダイアロジックリーディング」という読み聞かせの方法の存在を知って、読み聞かせの必要性に納得がいった。
まず、欧米では、絵本の読み聞かせは、親子同士のコミュニケーションという漠然としたものではなく、言語の発達における訓練というはっきりとした目的があるとのことだ。
そこで実践されるのが、「ダイアロジックリーディング」で、これは、一方的に母親が子どもに本を読み上げるのではなく、ストーリーに出てくる言葉、挿絵などについて親子同士で話したり、子どもの意見を聞き出すように誘導するような読み方なのである。
これは、インプットではなく、アウトプット、という行為に重点を置いているということだと思う。「アウトプット大全」樺沢紫苑著によれば、
インプット3割、アウトプット7割が良いバランスということが述べられている。
どいういうことか。脳の機能の論理でいくと、覚えたことを、「運動性記憶」で定着させることが鍵だという。アウトプットする行為とは、話す、書く、など体を使う。つまり口の筋肉を使ったり、表情、ジェスチャーで体を動かしたり、筋肉を使うのだ。
二週間に3回使った情報は記憶される。
それだけ、アウトプットして、つまり実践をすると、脳は、その行為を重要な情報として認識し、後に使われる情報としてその記憶を定着させるようだ。(海馬から側頭葉に長期記憶される)
言語スキルの向上を目的とするダイアロジックリーディングは、インプットした情報をその場で自分の現実や生活に盛り込み、再度自分の頭の中で考え、外に出す行為であり、つまり、即座にアウトプットする行為である。これは、非常に効率的な言語スキルの訓練方法ということになる。
このような仕組みを知っておくことがどれだけ重要なことか。
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