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落下の解剖学 感想ネタバレあり

こんばんは!
昨日見たフランス映画の感想です。

落下の解剖学は、夫 妻 11歳の男の子が住む家で、夫が転落死し、妻が容疑者として裁判にかけられるというストーリーです。
現在は、Amazonプライムで見ることができ、アカデミー賞脚本賞を受賞しています。

この映画の中で、夫婦喧嘩のシーンがあります。
夫は、時間が欲しい、家のことも自分がやっている。家事の負担を平等にしてほしいと妻に訴えます。妻は、あなたに息子の勉強を見ることを強制していないし他のこともお願いしていない、時間が欲しいならいまやれば良いのよ、というような事を言い返します。

最終的に妻は息子の意見により不起訴となるのですが、
私は最終的なこの結末より夫婦の関係性、それぞれの言い分に対してとても興味を持ち、ものすごく引き込まれこの映画に魅了されました。

それはいま子育てしていて感じる時間の無さ、時間がない時に夫婦で感じる絶望感にこの映画が共感してくれたと感じたからです。

子育ては息抜きしながら、お惣菜や電化製品を使って効率よく!短い時間の中で子供へ愛を伝えよう!そんなメッセージが世の中に蔓延っているように個人的に感じ、そのスピードについていけない自分に自己嫌悪することも多い私ですが、この映画はそんなわたしの気持ちを代弁してくれているような気さえしました。

この映画にでてくる夫、妻どちらが悪いというような考えは浮かびませんでした。私がこの映画を観て感じたのは自分のやりたいことをやり自己実現する時間と子育てを自己が満足できるほどに割くことができる時間はない、両立は不可能だということでした。
もちろんやっている方や工夫している方がいるのはごもっともですよ!^ ^

過ごしてきた中で変わってしまった夫婦関係や意見のすれ違い、歩み寄らない日々、その終わりまでの過程を映し出したこの映画に他の映画とは違う感謝の念を感じました。

そして最後に驚いたのは、この映画の中で夫が息子に言った事です。(飼い犬がでてきますが、この飼い犬を自分と見立てて話した事です。)この犬はいつもおまえを危険から守り、おまえに何が必要かいつも考えて行動している。他の犬とは違う。いつかこの犬がいなくなると思っておくんだ。遅かれ早かれそう長くはいないと。

このようなことを私の夫が何度か言ったことがあり、どういう心境なのか分からずにいたのです。大袈裟だななんて。私は初めて夫の気持ちを理解したのです。背負っているそんな心境を。

これには本当に驚きました。

ご閲覧ありがとうございました。


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