20231028-1105「見逃した映画のことばかり考えている」

10/28
昨日から妻と娘たちは実家に帰っている。
朝から頭痛で寝込んでいた。昼と夜はなんとかラーメンを食べに行く。最近、醤油ラーメンが好きだ。シンプルな醤油。できるだけオイリーなほうがいい。昼は貝。夜は鶏。

帰宅して執筆。「『ビーチバム』推敲の物語」を書き終える。noteで公開。

10/29
妻と娘たち帰宅。
地元の図書館で世田谷ピンポンズの講演会。富士正晴の「煙草」「巷」「愛の歌」につけられたメロディがとても良い。詩がジャカジャカと飛びまわるフォーク、ギターの生音は優しくて、富士正晴の顔をした大勢の小人が客席を走りまわる至福の時間を思い出しながら、俺は丸太を枕に眠りについた。

10/30
仕事。1003で葉山莉子『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』を購入。発売を楽しみにしていた日記本。タイトルの「レモンケーキ・エフェクト」はこの人の言葉なんだ!という驚きは、戸田真琴『そっちに行かないで』を読んだ時にもあったのだけれど、そういうタイトルの付け方に惹かれる。

10/31

今日はハロウィンだから『アナと雪の女王』エルサの格好をして登園した5歳の娘。楽しんでいるかな、とそわそわしながら家で原稿を書いていた。あまり集中できず、はやく迎えに行って感想が聞きたいとばかり思っていた。

ドラキュラの格好で保育園のお迎えに行くと、ウッディ、ピカチュウ、プリキュア、ミッキーたちが集まってきて「ちぃすわれる〜」と叫ばれたり、攻撃を喰らったりした。

2歳の娘は保育園でつくったピンクのトトロの被り物を家でしばらく着ていたが、家族で集合写真を撮ろうというときに限ってトトロの帽子を脱ぎたくなったらしく、それを妻がしょうがなく被りポーズをキメて、ピンクのビニール袋を被った娘がカーテンの側へ運ばれたベビーチェアに座っている、俺はドラキュラ、そしてエルサ、よくわからない写真となる。これはたぶん年賀状に使われるのだろうが、どこかエド・ウッド的なものを感じるので、お正月にはちょうどいいのかもしれない。初笑い。

夜、第二詩集の原稿を送信。

11/1
『ザ・キラー』をアップリンク京都で観た。デヴィッド・フィンチャーが『マインドハンター』(season3つくってほしい)の質感で、王家衛的なモノローグ(『天使の涙』の殺し屋パートがずっと続くような感じ。)を使って『ジョン・ウィック』を撮ったみたいな映画だった。殺し屋がずっとザ・スミスを聴いているのも、完璧になり過ぎないためにナイーブさをあえてまとっているように見えて可愛らしい。だからこそ大事な局面で失敗したのだろうけど。そんな気はしていたが、あんだけ冒頭で格好つけておいて…という盛大なフリには笑ってしまった。

11/2
仕事。ふたば書房御池ゼストで詩集を一冊購入。いまのモードに近い本はないかと探すと、必ず見つかる棚がある書店が俺にはいくつかあって、そういう書店は本当に信頼している。

『スーザン・ソンタグ「脆さ」にあらがう思想』読み終える。『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』と交互に読んでいたからか、スーザン・ソンタグの日記も読みたくなり、部屋で煙草を吸う時にだけ『私は生まれなおしている』を読むことにした。

11/3
『パトリシア・ハイスミスに恋して』をシネリーブル梅田で。パトリシア・ハイスミスの日記と元恋人たちや親族のインタビューから紐解かれる人生。日記は未邦訳だし、こうやって映画で知ることができてよかった。日記を元にしたドキュメンタリーというものがもっと増えてほしい。自分以外の日記が好きすぎる。

夕方から急に寒気がして、熱をはかったら37.6℃。部屋で横になりながら森脇透青さんが出演するゲンロンイベントを観た。4時間。身体はしんどいが、森脇さんの活躍にテンションが上がってしまい、そのまま『ロキ』シーズン2第5話、『GEN V』第8話を観て寝た。

11/4
頭痛と腹痛。一日寝て過ごす。
『ロキ』シーズン1を一気見。シーズン2第5話があまりに良かったので再見したくなってのこと。ヴィランとして登場したロキがヒーロー然としてくるその姿に感動していると、オーウェン・ウィルソン演じるメビウスにやられる。オーウェン・ウィルソンはウェス・アンダーソン作品で独善的な登場人物ばかり演じるからどうも好きになれずにいたが、Marvelという歯車のなかでは、特にそれが顕著な『ロキ』という作品では、もうとんでもない格好良さで、仕事好きなパッとしないおじさんの本人も知らない過去が存在すると明らかになっていくにつれて輝きを増すのがもう…!!再見するまで忘れていたが昨日観たシーズン2第5話への伏線がたくさんあって、シーズン2も再見したくなった。最終話は来週金曜。それまでに。

11/5
妻と5歳の娘が『すみっコぐらし』の映画を観に行ったので俺と2歳の娘は留守番。俺の体調が悪いのを見兼ねて母が少しだけ来てくれた。そのあいだに、こないだふたば書房で買った詩集を読み終える。この詩集のことはいつか書きたい。韓国の詩人。

見逃した映画のことばかり考えている。ビー・ガン『ロングデイズ・ジャーニー3D』は一昨年コロナの影響で3Dメガネが配布されず2Dで観た。それがこの三連休で関西初3Dで公開されるとのことだったが、観にいけなかった。映画はいつかまた劇場で上映されるだろうと思うし、配信やDVDで観ることができるから大抵は少しのあいだ後悔するだけで済むが、3Dとなれば話は別で、しかも『ロングデイズ・ジャーニー』は途中から3Dになるという変わった映画だ。そんな簡単には上映されないだろう。観たかった。一昨年の悔しい気持ちもある分よけいに。「3Dメガネをかけてください」の表示とともに眼を覆う興奮を味わいたかった。内容は知っているし、めちゃくちゃ好きな映画ってわけでもないから、その行為のためだけに、なのだけれど。なんばパークスシネマだけの上映だったから、次は京都で。となればいいのに。




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