京都造形芸術大学のヌード講座問題について
※noteを始める前に他で書いたものをせっかくなので転載しました。ネタがちょっと古いのはご容赦を。※
先日、「みんな誤解していないか?女性受講生が訴えたのは、セクハラ認めながらも排除した京都造形大の対応」というまとめ記事を見た。
「誤解していないか?」じゃないよ…。
そもそも、最初に大学に申し入れた内容自体が、若干理不尽なクレームだと私は思いますけどね。
(大学が対処する範疇にある項目については、大学側が反論可能なものであり、残る問題点は、原告と会田氏の間で解決するべきことで、大学側に非はないように思える)
「アーティストの作品の是非」については問いたくなくて、「大学という組織がその人を講師に選んだ」ということに対して訴えてるということは分かってる。
また、セクハラを訴えた後の大学の対応(後述するけど、ある程度当然のものと思われる)にブチ切れて提訴したらしい、ということも分かってる。
それでも私は、今明らかになっている範囲の情報からすると、この女性の言動は擁護できないと思うな。
ちなみに、
「公開講座だから講師くらい調べてから申し込むべき」
「通信とはいえこの美大の卒業生で、ヌードモデルもやってるような人間が、会田誠を知らないなんて無知」
この辺の話は、ごもっともかもしれないけど、今回の本質には関係ない。
ネット上で命名された「お気持ち当たり屋」、これに尽きるかと。
この言葉自体や、原告をこう呼ぶことを批判している人たちもいるけど、私は言い得て妙派。だってやったこと見たらそういう風に見えるもの。
でも確かに、大学側に非はありましたね。
「セクハラがあったと認めて、原告をつけあがらせてしまった」という点で。
何でそこ認めたかな…ということを考えた時、セクハラが無かったと言い切れない理由は、ただ一点、会田氏の「ヌードモデルをズリネタにした」発言。確かにこれは決定的にマズかった。
でもこれは、大学に文句を言うことじゃなく、会田氏個人を訴えるべきことかと。
会田氏の作品の是非を問いたいわけではないなら、なおさら、会田氏を講師に選んだ大学が悪いわけではない。
会田氏個人を訴えにくい(訴えても勝てない)から、大学を狙ったというなら、誰かの入れ知恵があったか。
大学は、先日起きたバーバリーの自殺縄問題と同じで、確固たるポリシーも表明せず「まあ、こちらが悪かったって謝っとくか。」って対応するからこんな事になるのよ…。
最初に訴え出られた時に、
「本学は芸術を学ぶ場であり、今回はヌードというテーマに基づいて、著名な芸術家たちを講師としてお招きし、広く外部にもその講義を受ける機会を開かせていただきました。その講師選定において、特段の問題があるとは考えておりません。
ただし、この度、受講生の方がご不快になられたという大変不幸なことが起こってしまったことは事実であり、誠に残念ですし、本学として改善すべき点は改善していく所存です。
しかしながら、当該講座が環境ハラスメントである、という訴えにつきましては、本学が提供する学びの特性等の観点から、受け入れかねる、という判断になりますので、ご理解いただきたいと思います。
なお、受講生の方がご不快になられた講師の発言につきましては、当事者間で解決していただくべきものと考えます。」
…って言っちゃダメだったの?これだと叩かれるの?
(ちなみにセクハラだという訴えがあったことや、セクハラがあったと認めた事実について、講師は知らされてないらしい。勝手に認めるのはよろしくない気がするけどな。)
で、もし原告が希望するなら、本当はそんなことする必要もないけど、事情を鑑みて、って言って受講料返してあげたらいいと思う。
問題視されてる、大学からの徹底した縁切り通告も、今後またこの人が同じようなことを言ってきても困るし、至極真っ当なことに思える。
ただ、結構キツめの内容だし(それほど関わらない方が良いと思ったのかも)、一旦「被害者様」にしてしまったから、強気の姿勢でキレて訴えまで起こすし、擁護する人も出てきちゃう。
というか、やっぱり、訴訟ありきで講座を受講したのでは?という線も疑ってしまうなあ。
お金目当てではなく、こういう表現が気にくわない人たちの企みで。
だって、3回目の講義で嫌な目にあったというなら、せめて以降の講義については、出席するなら講師について調べるでしょ…。
会田氏以外にも文句言われてる、5回目の講師の内容だって調べればだいたい分かるはず。
しかも、見せる写真については、一応警告はなされていたらしい。
理由はどうあれ、見ることに同意したなら、その結果は自己責任ではないかと。
「SMクラブでM選んだのに、鞭で叩かれた!」とか言ってるようなもんじゃん…。
(万が一、4回目以降の講師について調べずに参加していたなら、それはそれでドMなの?と思ってしまったので、こんな例えになってしまった)
まあ私自身も当事者でもないし、自分が調べた事情しか分からずに書いてるけど、論争している人たちは、それぞれ自分が論じたい争点を見いだしてミクロ眼的に話してるだけの人が多そうなので、問題の全体像や本当の問題点が全く分からなくなっている気がする。