観劇サポート REPO②
新国立劇場演劇公演「ピローマン」視覚に障がいのあるお客様への観劇サポート、10/19,21,23の全日程が終了しました。
わたしは反応工程以来3回目のファシリテーター(司会進行役)を担当しました。
2018年の「スカイライト」から始まった観劇サポート。自分の仕事で参加できない公演もありましたが、ほぼ全てのサポートに携わっています。
もう6年近く行っている活動なのですが、
未だに「そんな活動があるんだ!知らなかった!」という声が多く、
まずは知ってもらうことからだね、という話を観劇サポートチームでしています。
簡単に言うと、視覚に障がいのあるお客様に、公演前に集まっていただき、
舞台説明会を行います。
その中で、舞台上に実際に上がっていただいて、舞台の広さや舞台セットの位置を体感していただく舞台空間ツアーを行います。
ただ、コロナ禍でこの舞台空間ツアーが出来なくなり、
「体感していただく」という経験をどう補ったらいいか試行錯誤した結果、
劇場のロビーに簡易的な仮説舞台を作り、
そこで少しでも「体感していただく」ことを大切に舞台説明会を行ってきました。
昨年から、舞台空間ツアーが復活し、
お客様と一緒に舞台を回れるのはやっぱりとっても嬉しいです。
舞台空間ツアーの後は、ロビーにて、
触る模型や小道具を使って、
作品のイメージをさらに広げてもらい、
簡単な作品解説なども行います。
新国立劇場非公式?マスコットの熊ちゃんにも時々ご登場いただき笑
衣装や小道具などを説明しています。
あとは、事前に声のプログラムもお渡ししており、作品説明や、出演俳優さんたちの声、作家や演出家のプロフィールなどを収録しています。
聴覚障がいのお客様のための観劇サポートは小劇場などでもよく聞きます。
わたし自身、名取事務所の「女は泣かない」に出演した際、同時舞台手話通訳の回があり、
とても新鮮でした。
他にも小劇場でも舞台手話通訳付きの公演はいくつか目にします。
視覚サポートも予算の少ない小劇場でやるとしたら、「触る模型」を作成しロビーに置いておいて事前に触ってもらったり、
声のプログラムを作成して事前にお送りしておく、なんてことだったら予算がなくても出来ることなのでは?
なんてことを思います。
わたしがこのお仕事が好きな理由は、
相手の立場になって物事を考えることの大切さを学ぶことができるからです。
視覚の情報がない世界で、
いかに物語を楽しんでもらえるか、
それを考えることは自分の視野を大きく広げてくれますし、
誰のために演劇をやるのか
という基本に立ち返ることができるように感じます。
自分の喜びが他者の喜びになるのが嬉しいからなんですよね。
売れること、有名になることにこだわりすぎると忘れてしまいがちな大切なこと。
舞台空間ツアーや、触る模型や小道具を体験してもらうことで伝わってくるお客様のワクワク感が、
とてつもなく嬉しいのです。
観劇サポート、特に視覚に障がいのあるお客様のためのサポートを広く知っていただくためにレポートしてみました。
広まりますように。
知っていただけますように。
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