リコリコがとにかく凄すぎるという話(9話までの感想)
本当は「2022夏アニメ前半を観て」という記事の中のリコリコについての感想、として書いていたものなんだが、リコリコの感想だけでめちゃくちゃ分量が多くなってしまったので、先に別記事として出しておくことにした。
※基本ネタバレありの感想なので、まだ観ていない方は観ないほうがいいと思う… 適宜自己防衛していただけると。
あと思った事をひたすらオタク特有の早口ベースで書き殴ってたら20000字超えの超長文になってしまったので、適宜読み飛ばしていただければ…
リコリス・リコイル
もはや言うまでもないかもしれない、今季における「覇権」アニメ。
私のハートはリコリコに(ズッキューンという音とともに)完全に撃ち抜かれてしまった。ドハマりという言葉が適しているくらいには本当に好きになったし、最終回まででお話がどう転がろうが、リコリコと一生を添い遂げる覚悟でいる(オタク特有のデカい主語)。
アニメ視聴活動をはじめて3年半ほど、いろいろなアニメを観てきたつもりだが、ここまで好きになったアニメは今までなかった。
毎日リコリコのことを考えずにはいられないし、次の話が気になって気になって仕方がないほどにはハマってしまったな…。
「面白い」と「ハマる」の差
私はいわゆる「覇権」とされるアニメに対して、もちろん面白いとは思うものの、「ハマった」ことは一度もなかった。
(例に出すのもあれだけど)たとえば前期安定覇権だった「かぐや様は告らせたい」。ちょうど本格的にアニメ視聴活動をはじめた頃に1期が放送されていて、リアルタイムで1期・2期・3期と観てきた作品だけに、それなりに思い入れもある。
安定して面白かったし、最終回1時間SPのクオリティは圧巻だった。けれど、「ハマる」とはまた違う。
確かにアニメは観るし好きな作品なんだけど、そこからグッズを買う・公式サイトのコンテンツをチェックする・ラジオを聞く・原作を買う… というところまでは行かないし、ある種熱狂的というか、「惹きつけられる何か」が足りない。
私にとって、「面白い」と「ハマる」は別の概念なんだろう。
「面白いと感じるもののハマるところまではいかない」作品もあるし、「世間的には評価が分かれるけれどどっぷりハマった」作品もある。
ハマったかどうかの線引きは、おそらくグッズや原作を買ったかどうか。基本的に財布の紐がかなり固い & 漫画を読む習慣がないので、そう安々とグッズや原作を買うことはない。それでも「買いたい!」と思える作品は、私の中で特別に映っているんだと思う。
そして、いままで私がハマってきた作品は日常系が多め。
これはもともとそういう作品が好きなのもあるが (^1)、日常系ということは、「『覇権』アニメではない」という裏返しでもある。
もちろん、「まちカドまぞく」や「のんのんびより」(←いずれも過去にハマった作品)のように、続編が作られて話題にもなって、商業的にも成功を収めた作品もある。でも、日常系のその性質上、日常系のアニメがクール1位~2位を争う『覇権』になることはまずない。
私は各アニメの人気度の指標として「アニメフォロワー@AnimeAPI」という Twitter のアニメ公式 Twitter のフォロワー数をグラフ化してくれる Bot のツイートをよく参考にしているのだが、このアカウントを観ていても、やはり日常系の作品と「覇権」とされる作品群の中では、やはりフォロワー数に大きな隔たりがある。
前クールの春アニメで一番好きで原作全巻 Kindle で買ったレベルにはハマった「であいもん」も Twitter フォロワー 1.4 万しかないし(悲しみ)、私が本当に好きになる作品は、良くて中堅どころで、「覇権」争いレベルのところまで行く作品は今までなかった。
おそらく「覇権」を取るようなアニメが大衆(≒ライト層)向けにチューニングされていて(SPY×FAMILY がわかりやすい例)、それ故に私にとって「刺さる」ポイントがないからなんだと思う。
人気が圧倒的すぎる
…閑話休題。
『クール覇権とかどうでも良くて自分が好きだと思える作品を推せばいいじゃん』というのはマジで同意なのだが、それはそうと、リコリコが Twitter のフォロワー数25.5万 (8/26時点) という、オリジナルアニメとは思えない超驚異的な数字を叩き出していることにマジで驚きを隠せない。マジで。
アサウラ先生はじめ関係者もかなりビビっているそうなのだが、まったく無理もないだろう。
夏アニメの放送前はたしか新作で一番フォロワーの多かった「よふかしのうた」ですら Twitter フォロワー10万だし、1期・2期・映画(予定)まで展開が進んだオリジナルアニメの成功例のひとつである「ゾンビランドサガ」ですら、1期2期と放送した後ですら、フォロワーは17万にとどまっている(それでもそこらのアニメと比べればめちゃくちゃ多い方なのだが…)。
リコリコが放送中にも関わらず25.5万という圧倒的なフォロワー数を、それも前評判の一切ないオリジナルアニメで獲得した(そして今なお伸び続けている)というのは、本当に快挙としか言いようがない。
上の記事はリコリコの凄さがデータで裏付けられている記事で、一読の価値あり(「秋葉原IT戦略研究所」さんはアニメフォロワー Bot の開発者らしい)。
2022/08/09 時点でリコリコのフォロワーは19.5万だったのだが、今この記事を書いている時点ではもう25.5万に到達していて、「からかい上手の高木さん」や「冴えない彼女の育てかた」などの歴戦の著名アニメ群をすでに追い抜いてしまった。
今年冬アニメの覇権:着せ恋すらもそろそろ追い抜きそうな勢いで、まだまだ止まりそうにない(止まるんじゃねぇぞ…)。
もちろん Twitter のフォロワー数がすべてではないことは言うまでもないが、60日(2ヶ月)間でこれだけ圧倒的にフォロワーが増えたことを考えれば、覇権どころではない、”””伝説”””の誕生をリアルタイムで体感しているんだよな…。
この伝説の誕生をリアルタイムで追えていることにもはや感謝。
これだけ人気なので、ファンアートもめちゃくちゃ多い。
著名なイラストレーターさんや漫画家さんが描いてくれたりもあるし、ドハマりした身としてはちさたきのかわいいイラストが大量に拝めて、本当に眼福すぎる……(尊いイラストで鼻血流して失血死する音)
自分が大好きな作品が実際に多くの人に観てもらえて有名/人気になることがこんなに嬉しいんだ…という驚きと幸せもあるけれど、作品が自分たち(≒アニメ実況民、コアなオタク)の手を離れてしまうんだな…という悲しみもちょっとあり(👈何様だよ…)、複雑な気持ち。
有名になればなるほど、キッツいなりきりトゥイッターアカウントとか、カスみたいなサムネでリコリコを語ろうとする浅っさい YouTuberが出てきたりで、どうしても民度は下がる。そういうのを見ると作品がおもちゃにされてるような気分になって、萎えてしまうよね。やっぱり。
でも覇権を取ったからこそこうしてファンアートなどなどたくさんの供給が得られるわけだし、これほどの人気があれば2期なりスピンオフなり、何らかのアニメ続編は間違いないだろう。
そういうことを鑑みると、やっぱり有名/人気になって嬉しい嬉しい!って感情が勝るかな。いくら好きでもファンが少ないことにはどうしても厳しいものがあるし…(好きだったしコアなオタクには評価されたが全体としてはそもそも観てもらえずに消えていった作品らを遠目に)
リコリコとの出会い
リコリコとの運命の出会いは、今年の元旦、ゆく年くる年であけおめことよろを丁度迎えたくらいの頃。たまたま TL に流れてきたキービジュアルに、すっかり心を奪われた。
その頃は「スタッフとキービジュアル、キャラクターの名前とキャストくらいで何もストーリーに関する情報がないオリジナルアニメ」で分からないことづくしだったが、とにかくキービジュアルのイラスト、そして千束とたきなのキャラクターデザインがあまりにも「刺さ」りすぎ&かわいすぎて、萌!!!!!!!!!の感情が大量爆発してしまった……
このちさたきのキャラデザだけで、「この”””GOD”””キャラデザのまま良作画でやってくれるなら仮にストーリー諸々がダメでも最後まで観続けるし、絶対に、絶対に名作になる」と確信したのを今でも覚えている。
要はアニメコイン(注:空想上のアニメへの期待値を示す仮想通貨)を大量に BET したのだが、今となってはそれを大幅に上回るリターンが得られて、リコリコ古参としてはもう感無量………(´;ω;`)。
なかなか新情報が出ないな~と思いつつ、冬アニメが終わったくらいの頃。第1弾キービジュアルが公開されて、舞台情報も解禁された(このときはまだほのぼの日常系っぽい雰囲気を醸し出していた)。
ちなみにこのとき「喫茶リコリコ」のアカウントも開設されていて、まだフォロワー数十人くらいの頃にフォローした記憶がある。これもフォロー中のところスクショ撮っとくんだったかな…🥺
ちさたきがめちゃくちゃかわいいカフェが舞台のほのぼの日常アニメーション!? 完全に私好みのアニメーションで最高じゃないすか……と思っていた時期が私にもありました…(まあ間違いでもないんだけど)
全然情報のなかったティザーから一気に情報が解禁されて、期待値がぐっと上がった。
キャラデザがぶっ刺さりなかわいいバディほのぼの日常アニメーション、その時点でオタクの癖に完全にぶっ刺さりなので、期待せざるを得なかった。まさかこの予想を(いい意味で)大幅に超えてくるとは思わなかったけど…
GW 前にははじめての本編映像が解禁され、動くちさたきのあまりの可愛さに思わずオンオン泣いてしまった…(オタク特有の誇張表現)
この時点で、作品の発表から4ヶ月が経っていた。
このときの私はリコリコがの放送が楽しみで楽しみで仕方なかったし、4ヶ月経ってやっと動くアニメーションが見られた喜びもあった。
そして6月中旬に公開されたのがおなじみのキービジュアルと、PV第2弾。ここで『普通に銃ぶっ放してるしスカイツリーはぶっ壊れてる激ヤバ世界観』であることが開示され、めちゃくちゃビビってしまった……
上にちらっと書いた通り人がバンバン死んだり不穏シリアス系の作品が苦手なので、一気に不安が募る(でもキャラクターはとてもかわいいので、いずれにせよ視聴対象になることは確定していた)。
このキービジュアルと PV は1話~3話 (!!!)までの先行上映会が終わった直後に公開されたもの。
1話の先行上映自体はそれなりにあるが、3話まで一気に公開されるのはちょっと珍しい。これも前評判を盛り上げるための策なんだろうけど、実際効果はてきめんだったように思う。
先行上映会が終わった後にその存在を知ったので(痛恨の極み)、私は先行上映会に参加できなかった。散々 Twitter で流れていたし(ちょっと遠いとはいえ)行ける距離でやってたんだけどな…
先行上映会に行ってきたオタクの感想を観てみると、100人中100人がめちゃくちゃ絶賛しているような状況で驚嘆。行けた人がうらやましい…(行けた人は行けた人で1ヶ月以上誰にも感想言えないしんどさがあっただろうけど)
私がこっそり信頼しているオタクも自信を持っておすすめされていたので、(殺伐とした世界観に不安はありつつも)”””勝ち”””を確信した。
オリジナルアニメの(マーケティング的な)難しさ
とはいえ、この頃は『コアなオタクのあいだではめちゃくちゃ絶賛されるけど、一般的にはあまり知られていない隠れた名作』ポジションの作品になるだろうな…と思っていた。
一般に、オリジナルアニメがヒットすることはあまりない。
もちろんヒット、そうでなくてもそれなりの商業的成功を収める作品もあるし、そうした作品は「名作」として刻まれる。
その一方で、大多数のオリジナルアニメは(素晴らしいクオリティの作品もあるにも関わらず)大多数の視聴者に”手にとってすら貰えない”まま、時のあわいに消えていく。
これはリア友を見ていても感じるところなのだが、アニメのオタクにもかなり幅があるらしい。
アニメは好きだが、たまーにしか観ない(リアルタイムで放送されてるアニメを追うということはほとんどやらない)し、たまに過去の「名作」アニメを漁るくらいの層
毎クールメインで話題になっている作品を、上位5作品くらいだけかいつまんで観ている層
毎クールそれなりの量アニメを追っているが、リアルタイムで観るというところまではいかない層
毎クール10本以上アニメをテレビでのリアルタイム放映で観ている層
毎クール10本以上アニメをテレビでのリアルタイム放映で観ていて、さらにアニメ実況したり感想戦やったりしている層(=実況民)
適当に大まかに分けるとこんな感じだと思っていて、私はその最下層(一番 DEEP な層)に位置している。
下の層に行けば行くほどより多くのアニメを視聴していることになるが、一方で層の人数も少なくなっていく。実況民なんて、アニメオタク全体から見ればごくごく僅かにすぎないだろう。
リア友(複数人)もアニメは好きだが、毎クール公開されるアニメを追うようなことはやっていない人が大半で、いかに潜在的な上側の層(=ライト層)が多いかが伺える。
そして、オリジナルアニメは(アニメオタクの大半を占める)ライト層に届きにくい。評価されるかされないか以前に、そもそも観てもらえない。
オリジナルアニメの中も「新しくリリースするソシャゲへの導入用アニメ」(今季で言うと Engage Kiss がまさにそれ)や大手ブランド(例: Key・PA Works など)の後ろ盾がある作品は全然マシで、ライト層にも比較的届きやすい印象がある。一方、リコリコにはそういう後ろ盾がない。
もちろん監督の足立さんは SAO やられてた方だし、ストーリー原案のアサウラさんもそれなりに有名な方。いみぎむるさんのキャラデザもめちゃくちゃかわいい。とはいえ、やっぱりスタッフだけではライト層には届きにくいのが現状で、実際夏アニメが始まるまでは、「注目オリジナルアニメ枠」というポジションで収まっていたように思う。
ライト層に一番届きやすい作品は「原作が絶大な人気を誇っている作品」で、最近だと「SPY×FAMILY」がわかりやすい例。
原作ファンは必然的に観るだろうし、期待値や前評判、そして知名度が高く、ライト層の目にとまりやすい。
一方、オリジナルアニメは(誰も展開を知らないからこその醍醐味もあるのだけれど)前評判が全然ないので、知名度という点では圧倒的に不利。
第1話の放送前から、リコリコは絶対に名作になると確信していた。けれど、やはりオリジナルがゆえ、『オリジナルアニメの中ではそれなりに観てもらえて評価される方だろうし、うまくいけば「よりもい」くらいのポジションまでいけるかもしれない』という程度で、まさかここまでのフィーバーを引き起こすだなんて思ってもみなかった。
…思わず長々と書いてしまったが、要は「オリジナルゆえにスタートダッシュの時点でかなりハンデがあった」のにも関わらず、順調に人気を伸ばして、今となってはサブカル界隈を席巻する超特大 𝑩𝑰𝑮 𝑪𝑶𝑵𝑻𝑬𝑵𝑻𝑺 となったことに、現在進行系でめっちゃくちゃ驚いてる。本当に快挙 of 快挙。
本当にこれで、リコリコは作風も一般層やライト層向けではなく、どちらかというと毎クール常にアニメを追ってるレベルのオタク向けにかなりチューニングされているんだけど(完全新作のオリジナルアニメなので当然ではある)、それでここまでのヒットを現在進行系で飛ばせてるのは凄すぎるとしか…。
前述の通り漫画を読む習慣がないので「原作読んでたコンテンツがアニメ化」ということもないので、古参アピする機会自体ほとんどない。
それだけに『なんだかんだ半年それなりにウォッチして期待してたコンテンツが、作品そのものが期待以上の圧倒的なクオリティで、しかも社会的にもめっちゃ評価されて現在進行系でフィーバーしていて供給盛りだくさん』という至れり尽くせりな状況が、もう本当に幸せ……(こぼれ落ちる嬉し涙)
こんな状況でむしろハマらない訳がないし、実際に深くハマってしまったわけだが……
リコリコの凄さは何か
リコリコは純粋に作品のクオリティがめちゃくちゃ高いのだが、その凄さを一言で表すと、『「オタクくんこういうの好きなんだろ?」ポイントを詰め込みまくりつつ圧縮感がなく、コメディ・日常・関係性といった要素とストーリーや不穏・シリアス要素のバランスがめちゃくちゃ上手い』というところに尽きる。
キャラクターデザインがめちゃくちゃかわいい(重要)
リコリス制服がおしゃれだし、喫茶リコリコの服もかわいい
いろんな服を着てるちさたきを鑑賞できる(全部萌すぎる)
明るく元気はつらつな女の子と、静かめな女の子がバディを組む展開
千束とたきなの距離が徐々に近づいていっていくふたりの関係性の良さ
女の子が銃をぶっ放しまくるというシチュエーション
銃の操作の描写にめちゃくちゃこだわっている
誰でも一度は憧れたりワクワクする (要出典)ハッカー無双要素が多め超天才ハッカーが実はかわいくて小さい
ロリ女の子だったというシチュエーションアフリカ系だが着物を着ていてめっちゃ渋い(そしてアッー!♂な)ミカ
1話の最初から伏線が散りばめられている
薄っぺらくなくそれなりに重厚感あるストーリー
純粋にストーリーだけ観ても面白い
『平和で安全とされている日本が、実は裏の組織に隠蔽されているとしたら…?』という絶妙な舞台設定
ちさたきのドタバタコメディ日常要素
ガンアクションやシリアスストーリー要素もちゃんとある
影で日本を操っている裏の組織👈中二心をくすぐられる
千束の包容力というか人間性がめちゃくちゃ良すぎるんだよな👈こんなん大好きにならないわけがないだろ……
最初はツンツンしてたたきなも次第にデレてきて心がほぐれてきた👈ツンデレはオタクくんの大好物
左遷されてきて落ち込み苦しみ、DA にひたすら戻ろうとするたきな。その考えを否定しないけれど、居場所はここにあると笑顔で示す千束。そんな千束に救われて喫茶リコリコを新しい居場所にするたきな。千束と日々過ごす中で次第に距離が縮まっていき、だんだん千束をリードするようになっていく👈こんなんオタクくんのウルトラ大好物展開じゃん…………
千束が真島にやられかけたところで登場するたきなと喫茶リコリコ組、そしてクルミの尽力もあって無事脱出するこの全員集合的な熱い展開👈オタクくんは全員集合してやっつける的な展開が大好きすぎる、でしょ?みなさん
真島やロボ太が(愉快犯でバンバン人殺したりしてる敵ではありつつも)バランス厨などどこか好きになってしまう、ヘイトが湧きづらい絶妙なキャラクターとして設定されている👈オタクくん、敵ながら好きになっちゃうことあるよね
…などなどなどなど、とりあえずバーっと書き出しただけでもいろんなオタクくん大好き要素がこれでもめちゃくちゃ詰め込まれてる(これ以外にもっとあるはず)。
これだけオタクくん大好き要素があれば、誰でもこの要素のどれかにブッ刺さってもおかしくないわけで、そこがリコリコの”””強さ”””のひとつ。
絵師のみなさんはあまりにもちさたきが可愛すぎて神絵師から野生の隠れた神絵師までこぞってリコリコのイラストをお描きになられているし、百合のオタクはちさたきの関係性にオッフオッフしてるし、ロリコンのみなさんはウォールナットちゃん大好きマンになってるし、ミリタリ系のオタクは銃描写に釘付けだし、腐女子なみなさんはシンミカ (シンジ×ミカ) に夢中だし、純粋にストーリーが面白いので普通のアニメオタクも満足だし……
と、実際に全方位のオタクにブッ刺さりに行っている様子が Twitter からも観察できる。
好みの異なるいろんな方面のオタクにひたすらブッ刺さりに行っているので当然そのコミュニティ内でも話題になるだろう。
さらにリコリコは『一度観たら次回が絶対に観たくなる』ように作られているので、芋づる式にどんどんハマるオタクが続出していくこの構造、もはや一度近くを通りかかった獲物を決して逃がすことなく沼に引きずり込む、蟻地獄のそれなんだよな……。
そしてさらにすごいのが、これだけ大量のオタクくん大好き要素を、すべて自然に違和感なく取り込みその設定/描写の「必然性」を出していること、さらにそれをバランス良く、それでいて詰め込み感なく、テンポよく1話24分という短い尺にまとめていること。
この点に関しては本当に神がかっていると思っていて、アニメ全体でも類まれなクオリティだと思う。
冒頭で「私は人がバンバン死んだりシリアス展開多めのアニメが苦手」というのを書いたが、実際リコリコ世界は誰も死なないようなやさしい世界じゃない。
普通にモブリスはバンバン殺されているし(かわいそう…)、真島みたいなテロリストもいるし、たきなは普通に敵にやられて足を怪我したこともある。そういう点で割とハードではあるのだが、
(8話時点では)殺されたり死んだりしているのはモブだけで、メインキャラクターが死んだりはしていない
実はラジアータをハッキングしてすべての元凶を作ったクルミに対して、(それをギスギス展開に持っていくのではなく)喫茶リコリコのみんなで許して和解するというやさしいせかい
このシーンはたきなの成長も描けていて本当によかったね…(聖母のようなたきなの表情が忘れられない)
セカイ全体では殺伐としているが、喫茶リコリコという狭い世界ではやさしい世界が保たれている安心感
千束の「敵でも人を殺したくない」という不殺主義
これは千束のやさしさを端的に表す設定であると同時に、視聴者にとっても(敵とは言え)人を不可逆的に殺すのではなく非殺傷弾で無効化する、という点が視聴時メンタル的な部分でかなり良好に作用しているなと思う
シリアスだったりストーリーを進める不穏展開はそれなりにやりつつもある程度抑制されていて、「あくまでメインはちさたきの関係性にある」ことをしっかり据えた作りになっている
シリアスを入れたら百合展開で中和したりして、シリアスになりすぎないようにうまい具合にコメディを挟んだりと、そのあたりのバランス感覚がめちゃくちゃうまい
制作スタッフ陣は頭真島か?バランスが取れすぎているんだよな…
シリアスをコメディ要素で「ごまかす」とかえって後味悪くなったりもするけど、リコリコはその点でシリアス自体は茶化さずにちゃんとやりつつ、ちさたきの関係性とか日常とかコメディよりの描写も入れ、さらに両者が必然性のある形で連携している(とってつけた感がない)というのが本当に優れている
リコリコを大量に殺したりした敵である真島も、
徹底してバランスを取り続けるその滑稽さ
千束が目をやられている間は肉弾で殴るが銃は使わないという、筋をしっかり通しているフェアプレー的な姿勢(仁義?)
ロボ太との歪な関係性
千束となんだかんだ会話できるという気前の良さ
などなど、「敵なんだけどどこか好きになる」、少なくともヘイトが集中してただ嫌われるだけのキャラでないように造形されている
などなど、しっかり緻密に工夫してあるおかげで、私みたいなシリアス苦手なタイプでも楽しく引っかからずに見れるし、シリアス大好きマンタイプでもほどほどに満足できるような、そんな絶妙な作りになっているんだよな。
このあたりは少し加減を間違えるだけで引っかかりが生まれたりするので本当に塩梅が難しいと思うんだけど(特に敵周り)、それを上手くやってのけているのがリコリコの凄いところ。
そして、お当番回みたいなことをやらなくても、各話で自然とそのキャラクターの性格や人間性を理解できるような丁寧な描写。あとキャラクターのポジションに無駄がなくて、各キャラのキャラが活きた展開になっていること。毎話毎話、すべての尺に一切無駄がないこと。本当に総合力が高すぎるんだよな………。
これはリコラジでもキャストさんが言っていたけど、単にキャラクターが画面に映し出されているだけじゃなくて、そのキャラクターがちゃんと「生きている」んだよな…。
話に動かされるんじゃなくて、「このキャラだったら当然こうするよね」っていうのをちゃんとやれているから、それぞえのキャラクターがめっちゃ好きになってしまうんだよね。
構成としても、キャラクターを魅力的に描くことで視聴者のキャラクターへの愛着を深め、そこで毎話不穏要素をチラつかせることで『ちさたきが今度どうなるの~?』と気になって仕方がなくなり、次回も見るしかなくなるというのが本当に上手い。
毎回必要以上に引っ張らずにある程度1話でまとめつつ、視聴者に好きにさせた各キャラを次回まで人質に取ることで(👈言い方)自発的に次回を観させにくるというか…。吸引力がすごすぎる。
…なんかまとまりのない文章になってしまったけど、まとめるなら『とにかく総合力が高いアニメーション』。脚本・構成・演出・作画・キャストさんの演技・音楽すべてでクオリティがめちゃくちゃ高い。
これだけ総合力が高かったら一度観たら釘付けになること間違いなしだし(蟻地獄ポイント)、ここまで流行るのも納得。
このスタッフのメンツならぜったい最後まで良い締め方でやってくれるだろうし、今季一番期待してる作品。次回(この記事を書いている時点では9話)が楽しみすぎる…。
そして9話を見た
…ここからは9話を見てからの感想。
いやいやいやいやおいおいおいおいおい……オタクくんのメンタルはボロボロです………
『姫蒲が人工心臓を壊したせいで千束が余命2ヶ月になった』という展開も十二分にショッキングなのだが、しかも『どのみちあと1~2年で人工心臓の寿命が切れて死ぬことが最初からわかっていて、千束はその運命を何年も前から受け入れていた』という、予想を真上から飛び越すような衝撃の事実が提示されるのがね………
『人工心臓に細工されて千束が敵になるんじゃないか?』とかいろいろ予想を立てられていたけど、結局物語がその予想の斜め上を大きく飛び越してやってくるというか…。
リコリコは物語の展開をいろいろ予想できる余地を与えておきつつ、いざ次回になったら予想できる範囲を超える新事実(それでいてぽっと出でない、伏線回収を兼ねた納得感のある事実)を提示してくるのが、ストーリーとしての面白さにかなり貢献しているな~と思う。
リコリコは純粋にストーリーがかなり面白いし、しっかり練られている。
ただ、制作陣のインタビューなどを見ていても『あくまで主軸は千束とたきなの関係性で、ストーリーはあくまで主軸のキャラクターを引き立てるための舞台装置』という方向性のように思える。
物語にキャラが引っ張られていく、動かされていくのではなくて、キャラが主体的に物語を構成していく、というか…。
千束やたきなの『実在感』『ライブ感』が作中でしっかり出せているのも、そういう方針の賜物なんだろう。
その点で言えば、リコリコはストーリーそのものは割とシンプルで。
それでいて浅さ、薄っぺらさを感じさせないように作られているのが、リコリコの凄さであり魅力のひとつ。
実際、ストーリー設定や展開だけで言えば、同じオリジナルアニメである Engage Kiss(エンキス)の方がより凝っている(その分わかりにくくもなっているんだけど…)。
キサラを覚醒させるとシュウの記憶を奪われる設定が最大限に活用されていて、1話からは想像もできない重厚感あるストーリーをやっていて、見ごたえがある。
一方リコリコはというと、各陣営(DA・アラン機関・真島)のキャラクターの数は最小限に抑えられているし、メインキャラクターとは関連しない部分を深く掘り下げることもやっていない。
たとえばアラン機関だって他にも支援対象がいるし、スタッフも規模を鑑みればシンジと姫蒲だけなわけがないんだけど、そのあたりは考える余白を残しつつも(現時点では)意図的に描写されていない。
ストーリーや設定自体かなり粗もあるんだけど、必要なところだけ情報の解像度を上げることで、ガバガバで粗い部分が極力目立たないような、とても上手い構成になっていると感じる。
DA の存在そのものは結構ガバガバ(リアリティラインが低い)んだけど、たとえば DA という大人が孤児の少女を殺人マシンとして育成して前線に立たせてバタバタ死なせているのは、ある種現代社会にも通じる、リアリティある搾取構造になっていて。
直接キャラクターのバックボーンと関わる部分だけ情報の解像度、リアリティラインを現実に寄せることで、全体の粗よりもキャラクターに目線が行くように調整されていそう。
『あくまでストーリー展開は物語を引き立てるための舞台装置、スパイス』と割り切って描いているからこそ、その分を作品の主軸である千束とたきなのキャラの魅力、機微な関係性の変化、日常物語に振っているのが潔くで大好き。
この記事の考察がとても興味深い。
上にも書いた通りリコリコは結構リアリティラインがガバガバで、リアリティある設定もあれば大雑把にデフォルメされたり、バッサリ描写されていない部分もある。
でもそれはおそらく意図的なもので、『かわいい女の子がガンアクションをやるゆるふわ日常百合作品』という土台により面白さを付け足す、良いスパイス/アクセントになっていると感じる。
放送前インタビューで足立監督が語っている通り、リコリコはあくまで『千束とたきなというタイプが違う女の子2人が少しずつ仲良くなっていく過程』を主軸にした作品で、その方向性は9話まで見れば誰しも理解できるところなんじゃないかと思う。
もしストーリー重視の作品なら千束とたきなの日常シーン自体がばっさりカットされるだろうし、ここまで舞台設定やストーリーをガバガバにする必要もない。もっと”厚み”のある、重厚なストーリーにすることもできただろう。
それをしていないのは、リコリコにとってストーリーや舞台設定やあくまでは添え物、スパイスであって、メインディッシュではないから。
実際、こんなディストピア感ある舞台設定で本当にすべてリアリティある描写にしようとしたら、もっと悲惨でしんどい展開になっていただろう。
私は足立監督が言う『GUNSLINGER GIRL』を観ていないので分からないのだけど、同じく暗い舞台設定の元で女の子が銃を持って戦い、そして死んでいく暗い物語らしい。
おそらく組織のリアリティや物語の厚みはリコリコよりも全然上なんだろうけど、少女を前線に出させる組織のリアリティを求めると、必然的にかなりシリアスにならざるを得ない。
実際に足立監督は「そのフィールドでは勝てない」とポイントをずらしてリコリコをお作りになられた訳なので、本当に英断なんだよな……
リコリコの作品としての土台、コンテキストはどちらかといえば「ゆるふわ百合日常系」の方にあって、それにディストピア感ある設定、ハードボイルド的で殺伐とした舞台、舞台装置としてのストーリーをスパイスとしてうまく組み合わせることで、作品の奥行きを出せているんだろうな~って思う。
私は最初の方で書いたように日常系の作品が好みなのだが、日常系のコンテキストを踏まえて作られているからこそ、リコリコにガッツリハートを掴まれてしまったんだろうな……
ちさたきの関係性も良いし、ミズキ・クルミ・ミカの大人組含めた喫茶リコリコの雰囲気も良い。喫茶リコリコの外のセカイは殺伐としているが、喫茶リコリコの中はアットホームで居心地の良さそうな雰囲気が伝わってくる。
こういう『ディストピア感ある設定やストーリーによって、より日常のありがたみや良さが強調され、より印象づけられて沁みる』という構造は、ある意味で 新日常系 的とも言えるかもしれない。
あとは1話から緻密に伏線が張り巡らされているのも純粋なストーリーとしての面白さにかなり貢献していて。ストーリーだけ見ればシンプルだし1話あたりの進みも遅いんだけど、物語が進む中で伏線がどんどん回収されていくから、そのカタルシスが心地よい。
あとは千束が人工心臓ということを作中でしれっと開示したみたいに、重要なキーとなる情報をさらりと出していくようにもなっていて、そこも上手いな~って思う。
極論言ってしまえば、千束とたきなの尊い関係性の描写にまったく興味のない視聴者でも(ワオはむしろ永遠にちさたきにイチャイチャしててほしいですが………)ストーリーの要素だけでも観続けられるようになっているし、ストーリーそのものはシンプルだから、誰が観ても流れが分かりやすい。
こうしたポイントもヒットした要因のひとつだと思ってる。
あと、さっき舞台設定やストーリーがガバガバなことを意識させないようになってる、と書いたけれど、徹底して細かい引っ掛かりポイントをさらりとしっかりカバーしているのが凄いポイント。
普通はリアリティラインがブレると視聴者は違和感を抱くわけだけど、リコリコはすべて「このキャラならこう行動するよね」と納得できるし、ツッコミの隙を与えずに視聴者を世界観に持っていくのが巧い。
たとえばラ!ス!は物語の勢い重視でストーリーの整合性は二の次みたいな感じがあるけど、リコリコはある程度物語勢いをつけつつ、細かい描写で視聴者に引っ掛かりを与えないように根回しして、物語の展開をすんなり納得させているというか。
リアリティラインをあえてずらすのってかなり危ない橋だと思うんだけど、それを敢えてやって実際に活かせているアニメは本当に稀有な存在。視聴者の感じ方を先回りして、引っかかりそうな部分に自然にフォローを入れておくという事をかなりやってそうな印象を受けた。
今回は『千束が余命2ヶ月になった』という不可逆的でシリアスな展開だったけれど、逆を言えばすぐに死ぬわけでもなく、それ以上のシリアス展開があったわけでもない(シリアス度合いで言えばエンキス9話の方がはるかに悲惨だった…)。
にも関わらず視聴者の心にこれほどまでに深く刺さったのは(ワオもオンオン泣いてしまった……)、今までの描写の積み重ねで千束というキャラへの解像度、理解度が相当に高まっているからにほかならない。
千束というキャラの魅力を作中でずっと描き続けてきたからこそ、余命をずっと前から受け入れ明るく生きてきて、余命が縮まっても取り乱すことなく受け止める、どこか悟ったような姿に強く胸を打たれる。
9話を見たあとに1話から見直してみると、千束が放つ一言の意味がだいぶ違って見えてくるのも本当にニクい演出というか…。
シリアスな展開を通して、常に明るく元気に振る舞っていつつ、意外と本心があまり見えてこない千束のバックボーンが見えてくるという構成が良い。単に取ってつけたように安っぽいシリアスをやるのではなく、シリアスで単に視聴者を悲しませるのでもなく、しっかりシリアスを通してキャラの『味』を出してきているというか。
脚本の良さ
本当にこれで、脚本レベルから本当にめちゃくちゃ優れてるんだよな…
もちろん演出も大変良いんだけど、台詞の選び方やキャラクターの描き方など、土台の脚本が素晴らしいからこそ他のセクションでの成果物がより光って見えるというか。
脚本はどうも足立監督・枦山大さん・神林裕介さんの3人で回してるみたい。
足立監督も含めて全員アニメの脚本はほとんど初めてレベルの方なんだけど、いきなりこれだけの素晴らしい脚本を最初からお書きになられているのは本当に凄すぎる…(頭が上がらない)。
足立監督は言わずもがなとして、枦山大さんはビルディバイドで若干脚本をやってたくらいで本当に情報がないし、神林裕介さんはリコリコが初脚本で、今まで実写 MV の撮影周りをやられていた方みたい。
無からこんな逸材をどうやって引っ張ってきたんだアニプレ……
特に8話は脚本も構成も凄すぎた…。
Aパートでは「オタクくんこういうの大好きなんだろ特大詰め合わせセット」をジェットコースターのような勢いで、それでいて窮屈感なくやれていてめっちゃ楽しかったし、打って変わってBパートでは真島と千束が対峙したり新しい情報が開示されたり、最後には千束が姫蒲にやられたりと、本当に1話あたりの情報がめっちゃ多い。
これだけ情報量が多いと普通はめっちゃ早回しに感じるんだけど、リコリコはなぜか早回し感を感じないのがすごいし、24分間の中に無駄なシーンがひとつもなく、すべての話数がフルフルに有効活用されている感じ。
最近は配信サイトとかの台頭で「アニメを早送りで見る人」の存在がちょっと話題になっていたけど、リコリコはそういう意味で『早回しに感じさせない程度に1話あたりに情報を詰め込むことで、早送りで見れないようにしている』感があり、このあたりの作り方にも新しさを感じた。これからこういうアニメーションが増えていくのかもしれん…。
いや~~~~これ、めちゃくちゃいい話。
『キャラが勝手に動く』というのはどうも作家さんの間ではそれなりに知られている現象らしいのだけど、実際に裏話を聞くといろいろ来るものがある……。
そしてこの神林さん、ツイートから人柄の良さというか、暖かさ、どこか悟りを開いているような素敵さが滲み出ているんよな……
脚本家の人って、実際に沢山のことを経験してきたからこそ、このような素敵な物語を紡げるのかなって思ったり。うまく言語化できないけど、私みたいな俗な人間とはどこか違った何かを感じた。
足立監督が放送前インタビューで『僕も千束たちとの付き合いが長すぎて今はもう本当に居るような気がしてますよ。そりゃもう、トイレでも風呂でもベッドでも彼らの事を考えてきた数年でしたから…。こんなことを感じるタイプじゃないと思ってたんですけどね。』と言ってらっしゃったけど、スタッフのみなさんに愛されたキャラクターだからこそ、視聴者にもその良さが最大限伝わってるんだろうな…って。
リコリコは『台詞がセリフとしてではなく、素のキャラクターから発せられているように聞こえる』のが本当に好きで。特に千束はめちゃくちゃテンション上がったりえーとか言ったり人間くさい生っぽい演技だし、たきなとの掛け合いも実在感があるというか、実際の”生”のやりとりのように感じられて本当に良い。
ここは足立監督もかなり意識したポイントなんだそうなんだけど、そうしたところがキャラの魅力をより引き立てているんだな~って思う。
今までいろいろなアニメを見てきたけど、これほどまでキャラクターに「実在感」がある、あたかもキャラが本当にいるような気持ちにさせてくれるアニメを、私はほかに知らない。
ほかのアニメに出てくるキャラクターはどこか「画面のこちら側」と「画面の向こう側」で異なる世界の人物だと認識しているんだけど(もちろんフィクションだし)、リコリコに関してはフィクションだと認識しつつも、千束やたきながあたかも実在しているのではないか?こちらの世界にいるのではないか?とどこか思ってしまう。
…もちろんそんなはずはないのだが(アニメだし)、それでもそう思ってしまうほどには「実在感」のあるキャラとして描けているということだし、本当にすごいことだと思う。
「実在感」があるからこそ、多くの人が千束の余命に涙し「生きたい゛って言え゛ーーッ!!!」ってオンオン叫ぶほどに悲しんだわけで…
それはそうと、やっぱりこういう展開はオタクの心をくすぐってしまうのもまた事実なんだよな……(マジで死別させるのは絶対NG)
残り残された2人の時間、みたいなやつ………
実際、今の段階だと死別ルートだったとしてもそこそこきれいに終わりそうなのが本当にズルい……。
二次創作の同人レベルで、あくまで IF ルートとして死別ルートも見てみたくないと言えば嘘になるが(お茶を濁した表現)、それはそうと本編では絶対にハッピーエンドできれいに終わってほしいし、日常編だけでほのぼの2期をやってほしすぎる…
足立監督、アサウラ氏、信じてるぜ…!!!!!(これで本当に死別させたたら一生恨みそうで怖い)
Ordinary Days が予約開始された途端すぐ予約したんだけど、読む前からこれだけでアニメ化してほしいという気持ちが本当にある。ここまでキャラを魅力的に描けているんだから、もう舞台装置がなくても日常だけで十二分に面白くて楽しいアニメーションになるのが目に見えてるんだよな。
10話以降の展望
上にいっぱい書いた通りリコリコは「みんなが予想してた以上の展開が斜め上から降ってくる」タイプのアニメだから、もう予想無理だな…と思って人事を尽くして天命を待つ気持ち(いや特に人事を尽くしてはいないんだけど…)。
たきなは千束に心を大きく動かされたことで千束にすっかり依存しているし、たきなには千束が必要。
一方の千束はたきなが好きでありつつも、余命のことがあるからどこかのタイミングで(たきなを悲しませる前に)別れないとな、と思っているし、自分は十分生きられたと自己満足しているから、2ヶ月という余命を素直に受け止めている。
これが実際にたきなと別れたことで、千束にとってたきながどう映るのか、「生きたいッ!!!!!」と思えるのか、今度はたきなの存在が千束をどう動かしていくのとか、そういう方向性になっていきそうな気がする。
作品の方向性的にそのまま千束が余命で死ぬエンドはないと思う(思いたい)しハッピーエンドになると思ってるけど、うっすら見えるゴールに対してどのように向かっていくのか
今までの物語はどちらかと言えばたきなの目線で描かれていたし視聴者もたきなの方に感情移入することが多かったと思うんだけど、今後千束の目線でどう描かれるのかとか、そういうところにも期待。
あとは真島さ~ん?制作陣いわくかなり重要なキーを担うそうなのだが(現に次回予告でシンジが真島のアジトに捕らわれてそうだし…)、一概に完全悪として描かれていない中で、千束やたきなとどう対峙していくのかも気になる。真島の心臓を移植する展開とかあったらちょっとビビるが…
ここまでめっっっちゃくちゃ長くリコリコの大好きポイントを雑多に書き連ねてきたわけだけど、本当に”バランス”が良く作画・脚本・演出・音響・演技などなどすべてのセクションでの総合力というか全体的なクオリティがめちゃくちゃ高い作品で、本当に大好き(これ以上の語彙力がない…)。
今後どういう展開になるのかわからないけれど、まあこれからもオタクくん大好き要素を入れて後味良い終わり方で〆てくれるだろう! と期待。
ここまでこのクオリティでやってくれたんだから、10~13話も確実に良いものにしてくれると信じてる。…なんかめっちゃ重い記事になっちゃったな…