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外国語を『住めば話せるようになる』説は本当ですか?

語学は苦手。なのにブエノスアイレス一人暮らしなど、よくも始めたものだ。本当にスペイン語学習には泣いたし、いまも辛い。

なんとか暮らせているのは、いつでも気軽に質問できる女友達と、novio のおかげだ。昨日も、クライアントとのやり取りに必要な気の利いたフレーズを友達に教わったばかり。

よく聞く『住めば話せるようになる』説は、誰が言ったのだろう? そんなの絶対嘘だ!と力強く言いたい。外国語習得は学習能力よりも、社交能力の方がずっと根底スキルとして必要じゃないだろうか? 誰かと絡みたい願望さえあれば、間違った言葉使いも物ともせず会話をするし、使えば使うほど習得は早い。この絡みたい願望の低さが、わたしのネックだったと思う。絡まなくても住むのは出来ちゃうのだ。

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わたしのブエノスアイレスでの、ほぼゼロからスタートのスペイン語学習。最初の半年は、私立の語学スクールに行った。いま考えると、馬鹿みたいな高い費用を支払ったが、右も左も分からないひとりぼっちには、手厚いサポートが必要だった。グループレッスンには馴染めず、個人レッスンに切り替え、そのレッスンの先生も何度もチェンジして、最終的に日本語が話せる先生があてがわれた。授業は優しく丁寧にゆっくり進められて、理解は出来たが話せるようにはならなかった。

いまになって思うと、文法をどんどん進めるより、簡単な挨拶のやり取りを流暢に言えるようになるまで、繰り返し疑似練習をしてもらった方が、わたしには良かったかもしれない。とにかくスペイン語が口から出てこないのだから。

本腰をいれて住み始めるタイミングで、費用の高さに気づき、公立の語学学校に通い始める。こちらは否応なくグループレッスン。費用は安く、日本人もクラスに居たりして敷居は低かったが、クラスメイト同士でやり取りをして発表するというお決まりのクラス進行が苦しかった。何を求められているのか理解出来ない上に、何と言えばよいのかも浮かばない。

登校拒否症状になったのは一度や二度ではない。学校まで行って教室に入れないという、児童の気持ちを本気で体験した。この時、行けない子供に「逃げていい」と言える親になろうと心に決めた(産まないけど)。

この学校、進級試験に2回落ちると次の期は受講できない。見事に落第し先生の評価コメントにひどく傷つき、えんえん泣いた。こんな挫折感を大人になって味わうとは思いもしなかった。

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もう受け付けてもらえないのだから、しょうがなく別の公立学校へ移動し、初心者レベルから再度やり直すことにした。並行してプライベートレッスンにも通い、やっと口からスペイン語が出てくるようになってきた。住み始めてすでに3年目くらいの話。

novioと出会ったのはこの頃じゃないだろか。最初に会った時、彼はわたしが恥ずかしがり屋であまり話さないけれど、聞く事は理解できているのだと思っていたそうだ。本当は全然会話が成立していなかったと、後でバレた。長く暮らすと勘だけは磨かれるもので、単語を知らなくても、なんとなく言っている事はわかるようになる。わたくし相槌に関してはかなりイケてる名手だ。

『現地の恋人が出来ると、話せるようなる』説には同意する。確かにわたしはnovio のおかげで、格段に話せるようになってきた。「Que contas?(今日何があったの)」としつこく発言を強要されるのは、最初、拷問のようにも感じていたが、おかげさまで話す機会が増えて、間違いを直してもらって、会話技術は上達した。

未だにスペイン語での発表という場面では、息苦しくて泣きそうになる。でも実際に泣いて、挫折してきた体験は、「無理なんだからしょうがない。ちゃんと出来なくても、それなりでいいよねー。」という逃げを許せる自分を作ってくれたかもしれない。まだまだ発言は「まあまあ」レベルだが、相槌だけは完璧だからよしとしよう。

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Sumiko K @アルゼンチン⇔北海道
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