理解不能な問題行動の原因を考える
発達障害児は、理解不能な問題行動をとります。突然パニックになられると、行動自体が問題視されますが、それには原因があることを忘れないようにしてください。
例えばうちの場合(未就学児の頃の話です)
問題:新しい習い事に泣いて暴れて入室すらできない
原因:新しい場所・環境に過度のストレスを感じる問題:動物園に連れて行ったけれど即帰りたがる
原因:嗅覚過敏で動物園の匂いが苦手だった問題:ゲームセンターなど音が大きい所に行くと夜中泣き続ける
原因:聴覚過敏で音そのものがストレスだった
などなど、問題行動からの原因が推測できます。
原因が分かれば対策を考えられる
原因特定の何が大切かって・・原因が分かれば対策が考えられるんです。
苦手なものに対する事前準備・回避行動により、問題行動自体の回数を減らせます。
例えば、動物園やゲームセンターは無理に行く必要がないので、回避して良い場所だと考えました。
新しい場所に行く前には、本人に話が通じる年齢であれば、十分な説明で事前対策を行なっておきます。
どんな所に何をしに行くのか・どの交通手段で行くのか・何の目的で行くのか・その際のスケジュールなども伝えると、不安感を和らげられますよね。
参加するイベントが人も巻き込むような重要なものなら、事前に下見に行くのも良いと思います。
このような対策は全て、問題行動の原因が分からなければできないことです。
小学校に入ると原因特定が難しくなることも・・
小学校に入ると、大半の場合は幼稚園や保育園のような手厚い保育は期待できません。そのため、問題行動のみが担任から伝えられ、原因特定が難しくなる可能性があります。
当時の私は、問題行動の原因特定の大切さを理解していませんでした。
小学校の担任も発達障害児対応の知識を持っていなかったようで、原因が特定されないまま多くの問題行動のみが問題視され、改善できないという苦しい状態に陥りました。
特に息子は説明能力が乏しく、今でも自分の心の中や周囲の状況をうまく説明できません。
きっとあの頃の問題行動にも全て原因があったのに、原因を学校と協力して特定しなかったことで、改善に多くの時間がかかり本人にも苦しい思いをさせました。
小学校に入ってからの問題行動+原因特定には、状況把握のためにも学校との連携が必要です。
幼稚園・保育園までは大して意識しなくても保育の場と連携が取れているものですが、小学校入学後は親の努力なしでは発達障害児に適した環境を用意することは難しいと考えてください。
配慮は甘やかしではないと考えるべき
発達障害児の問題行動を改善に促すためには、ある程度の配慮を学校にお願いするべきです。
配慮とは、発達障害児が感じやすいストレスを軽減し、問題行動が起こりにくくするための取り組みを指しています。
例えば聴覚過敏がある子が、クラスの雑音のせいでパニックになってしまうなら、イヤーマフを付けるなどの方法で環境に馴染めるようにします。
息子は感情コントロールが苦手なので、現在はインターナショナルスクールの先生と相談した上で、感情コントロールが難しくなった時にトイレに行って良い(その場から一旦離れて良い)配慮をいただいています。
これまでのトレーニングで気分転換は比較的短時間で成功することが増えたので、一旦問題から離れるというのが今の彼に最良の配慮です。
配慮の内容によっては「甘やかしじゃないか?」と心配になる方もいると思いますし、実際にそんな意見を言ってくる人もいるかもしれません。
しかし、本人がパニックになれば、集団活動の場である学校で他の生徒・先生の邪魔になります。配慮は、本人だけでなく周囲の人全員にプラスの効果があることだと考えましょう。
まとめ:問題行動は原因特定+対策を考える
問題行動の対策は、やっぱりすぐに効果が出るとは限りません。回避行動以外の対策は、効果を感じるまでにそれなりに時間がかかります。
また、100%効果的なんてこともないでしょう。
でも、問題行動の原因を考えず「我慢しなさい」「なんで普通にできないんだ」と本人を責めているようでは、状況が悪化するリスクが高いと考えるべきです。
問題行動の行動自体に注視せず、「なぜそうなるのか」を推理してみてください。