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#20 クラス替え裏話

「こんなことになるとは、、、」

クラス替えのとき、教員はめちゃくちゃ時間をかける。
いろんな情報を集めて、トラブルの種になるようなことをなくします。

ただ、1年生のクラス決定はそうはいかない。
高校の先生たちは、入学前に中学校に生徒の状況を聞き取りに行きます。
クラス替えを決定するためです。
でも、なかなか情報が集まらないのが事実。

だから、1年生のクラスは蓋を開けてみないとわからない。

クラス替えで気にすることの一つは、
不登校の生徒が同じクラスに2人いないようにすること。
担任が不登校になってしまった生徒に、手厚くケアができるようにするため。

でも1年生のクラスでは、そこまで予見しきれない。
だから、私のクラスは3人同時に不登校になった。

そのときのクラスの生徒たちは優秀でとてもやさしく、
居心地がよかったと思う。
学校に「行かない理由」がクラスに向けることができないからこそ、
不登校になった生徒たちは、
自分たちと向き合わないといけなくなった。
理由を自分のなかに見つけるのはつらい。

不登校の生徒には、家の状況に合わせて連絡をする。
あまり毎日かけてもプレッシャーになるし、
かといって連絡を取らないと放置したように感じてしまう。

それでも3人の状況を見ながら1年やっと乗り越え、
2人は進級することができた。
その2人はのちになんとか卒業。

ただ1人進級することができなかった。
その子は留年するか、転学するか、退学するか、決めることになる。

結局話し合って、転学することに決まった。
私はその生徒がどうして学校に来れなかったのか正直わからなかった。
ご家族の声掛けなどの支援も十分にあり、
本人も成績が良く、深い話もちゃんとできる生徒だった。
ただ、学校にだけはどうしても来れない。
ご家族も本人も辛かったと思う。
最後に面談をしたときは、本当に辛かった。
転学は悪いことじゃない。
でもなんでこうなったんだろう。。。

「先生!!」
数年後、突然声をかけられた。
転学した生徒だった。
「私、大学卒業して、就職活動してるんです!」
キラキラしていた。
「あのとき、寄り添ってくれてありがとうございました!将来はマスコミ関係で働きたいです。」
泣けて来た。
書いてる今も。

先生の間にできなかったこともたくさんあったなぁ。

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