前後34年日記㉗ : YES・NO

会話をしていて。
(相手はこう思っているのだろう)と予測して、話す癖がありました。
むしろ当てにいかなければいけない、というのか。

「こういうことで理解していますよ?」
「それで合っています」

という流れを、理想としていて。
だからか、会話は、とてもスリリングなことでした。

外しちゃいけないから、切迫感がせまってくる。
当てることが共感の表れで、好感につながるような気がしていました。

これは、初心者のショップスタッフさんが陥りがちなこと。
お客様が求めていることを前もって提案しなければいけないと、思い込む。

一方的に喋りすぎてしまう。
的外れなことを口走ってしまう。
場の空気が冷めて焦る、悪循環。

相手を見ているようで見ていなくて、自分を見ている。

正解なんか、しなくていいんだよ。
当てる必要なんかないんだよ。
答えはお客様がもっているんだから、聞けばいいんだ。
答えてもらったことに疑問を感じたら、それをまた聞けばいいんだ。

その掛け合いこそ「貴方を知りたいと思っているよ」という合図だよ。

私が何人もに伝えてきた言葉。
前職で、接客ロールプレイングコンテストの指導係だった頃。

なのに自分は、ずーっと真逆のことをしていたなぁと、ふと気付く。

だから今は。
努めて聞くようにしています。

それも「どう思う?」くらいに、ひろーく。
「こういう風に思っているよね?」みたいに狭めない。

すると、たくさんの、相手自身の言葉が返ってくる。
思ってもみない反応もある。
聞く前より打ち解けた感じとか、うれしい。

そうだよね。
当てにこられたら、YESかNOしか、答えようがない。

人と会うこと。
人と話すこと。
イコール 正解しないといけないこと、では、なくなりました。

暮らすことを楽しいと思う瞬間が、増えました。

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