前後34年日記㉙ : わからない

わからないことを一旦置いておく、ということができる人を尊敬します。

私は、わからないことをわからないままにしておくことが苦手で。
わいた気持ち、起きたことに、理由が見つからないことも苦手です。

なんで。
どうして。

そのままにしておくことができない。
忘れることも苦手。
だからとにかく、考えます。

樹形図を描くがごとく。
頭のなかで掘り下げていくこと、数時間。
だいたいはベッドに横になって、疲れてきたら眠る。
起きたらまた、考える。
食べると飲むは、置いてけぼりになりがち。

文字に起こすことも、絵に書くこともあります。
『りぼん』という月刊誌に昔、『こどものおもちゃ』という漫画があって。

ある時、主人公のサナちゃんの心が、一気に堕ちてしまうのです。
傍にいて当たり前だった男の子が、自分の親友と付き合いだした。

己の「好き」に気付いていないサナちゃんは、堕ちた理由もつかめず。
ちゃんと女優の仕事をしないといけないのに、集中すらできません。

娘の窮地を助けにきた小説家のお母さんが、言うのです。
「ママは悩むことがあれば、とにかく書くのよ」と。

サナちゃんは、自分と、男の子と、親友と。
三人のイラスト付きで、関係図を何度も何度も書き直します。
「好き」の言葉を使いながら。

それで自覚した「好き」と、男の子と親友が付き合ったことは。
実は繋がってはいないこと。
自分の「好き」は、自分の中で大切に残しても良いものだと気付くのです。

私がわからないと向き合う時は、このストーリーをイメージします。
結びつける関係性はないのに、負の方向に引っ張られて。
実は大切にしても良いことを見失わないために。

わからない=仕方ないと。
緩やかに次のステップに移ることができる人になりたいとも願っています。
曖昧を許せる人が纏う空気感は柔らかくて、微睡むような温かさがある。

理由なんて。
全てに見つかるものではないとも、思うのです。
むしろ言葉で説明つかないほうが無作為のことで、自然のこと、とも。

でも、突き詰めることを私の良さだと言ってくれる人がいる。

願いは素敵だけれど。
気質のままに、困っている誰かの役に立つルートを見つけること。
実は大切にしても良いこと。

サナちゃんと一緒に、これからも見失わないようにしていきたいです。

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