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鎌倉の山側暮らし、四季の恵みを食す
春から初夏の恵みと活用
しばらく空き家再生の話しが続いて荒れている家の写真が多かったので、今回は少し話題を変えて、野草や山菜、梅の活用の話しを。
今改修している空き家のすぐ上は山です。北鎌倉の家々には季節を感じられるような花木や果物が成るような木が植えられている家も多い。春から夏にかけては食べられる山菜、野草、果実が、豊富にあり時期を逃さないように採って食べるのが楽しい時期です。
2月1番寒い冬の時期にまず咲くのは梅の花。こんな寒さの中でも春に近づいているのだなぁと勇気をもらうし、花のつき具合によって今年の6月の梅の成り具合も想像できます。
2月後半、暖かくなってくると蕗の薹が芽を出します。やっと訪れた春を祝うかのような蕗の薹の出現は野草シーズン解禁の合図です。蕗の薹は食べられる時期が2週間程度と短いのでこの時期はみんなせっせと蕗の薹を採ります。冬固く縮まりがちだった身体が、春暖かくなり緩んで不調が出やすいところを、春の山菜の苦味によってデトックスし整える効果もあるとのこと。
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蕗味噌は定番の蕗味噌にしたり、天ぷらにしたりパスタにしたり。うちの子達はほろ苦い蕗の薹も美味しい美味しいと食べます。草を掻き分け見つけ出す喜びも味に上乗せされている気がします。
3月は食べられる野草シーズン真っ盛り。
有名なのはヨモギ。春のヨモギは柔らかいので茹でてすり潰して白玉粉に混ぜて茹でればヨモギ団子の出来上がり。見た目も美しいおやつに。
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ツクシの佃煮、クレソンのサラダ、セリのお浸し、三つ葉は汁物の浮き身に、ヤブカンゾウは味噌汁の具に、雑草感のあるカラスノエンドウだって卵とじにしたらほんのり豆の味がして美味しい。
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4月になったら筍。筍も頭をちょっと出した柔らかいものを掘ろうとすると、お宝探し気分で楽しいものです。
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6月梅仕事シーズン
6月は梅。初夏に梅をもいで仕込んでおくと夏の1番暑い時期に梅の力に助けられます。
梅干しや梅酢は抗菌作用で夏のお弁当の傷みを防いでくれます。梅シロップの酸味は夏の疲れを癒してくれます。梅シロップと梅酢を水で割ると、酸味と甘味と塩味で自然のものだけで作られた熱中症対策ドリンクになります。子ども達との山や海での外遊びで疲れた身体が梅の力で本当に癒されてきました。
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自宅に1本、大家さんの庭に1本、ご近所のお宅にももうその家の人だけでは活用しきれなくなった梅の木が何本もあります。梅もぎや枝の剪定も脚立をつかったり梅の木に登ったり、1人でやるとなかなかの重労働ですが、何人かで集まってやると速いし楽しい作業になります。梅で何か仕込むのも、やったことがないとハードルが高いものですが、みんなでおしゃべりしながら一緒にやればあっという間です。
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みんなでやると楽しい
今年の春は、空き家の改修を手伝ってくれている山菜に詳しい方の発案で、すぐ上の山台峰で「山で山菜と野草を採って天ぷらで食す会」をやりました。
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脚立を山に担ぎ上げてまで山菜を採るなんて、何人か集まらないとなかなかできない事です。みんなで採れば食材も沢山集まります。
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野草料理の研究をされているなな艸さん主催の野草天ぷらを食べる野草観察会の会場提供とサポートもさせていただきました。
今改修中の空き家も山から近い立地を活かして、山を楽しむ会の拠点としても使っていただきたいと思っています。
食べたり活用できる野草は山にしか無いわけでもなく、街中や住宅街でも生えているものもあります。筍や梅などは八百屋さんやスーパーでも手に入ります。1人本やネットを見ているだけだとよく分からなくて、初めの一歩を踏み出すのもハードルが高いものです。でも経験がある人と一度一緒にやってみると、こうすればいいのか、と一気にハードルが下がります。それを今後の自分の生活に取り入れるか取り入れないかは、その後判断すればいいと思うのです。
気になってたなら一度やってみたらいいんじゃない?という提案もできたらと思っています。