荒れ放題の庭を片付ける〜北鎌倉空き家再生プロジェクトno.2〜
緑にのみ込まれた家
山際で5年間放置され草木が鬱蒼として家も見えなくなっている。蔦がはびこり、屋根の上に降り積もった落ち葉が土になるほどに時間が経ち、そこに飛ばされた種が芽を出して木が育ち始めている。庭は笹で覆われて、隣りの竹林からは竹が侵食してきていた。シュロやヤツデなど太めの低木も庭の真ん中に陣取っている。
家の中を片付けるにも物を運び出すスペースも無いような状態。まずは家族である程度庭に入れるくらいまでに、笹を刈ったり竹を切ったりし始めました。
大木はプロに
屋根にのった大木や育ち過ぎた木は切りたい枝や幹の直径が30cmくらいあり、とても素人では手が出せないので、造園家古賀さんに切ってもらうことに。今回いろいろな分野でお願いするプロの方は私達が今まで関わってきた中で、今後是非この人と一緒にお仕事をやっていきたい、と思えるような、新しいチャレンジを共にやってくれそうな方々にお願いするつもりでいます。古賀さんは元美容師さんという経歴の持ち主で、他の古民家再生のプロジェクトにも関わっています。
造園家ならではの知識と見立てで、残す木切る木を考えてくれました。屋根に1本の太い枝がよりかかってしまっていたソメイヨシノは、切ると傷みやすい木だけれども腐らないような処置をしながら、残す片方の枝できれいな花を今後も見られるように。落ち葉が雨樋に落ち家を傷めるミズキは切る。
山の斜面は、あまり木を切り過ぎても地滑りを起こしてしまうので様子を見ながらある程度残し、その如何にも北鎌倉らしい風情残す。ウルシは切らない限りかぶれないので、秋の真っ赤な紅葉を楽しむ。江戸の椿、蝦夷錦はかわいい花を咲かせる。
東側の歩道沿いのダブノキは木の上からの景色も良く枝も太くて丈夫なので、ツリーハウスを地域の人達と作っても面白いんじゃないか、と残すことに。
実際の作業は3人がかりでロープなどを使い、重くて太い枝や幹を切って降ろす緊張感のある作業。これはやはりプロの仕事。
剪定材の廃棄もかなり費用のかかるものですが、古賀さんの知り合いの薪屋さんに薪としてただで引き取っていただき、費用も抑えられるしただ捨てるよりは活かしてもらえて嬉しかったです。
山暮らしの強力助っ人たち
素人でも切れる木は自分達で手入れをするのですが、あまりにも膨大な作業量だったので、ご近所さん達にお手伝いを募集することに。このような呼びかけをしました。
当日の様子を記録していた文章です。
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友達やご近所さん達にお集まりいただき、かなり片付きました!
山に近い暮らしをしているみなさん、みなさんで相談しながらどんどん進めていただき私達夫婦が思っていた以上に進みました。本当にありがとうございます!ご近所のLINEグループとFacebookの友達にお手伝いをお願いしただけで数時間で人が集まるご近所さん達のフットワークの軽さも嬉しすぎる。
更に嬉しかったのが、受験が終わった中3の男の子や、こういうのやりたかったという小6の男の子が、周りの大人と相談しながら時には引っ張ってくれながら活き活きと楽しんで作業してくれていたこと。このボロボロの家の再生を、大人も子どももみんなで学び合える題材にしたかったので、正にこういう場を作りたかった!とこれまた想像以上の子ども達の集まり具合にも感動。小1〜3年生は半分手伝い半分遊びながらだったけど、楽しそうに作業するお兄さんや大人達の背中を見ることは必ず肥やしになっているはず。
そして体を使った作業のお礼には、お昼ごはんとおやつを。友達カオラインのサービス精神があり過ぎるいろとりどりで美味しいごはんとおやつにまた感動♡
友達やご近所さん達が、みんな本当に多彩で多才で素晴らしいので、お知恵を拝借しながら、コラボしながら、楽しくて美味しい学べる場をつくって、かつ、今までやってみたかったけど自分達だけではたどり着けなったところへといってみたい。
引用ここまで。当日の興奮が伝わってきます。
この日はごはん作りの人含め、大人14人、小1〜中3までの子ども8人の総勢22人に手伝っていただき庭の片付けができました。すぐ上の山、台峰緑地を整備する、北鎌倉台峰緑地保全会のメンバーの慣れた手つきや、鎌倉時代から代々この土地に住まれていてあちこちの山や土地を管理されている方が電動ノコギリや軽トラを貸してくださったりと、山に近い暮らしをしているみなさまが本当に頼もしく、こうするとやりやすいという知恵を交換しながらの作業は楽しいものでした。
ここを購入した時にやってみたかったことの、助け合える仲間が欲しい、作業を通じて学び合える場にしたい、子ども達にもいろんな選択肢を見せたい、という願いが早くも叶った日となりました。