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Prologue: 塾に通っている「だけ」の子は、一番のカモ。

以前、某大手通信教育に携わっていた人からこのような話を聞いたことがある。

『あんなの、「受講しているだけで何もしないサボり」が
一定数以上いないと成立しないビジネスですからね。
受講する人が全員ちゃんと課題こなして、コメントも書いて、
毎週ちゃんと郵送して…なんてやってたら絶対に人手が足らない』

あなたはこれを読んで

「そうやって客をないがしろにしているのか!」

と怒っている場合ではない。

教育業界は、大なり小なりどこもこうである

という事実をお伝えしたいのだ。

私はこれまで、英会話教室と学習塾の2つを経験してきたが

「払った料金分、いやそれ以上を取り戻そうとする生徒」というのはかなりの割合で迷惑がられていた。

レッスン・授業外も熱心に質問してくる生徒。

「一日○回まで」の「○回」を毎日きっちり消化しようとする生徒。

教材やプリントなど、頼めば貰えるものはガンガン頼んで使い倒す生徒。

学習効果を追求すればこれらは学習態度として間違いない。

教室側も生徒の学力アップを大義名分としている以上、断るわけにもいかない。

だがご存知の通り、教育業界は人手不足である。

通年採用していても、まともな頭数は中々揃わないのが現状だ。

そこで運営側(つまりは上層部)というのは、最初から

全員が全員使い倒すわけではない・お金を払ってくれる「だけ」の人もいる

という計算でサービスの内容を練る。

より率直に申し上げると、

一定数の「カモ」がいる前提でサービスが作られているのだ。

「カモ」が在籍することで浮いた分の時間は、

そのまま一生懸命学ぼうとする生徒に全て回される。

「カモ」が何もせずに払ってくれた受講料は、

そのまま一生懸命学ぼうとする生徒担当の人件費に回される。

その上で全生徒は一律料金とした上で

「ここに入れば話せますよ」「成績がアップしますよ」

とやっているのがありのままの現実なのだ。

繰り返すが、これを読んであなたは憤慨している場合ではない。

どうせ同じお金を払うのなら、とことん使い倒してやろうではないか。

その結果「カモ」が減り、運営側が苦しくなろうとも

それは最初からカモ前提で考えている運営側の責任なのだ。

この連載には、こういった類の

「絶対に親御さんには教えない学習塾のタブー」を全て詰め込んだ。

私のライター人生を賭けて、ありのままの真実をお伝えするつもりだ。

もちろん、次に「取り返す」のはあなたの番である。


2021年11月吉日 透佳(スミカ)

(『親御さんには絶対に教えない学習塾のホンネ ー Honest Reality from Cram School You Have Never Known.』)

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