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English:スピーキング対策の要は、イントネーション。

全国に先駆けて、東京都は2023年度の高校入試から

英語のスピーキングテスト(名称はESAT-J)を正式導入することは

生徒・親御さん・塾関係者といった当事者であれば既にご存知だろう。

知らない人向けに少し説明しておくと、

要はタブレット端末を使った(=試験が生徒一人で実施できる)

英検の二次試験風のテストが入試に追加されるのだ。

文章を読み上げたり、質問に答えたり、自分の意見をまとめて話したり…

といった、無対策で向かえば大量の犠牲者を出しそうな内容となっている。

とは言え、現在決まっている限りでは

このテストは入試全体の1,020点中20点分(2%弱)にしか換算されないから、

「このテストは最初から捨てる」という人も多く生まれるのだろうとは思う。

また、塾側としてもたった2%弱の問題だから

「そんなの対策する時間があったら長文を読め」

なんて指導方針を掲げる塾が出てきてもおかしくないが、

(無論、「拾えるものは全て拾え」という塾もいる)

この手のテストはとにかく実施することに意義があるのだ。

このテストの賛否の話はこれぐらいにしておいて、私の元にも

スピーキングテスト、何をどうやって勉強すればいいんでしょうか?

という相談が塾に通う生徒から数多く寄せられてきた。

これまで全くなかったものをやるわけだから、これは当然だ。

まず、テストを対策するためには「敵を知る」必要がある。

つまり何を求められているかを知るのが最初だ。

実施予定のスピーキングテストは、以下4パートに分かれている。

- A:表示された英文を音読する
- B:表示された情報を元に、聞こえてきた質問に答える
- C:4コマイラストの物語を説明する(ストーリーテリング)
- D:表示された質問について、まとまった英文で答える

まず大切なことは、文法的に「難しい」ものは一切出題されない。

人並みに中学3年間英語を学んでいれば十分対応可能だ。

文法が対応可能ということは、

A〜Dまでの4つのパートにおいて全て

「何を話すか」という英文を頭の中に用意すること自体はさほど問題ではない。

Aパートに至ってはすでに英文が用意されている。

Bパートは質問文さえ聞き取れれば返答は決まる。

Cパートも目に見えているものをそのまま自分の言葉で訳せばよい。

Dパートは長いが、「何をどう答えるか」の英文は用意できるはずだ。

(Dパートはそれなりに練習しておかないと爆死するが)

話す英文は用意できる。

では何が問題になるかといえば、

その英文を話す際の発音や流暢さ・イントネーション(抑揚)の問題になるのだ。

正しい発音ができているか。

つっかえたり止まったりすることなく、文章として読めているか。

お経のように読むのではなく、重要なことは強調して読めているか。

私が知る限り、中学生の8割は文章を読み上げる際

怪しい発音が時折あるし、途中で止まるし、抑揚のないお経のように読んでいる。

だが、このテストは

「英文それ自体が正しいかどうか」と同じくらい、「正しく読めているか」を採点する。

つまり、どれだけ英文が正しくてもそれを流暢に読めなければ減点されるのだ。

(念の為、これは英検二次試験等他の類似試験でも同様である)

では「正しく読む」ということはどういうことか。

それが以下にリストにしたものだ。

- 日本語の発音になっていないこと(makeを「メイク」と読んでいないか)
- そもそも単語の発音が間違っていないこと(makeを「マケ」と読んでいないか)
- イントネーション・アクセントをしっかり使っていること
- 不自然な間がないこと

このうちの「イントネーション」は中学生には馴染みが薄いから少し説明しよう。

例えば以下の英文を見てほしい。

I think that it will be rainy tomorrow.(明日、雨が降ると思います。)

イントネーションとはつまり、

その英文の中で特に伝えたいことを「強めに・少しゆっくり」読んで

それ以外のことは「弱めに・少し速く」読みましょう、ということだ。

例えば上の英文を使って、

太字にした部分を「強めに・少しゆっくり」で読んでみてほしい。

I think that it will be rainy tomorrow.

極端な話、これだけでイントネーションは完成する。

今あなたが音読した英文は、いつも以上に「ネイティブっぽく」聞こえたはずだ。

これは私が英会話教室に勤務していた頃に聞いたコツだが、

単語のアクセントよりも、文章全体のイントネーションを強く意識するとよい。

そうすると英文全体としてより自然に聞こえるのだ。

このイントネーションを練習するためには、こうやって

「抑揚をつける」という意識をもって音読するのが一番良い。

これだけでスピーキングテスト対策になるだけではなく、

他の対面面接のテストでも好印象になる。


…筆者、透佳(スミカ)


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