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English:英語を勉強するのは、英語を得点源にするため。

「どうして英語なんて勉強しないといけないんですか?」

私が英語講師として一番多く受けてきた質問はこれかもしれない。

確かに、こう言いたい生徒の気持ちもよく分かる。

私は海外留学から帰国して数年がたつが

生活上英語なんかなくても日本では一切困らないし、

海外旅行なんて行きたくない人は行かなければいい。

「将来仕事で英語を使うよ」とは言われても、

別に使わなくて済む職業などこの世にいくらでもある。

「学校のテストに出るから」以上のモチベーションが中々捻り出せないのも事実だ。

そんな中で、私は生徒にこう聞かれた際にはこう伝えるようにしてきた。

「英語を得意科目・得点源にするためです」

これは高校受験・大学受験経験者であれば全員首肯すると思うが、

全ての人にとってまず足を引っ張る一大科目は「英語」である。

だが、これは逆に言えば

英語を得意科目にしてしまえばとてつもないアドバンテージになるということだ。

英語で困らない上に、その分の時間を他の科目に回せるからだ。

英語という科目はフルスペックの入試にはもちろんあるし、

科目数の少ない1科目入試であってもその「1科目」が英語なのだ。

高校入試・大学入試通して、

筆記試験を受けるタイプの試験ならほぼ確実に英語は受けなければならない。

苦手なら志望校変更して受けなければいい数学や理系科目と違って、逃げることができない。

かつ、英語は中学生の時点で根本的に投げ出している人が一定数いるから

100点を取るような人から0点を取る人まで、幅広い人が英語の入試に参加する。

実際、偏差値の広がりが最も広いのは英語であるという話は先ほども触れた。

ここから言えることは何か。

努力が最も報われやすいのだ。

英単語も熟語も文法も覚えた分だけしっかり得点になって、

かつ得点の伸びがすぐに偏差値に反映されるのが英語という科目なのだ。

これが、英語以外の科目になるとこうはいかない。

ます数学や理系科目は、とてもではないが

「得点は努力に比例しますよ」なんて綺麗事は言えない。

この文はタブーに触れる場所だから一切の遠慮はしないが、

大学の受験数学の問題は解けない人は100年頑張っても解けない。

100年どころか500年〜1,000年ぐらいかかってしまう人もいる。

努力が報われる人を選ぶ(=才能で決まる)のが数学・理科なのだ。

そして、国語はどうか。

国語で0点を連発するような人はいないだろう。

長文読解なり、漢字なり、必ず拾える問題がある。

そして国語は最も満点を出しづらい科目でもあるから、

得点の最小値が上がり、最大値が下がる。

つまり、振れ幅(偏差値)が小さくなるということであり

英語ほど努力がストレートに報われなくなる。

最後に社会科は総じて「暗記科目」だから、

「ちょっと勉強が苦手」

「少しでもラクに得点を稼ぎたい」

という受験生が社会に殺到する。

皆考えることは同じなのだ。

ということは競争が熾烈になり、その中で偏差値を稼ぐのは難しくなる。

さて、これらと比べて英語はどうだろうか。

努力が報われやすい。

単語や熟語は正しく勉強すれば誰でも必ず、100%の確率で覚えられるからだ。

そして努力が偏差値にも反映されやすい。

根本的に投げ出している人も競争相手の中にいるから、少し頑張ればすぐに上がる。

数学や理科に求められるほどの才能も全く必要ないし、

その上社会ほど露骨に暗記科目でもない。

畢竟、とりわけ理系嫌いにとっては英語は得点源・敗者復活科目なのだ。

より厳密に言えば、

文系は英語を得点源にしないとお話にならないのだ。

だから今日もこうして英語を勉強するのである。

英語はあくまでも道具でしかない。

入試でより良い高校・大学に入るための道具である。

こっそり真実をささやいておくが、

少しでもより良い高校・大学に滑り込んでおいた方が人生は幸せになる。


…筆者、透佳(スミカ)


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