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人間の脳なんて、所詮は限界も不具合もある電子回路に過ぎないんだよ

お久しぶりです、が定型のあいさつとなりつつあります。
澄田美稲すみだみねです。

これ書いてるのが深夜の3時と言うことで、どれだけ生活リズムが崩れているんだという話ですが久々のnote張り切っていこうと思います。

私はちょっとしたバイトで塾講師をやらせていただいているのですが、少し前にその中で気になることがあったので記事のネタとして消化させてもらうことにします。

私が主に担当させていただいているのは大きく学習が遅れている子というか。
学校に行けていなかったり、保護者の方の仕事の都合で外国から日本に移住してきて言語の壁によって学習に支障をきたしてそのまま3年経ってしまったなど、
簡単に言うと学校では十分に対応ができませんと言う子と時間を過ごさせてもらっています。

塾の方針でもあり私の方針でもあるのですが
まずは塾に来てくれたことを褒め、この場所そのものを苦痛に思わないように意識して接しています。
学習と同じくらい、その子にとっての幸せを重視しているのです。

担当させていただいている子のうちの1人が、最近元気があまりにも無く私生活の様子を聞いても何をやるにもやる気が出なかったり、将来のこと全てがどうでも良くなったと言ってきたんです。
何かきっかけがあったのかともう少し話を聞いても、どうもそういうわけでもないようで。
元々不登校気味の子ですからネガティブな思考が強いわけですが、今回の覇気の無さは尋常ではなかったので気になって

「辛かったら親に話してみるとか。私でも話を聞くくらいはできるし。誰か頼れる人に頼ってもいいんだよ。本当にどうしようもなくて、自分ではどうしようもないようだったら病院に行ってみるのもいいんじゃないかな」

と声をかけました。
それで会話は一度終わり、授業に戻ったわけですが授業が終わった後に塾長に呼び止められご指導を賜りました。

「病院とか、そう言うことは絶対に言わないでほしい。あの子がどんな気持ちでいるのかを少しは想像してほしい。あなたは楽観的な性格だから、ああいう子の気持ちは分からないかもしれないけれど、彼は苦しんで頑張っているのに病院に行けなんて言わないで」

とお叱りを受けました。
私はあくまで一講師ですし、雇われている身として経営者の理念に反する言動は慎むべきだと理解しているのでその場は素直に謝罪しました。


私は医療関係者ですから、良くも悪くも疾患・障がいに対してなんの偏見もないわけです。
風邪であろうが精神疾患であろうが、先天的障がいであろうが私にとっては全て同じ感覚でいるのです。
風邪を引いたら病院に行き、薬をもらい、治しますよね。
精神的な不調も、それとなんら変わらない認識です。

咳をして熱が出て、動けない人に
「あなたそれ風邪的なやつじゃない?辛いと思うし耐えててもどうにもならないんだから、一旦病院行ってみたら?薬もらったら治りやすいよ」
というのは自然なのに

何に対しても無気力で無感情で、心が死んでいる人に
「あなたそれ精神疾患的なやつじゃない?辛いと思うし耐えててもどうにもならないんだから、一旦病院行ってみたら?薬もらったら治りやすいよ」
ということは配慮が欠けていると怒られる。

事故で骨を折った人に
「苦しいよね、大丈夫。それは怪我じゃない。病院なんて行かなくていいよ。気持ちの問題なんだから。一緒に頑張ろう。よく頑張ってるね」
と声をかける人はいないのに

精神を病んでいる人に
「苦しいよね、大丈夫。それは病気じゃない。病院なんて行かなくていいよ。気持ちの問題なんだから。一緒に頑張ろう。よく頑張ってるね」
という人は平気でいる。


人の脳って、所詮は電気信号を送り合っている電子回路に過ぎないのだ。
パソコンとか、スマホとかと同じなんだ。

パソコンやスマホは使いすぎると不具合が出る。大抵の不具合は再起動すると直る。
でもたまに再起動でも直らない故障があって、自分じゃどうにも手に負えないから修理に出す。専門家にみてもらって、直してもらう。

人の脳だって同じだ。

脳は使いすぎると正常に働くなる。大抵の場合はたっぷり寝ると調子が良くなる。
でもたまに寝ても寝ても治らない病気があって、自分じゃどうにも手に負えないから病院に行く。医師に診てもらって、薬をもらって治してもらう。

何も変わらない。

他の怪我とか、病気と何も変わらない。

スマホの修理と何も変わらない。

それなのに、精神的な異常を指摘するのはタブーだとされる。

血を流している人がいて、「怪我しているよ、病院行きなよ」って言うのは何もおかしくないのに。

疲れ果てて何も手につかない人に「脳が壊れちゃってるんじゃない?病院行きなよ」っていうのは配慮がない。

本当に配慮がないのだろうか。
少なくとも私は、辛そうなその子にとって少しでも良くなる可能性があるものを提示したつもりだった。
あれが私の配慮だった。

あなたのそれは、気持ちの問題とかではなくて病気なんだよ。

あなたに問題があるわけじゃない。

病気なんだから、どうしようもないんだ。

誰だって病気に罹る可能性はあって、それは脳の異常なんだ。

あなたが弱いわけじゃない。たまたまあなたがなってしまっているだけなんだよ。

でもその苦しみは、先人たちの努力によって科学的に緩和できるんだ。しっかり治療ができるんだ。

って。

そう伝えたかっただけなのにな。

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