『学校に行きたくない君へ』横尾忠則さんの言葉。
田舎道を横切る単線電車。
そこに突如
穏やかな風景を一変するような
なんとも奇才を放ったラッピング電車が走って行きました。
黒っぽい背景の至る所に
目のような絵が描かれていて
どうしてこんな電車が!?
と理解に苦しんだことを思い出しました。
それが私が初めて見た、
横尾忠則さんの作品でした。
夫から地元の有名人だと聞きました。
横尾さんの美術館の近くを通ったことはありましたが
入ったこともなく
個性的な人なんだろうなと
なんとも言えない感じが私の中には残っていました。
その横尾忠則さんが
こんな本の中に登場されているとは
びっくりでした。
『学校に行きたくない君へ』
何人もの有名人へのインタビュー記事が
この本には書かれているのですが
その一人が横尾さんでした。
まだ半分まで読んだところですが
私の心には横尾さんの言葉がビビっと響いてきたのです。
ーーー絵を描くのに大切なことはなんですか?
「好きになることが、まず第一だね。
仕事になるかどうか、受けるかどうかより、描くことが好きかどうか。
そうでないと評価を気にしたつまらない作品になってしまう。
その絵に価値があるかどうかは第3者が決めることで
作者はそこには存在しない。
展覧会に並んでいるのは、過去の作品で
アトリエで描いている絵が「いま」という瞬間なんだ。
たったいまという瞬間が一番大事。
「いま」という瞬間に自分がどれだけ充実してるか。」
「体の要求に従うと自分の本性、本能で行動できる。
それは好き勝手することとは違う。
頭や価値観や見栄や欲望に振り回されているのは、本能じゃない。
もっと根底にある意識、本能を見極めて、それに従うことが必要です。」
「学校教育で、みんなが同じ方向を見て、同じ教育を受けて
同じ考えを持つようになったら、感性は浮かんでこない。
感性には将来も、目的も関係ない。
いきなり、ボンっと来る。
その感性に対して、損か得かで考えちゃだめだ。
感性に従えば、必ずいい方向に行くから。
それが失敗したら、それはどこかで頭の考えが入ってたんだよ。
自分の考えや思想だけで判断したら大変なことになる。」
「だから、今のシステム化された社会の中で
学校を辞めたってことは、すごいことだよ。
人間に何が一番重要かと言えば「自立」ですよ。
あなたたちは、学校を辞めた時点で自立が始まっている。
今日まで死なないで生きてきたってことは
何かの形で自立しているということだと思う。
親でも自立できていない人が多いから
子どもが学校行かなくて怒るんだよ。
子どもはいつまでも自分の後ろにいると思ってね。」
評価され続ける教育の中で
大人になっても親になっても
いつまでも評価されようとしてしまう。
こう言ったらどう思われるか?
ここで帰ったら嫌われる?
そんな中でいじめが起きて
そんな中で犯罪も起きるのではないかとさえ思う。
そうじゃない世界で
自分の好きを見失わずに
自立し続ける人って
かっこいいなと思った。
私はもっと自立した大人でありたいし
自立した親でありたいと思う。
横尾忠則さん
一度は美術館に訪れてみたいと思う。