日本酒のグローバルなブランド戦略に関する検討会



委員名簿

https://www.nta.go.jp/about/council/sake3/meibo/01.pdf

中間取りまとめ

(令和元年12月)

概要

輸出拡大やブランディングの推進に向けて、10の視点から議論し、政府の施策をとりまとめ
○ 日本酒の輸出のポテンシャルは大きい
○ 文化的な観点からも積極的に価値づけを行い、ブランド力を高める
○ 商品の高付加価値化とそれに見合った価格設定、そのためのブランド戦略が重要
○ 主役である事業者の取組の一層の積極化を期待するとともに、政府は事業者の自主的で意欲的な取組を支援
(詳細は下記リンク参照)https://www.nta.go.jp/about/council/sake/matome191225/pdf/02.pdf

本文

1.はじめに
 日本酒の輸出促進については、農林水産物・食品の輸出促進やクールジャパンの一環として、官民挙げて取り組んできたところである。
 特に、事業者の長年に渡る海外販路開拓等の取組に、近年の海外における和食ブームも加わり、日本酒の輸出は拡大している。
 2018 年の輸出額は 222 億円(対前年比+19%)で、9年連続過去最高を記録し、過去10 年で約3倍に増加した。今では過半数の酒蔵が輸出を行っている。
 日本酒の輸出のポテンシャルは更に大きいと考えられ、これをしっかりものにしていく必要がある。
 文化的な観点からも積極的に価値付けを行うことで、ブランド力を高めることが重要である。
 また、日本酒の認知度の向上、和食市場の深掘りはもちろん、フランス料理や中華料理等、各国料理とのペアリングによる新たな市場開拓、そのための現地販路の新規開拓が必要である。
 その上で、商品の高付加価値化とそれに見合った価格設定、そのためのブランド戦略が重要である。
 本検討会においては、こうした業界全体での輸出拡大やブランディングを推進する観点から、委員に加え、オブザーバーも交え、また、各回毎に有識者も招き、現状の課題や今後の取組等について多面的な議論を行ってきた。
 今回、これまでの議論の概要(2.)と、これを踏まえて考えられる政府の施策(3.)について、一旦の整理として、以下のとおり、中間とりまとめを行った。
 輸出拡大やブランディングの主役は、あくまでも事業者である。本中間とりまとめや各回の議論も参考に、事業者の取組が一層積極化することが期待される。
 国税庁においては、事業者の自主的で意欲的な取組を支援するなど、輸出拡大とブランディングに向けた環境整備を行うとの観点から、関係省庁・機関、業界団体と連携しつつ、3.に掲げる施策に取り組んでいくものとする。
 本検討会においても、本中間とりまとめの官民における進捗状況をフォローしつつ、日本酒の輸出拡大とブランディングの推進に向けて、引き続き議論を深めていくこととしたい。
(全文は下記リンク参照)https://www.nta.go.jp/about/council/sake/matome191225/pdf/01.pdf

座長談話(小泉武夫座長)

 日本酒は日本固有の文化であり、国民からも憧れを持って飲まれてきた。近年では海外への輸出額も増加しており、世界からも熱い眼差しが向けられている。
 世界中の酒文化の中でも、日本酒は、最も難しい製造工程を有し、日本固有の国菌である麹菌を使用する等、特筆すべき文化を持っている。 
 このような日本酒の魅力・文化を、ユネスコ無形文化遺産である和食や、さらには海外における食文化とも連携しながら、より一層世界に向けて戦略的に発信していくことが重要である。
 来年、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、また、2025 年には大阪にて日本国際博覧会が開催される。 
 これらの世界的なイベントの開催は、海外において日本の文化が強く認識されるきっかけともなり得、この機会に日本酒を世界に大きく発信することは、我が国の文化や経済にとっても、非常に大きな意味を持つものである。
 こうした観点からも、「日本酒のグローバルなブランド戦略に関する検討会」が開催され、中間とりまとめを行ったことは非常に大きな意味のあることであった。
 今般の中間とりまとめに基づき、日本酒のグローバルな展開については、国家的なプロジェクトの一環として、引き続き取り組んでいただきたい。https://www.nta.go.jp/about/council/sake/matome191225/pdf/03.pdf

(参考)

https://youtu.be/LGHBabyKBHU?feature=shared

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202109/202109k.pdf