2009年 東北楽天ゴールデンイーグルス(2位)
今年で記念すべき20年目のシーズンとなる東北楽天ゴールデンイーグルス。
2004年の近鉄、オリックスの合併問題の結果生まれた球団で、これまでプロ野球チームのなかった東北地方の宮城県仙台市を拠点としています。
当然当時の楽天は寄せ集め集団に近く、設立から1~2年は最下位に沈んでいました。しかし2007年に4位と最下位を脱出。そしてこの2009年、球団初のCSに進出したシーズンになるわけです。
野手陣
2009年の楽天ですがあまり打撃成績は良くないです。打率は.267とリーグ3位も長打率は.391と最下位。OPSも.727とリーグ最下位です。
得点もさして多いわけではなく598得点はリーグ5位。主力選手の高須洋介が怪我で長期離脱してましたし、セギノールやリック・ショートも34歳、37歳と高齢であり、チーム最多のホームラン(39HR)を放った山﨑武司ももう41歳。ただここ3年のドラフトで獲得した20代中盤の渡辺直人、中村真人、嶋基宏が一定の活躍を見せています。さらに機動力でいうと渡辺直人が26盗塁、さらに2年目の聖澤諒・内村賢介がそれぞれ15盗塁・10盗塁と足でも活躍。ただチーム盗塁数は103個でリーグ4位。突き抜けたわけではありません。
投手陣
この年は田中将大・永井怜・岩隈久志の先発3本柱がそれぞれ15勝・13勝・13勝と大奮闘。特に田中は防御率2点台で171奪三振と高卒3年目、21歳でこの成績を残しているのは素晴らしいですね。
ただ2008年度のドラフトで獲得した即戦力先発の藤原紘通・井坂亮平が低調でした。
救援陣は少し微妙な感じに終わっており、軒並み4点台が並んでいます。
若手といってもいいのはたぶん青山浩二くらいでしょうか。
そんな中6月に福盛和男がMLBから楽天に入団。35登板で7勝、10Sを挙げる大活躍をしておりまさに救世主といってもいいでしょう。
シーズン概要
2009年の楽天は怪我人が続出。解説者からは軒並み下位予想でしたが、野村克也監督は「下馬評が低いからやりやすい」とコメント。すると開幕からいきなり4連勝と開幕ダッシュに成功。4月は首位に立ちます。しかし交流戦で9勝15敗で大きく負け越してしまうと6月末~7月頭に8連敗を喫し、4位に転落。しかし後半は投打がかみ合い8月は17勝7敗、9月は16勝10敗と大きく勝ち越し、球団創設5年目にして初のAクラス、勝率.500を超えました。
10月11日、本拠地クリネックススタジアム宮城での最終戦後、野村克也監督は球団から来季以降の契約を更新しない旨を告げられ退任が決定します。
CS第1ステージではソフトバンクに2連勝し、第2ステージに駒を進めますが優勝した日本ハムとの対決では1勝4敗と惨敗。特に第4戦は8-4で4点差リードで好調の福盛和男が登板。しかし日本ハム・田中賢介からの3連打で1点を失い、さらに満塁の場面でターメル・スレッジにサヨナラ満塁弾を浴び敗戦。これが「福盛の21球」です。野村克也監督の最終試合はまさかの劇的な負けとなってしまいました。