見出し画像

書店員さんにおすすめ本を訊く

最近読書がテーマの記事ばかり書いている。

やはり読書が好きなんだなぁと再認識している。


さて、今日は本屋に行こうと決めていた。

朝開店してすぐ行こうと決めていたので、
9時半ぐらいには家を出た。

するとどうだろう。

気温がだいぶ下がり、空気が若干冷たくなっていて
秋の訪れを感じたものだ。


これは…!秋に関する本が読みたい…!!


無性に込み上げてきたこの思い。

早く書店に行きたい!!
今日は小説を買うぞ!!

ルンルン気分で書店に向かった。



全く見つからない

向かったのは市内で最大の書店。

品揃えはかなり豊富だ。

だが

文庫本コーナー
単行本コーナー

いくら探しても
『秋をテーマにした本』が見つからない。

春の○○や桜の○○も
夏の○○も海の○○も
冬の○○も雪の○○も

色んな小説を見つけたのに、
秋をテーマにした小説だけが本当に見つからない。

ネットで検索してみても

芸術の秋なので芸術にまつわるこの本!
とか
食欲の秋なのでグルメ本!
とかしか出てこない。

ブルーバックスとかで
なぜ紅葉するのか
みたいな本とかないかなとも思ったけど
そういう本も見つからなかった。

結局2時間探し回って無駄足に終わった。


僕のこの胸の高鳴りを返せ!!


小さな書店へ~東京の記憶~

すぐ近くの別の書店に移動した。

小さな書店の方が逆に(?)あるんじゃないかと思って行ってみた。


もちろん無かった。

この書店にあってさっきの大型書店にない本なんて無いだろう。

さすがに何も買わないわけにはいかないし
今日は完全に小説を買う気分だ。

ビジネス書も買いたい本があるけど
今日は小説を絶対に買う。

そう決めて何かいい本ないかな~と探してみたが
秋の本の頭で探しても何も見つからないのである。

さぁ困ったどうしよう。


そこで僕は以前東京にいた時のことを思い出した。

紀伊国屋書店新宿店に行った時のこと。

確かこの本を読んだばかりの頃だったと思う。

恥を乗り越えるぞー!

と意気込んで起こした行動は

書店員さんにオススメを訊く

だった。

「書店や図書館を舞台にしたミステリー小説って何かありますか?」

最初に声をかけた店員さんはそういうのに疎いらしく
別の店員さんを呼んできた。

見た感じ20代前半の可愛らしい女性スタッフさんだった。

もう一度同じ内容を尋ねると、

「ちょっと待っててくださいねー!」

とスタスタと本を探しに小走りし、
あっと言う間に本棚の列の中に消えていった。

2~3分待っただろうか。

その店員さんが小脇に4冊抱えて戻ってきたので

ありが…

と感謝の言葉を言いかけたところで

「もうちょっとで終わるんで待っててくださいねー!」

と遮られ、反対側に走っていった。

そして計6冊のミステリー小説を抱えて戻ってきた

国内小説4冊+海外小説2冊だ。

今ではすっかりファンになった青崎有吾さんの『図書館の殺人』や
米澤穂信さんの『栞と嘘の季節』
そしてアンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』などがあった。

その店員さんは丁寧に一冊一冊、
あらすじ、魅力、どこが好きだったか、どんな人にオススメかを
説明してくれた。

「1冊でも気になったものがあればいいんですけど…」

と控えめに言っていた。

僕は正直海外の小説は楽しめたことがない。

登場人物の名前が覚えられないとか文調が好きではないとか。

その6冊が普通に棚に並んでいたら
おそらく『図書館の殺人』しか読まなかっただろう。

しかし、その店員さんはこんなに熱量高く本を選び
オススメしてくれたのだ。

「あ、全部買います」

と即答した。

さすがに店員さんもビックリしていた。


結局海外小説は数十ページぐらい読んで挫折したが
国内小説は全部楽しめたし
青崎有吾さんはすっかりファンになってしまった。

書店員さんにオススメ訊くって素晴らしい!!と思った。

この後、再び訊くことは無くなったのだが…


小さな書店で

さて話は今日の小さな書店に戻り

ピンとくる小説が見つからない僕は

「そうだ、店員さんに訊こう」

という発想になった。


せっかく話しかけるなら若い女性スタッフさんがいいと思い
他のスタッフさんが持ち場を離れたところを見計らって

その店員さんに訊いてみた。

秋をテーマにした小説

はハードルが高いと思ったし

何ならテーマを絞るのすら難易度上げてしまうな
と思ったので

「小説って読みますか…?
最近読んだ本の中で面白かった本あります?
あ、僕に合いそうとかそんなの全く関係なしに。」

とハードルを下げた(つもりだ)


店員さんは少し悩んだ後

「あー、あそこの棚のランキング1位の本とか読んでみたいんですよね~
あ、読みたい本じゃなくて読んだ本か。笑」

とひとくだり挟んだうえで

湊かなえさんの『ポイズンドーター・ホーリーマザー』
をオススメしてくれた。

湊かなえさんは『高校入試』とか『リバース』とか読んだことありますよ~

と言いながら本棚に向かい、
本を手に取り
裏表紙のあらすじを読んでみた。

あなたの「正しさ」を憎みます。 女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。欠席を表明したのは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだ。だが、理穂とメールで連絡を取るうちに思いがけぬ訃報を聞き……。(「ポイズンドーター」)母と娘、姉妹、友だち、男と女。善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる。名手のエッセンスが全編に満ちた極上の傑作集!

正直、僕が選ぶなら絶対に読むことはないだろう本だ。

だが、何でもいいと言った挙句に「好みじゃない」と断るのは
さすがに憚られた。

「普段読まないような本ですけど面白そうですね!」

と即購入を決めた。

またも店員さんは「マジですか!」と嬉しさと驚きが混じったような反応を見せた。

やはり自分がおすすめした本を買ってくれるのは嬉しい一方
もしかしたら合わないかな…と思った本を即決されるとビックリするものなのだろう。

次回来た時にこの人をご指名して感想を伝えられるように
店員さんの名札をしっかり確認して書店を後にした。

感想

一気読みしたので本の感想は書けるが
それはそれで1記事にしたい。

ここでは書店員さんにオススメを訊くことの感想を述べる。


まず1番に、店員さんに話しかけるのはかなり勇気がいる

自称コミュ障陰キャなのでなおさらだ。

レジのあたりをウロチョロし、
何度も「いや~何て思われるかな~やっぱ行けないな~」を繰り返した。

軽く変人である。

しかし、今の時代にあえて書店で働く人は
やはり本が好きなのだろう。

話しかけてみると嫌な顔をせずにオススメしてくれる。
(サンプル数2)


そして何より
普段の自分ならおそらく買わないであろう本
オススメしてくれるのが面白い。

読書の幅が広がる。

あれだけの蔵書の中から自分がお金を払って買う以上
やはり自分の好みに合う本ばかり選んでしまう。

ネットで検索してもやっぱり自分に合う本だけを選り好みしてしまう一方

直接書店員さんに訊くと、
自分がせっかく勇気出して聞いたのもあり
店員さんがせっかく考えて教えてくれたのもあり
わざわざ書棚まで案内してくれる(取ってきてくれる)こともあり

なかなか面と向かってやっぱり買わないとは言いづらい。

そのうえ、やはり目の前で熱量持ってオススメされると
正直どんな本でも興味が湧いてしまう。

断れないのはマイナスではなく
買いたいっ!というプラスの理由なのだ。


ということで

○○って本を探してるんですけど~

と在庫検索のように使う場合が多いと思うが

書店員さんにおすすめ本を訊くのはとても良い。


皆さんも「最近同じような本ばかり読んでるな~」とか
「視野広げたいな~」と思った時は

書店員さんにオススメを訊いてみるといいと思う。

きっと素敵な本に出合えるはず!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?