
執筆における、私の2つの手法
脚本家・壽倉雅(すくら・みやび)でございます。
脚本においても小説においても、一つの物語を創り上げるのには、なかなかの労力がかかるものです。
ストーリーの作り方や登場人物の作り方など、必要な要素は様々ありますが、今日はその中で私が普段行っている2つの手法をご紹介します。
1.登場人物の履歴書は細かく作る
脚本家・倉本聰氏が以前、「登場人物は木で言うと根っこの部分。根っこをしっかりしないと木は育たない」とテレビで仰っていました。
影響を受けたこともあり、私も登場人物の履歴書は細かく作ります。
私の作品は、SFやファンタジーではなく、現代的な人々が出てきますので、例えば平成何年生まれなのか、両親の名前、兄弟の有無、今に至るまでの様々な出来事をまとめます。
また表にして、様々な登場人物の履歴を年号でまとめていくので、何年に誰と誰が初めて知り合ったり、結婚したりなど、本編に影響する出来事が一目で分かるようになっています。
当然履歴書なので、本編に全て使うとは限りません。
ですが、履歴書をしっかり作っていくと、意外と使える要素があったりするものなので、この作業は極めて重要です。
登場人物の履歴書については、以前にもnoteの記事で投稿しているので、そちらもご覧ください。
2.クライマックスを先に考える
物語を書くにあたって、『起承転結』あるいは『序破急』を意識することが多いと思います。
私も、自分で物語を作るにあたって、全体の起承転結はなるべく意識して組み立てています。
ですが、私の場合考える順番として、クライマックス、つまり『転』や『結』を先に考えるようにしています。
クライマックスを先に考える、それはつまり結論を出すことなので、私の場合はその結論に持ってこさえるために、逆説の考えで物語を巻き戻していきます。
そうすることで、クライマックスに持ってくるために無理やりな展開にしたり、登場キャラのキャラ崩壊を防ぐことができます。
始めから結論が分かっているので、それに導くように物語を作っていけば整合性における不安も解消されます。
実は高校時代、国語の教科担当の先生が独特な授業展開をしていました。
それが、『首尾の読み合わせ』というものです。
『首尾』つまり首としっぽなので、物語の最初と最後の一文を読んで、この作品がどういう内容なのかを考えていこうというやり方でした。
高校卒業から10年以上経過していますが、この先生の授業はとても印象に残っています。これもあり、私は普段脚本でも小説でも、冒頭とラストにはすごく意識しています。
直接繋がっていないような表現やシーンかもしれませんが、それでも物語の最初と最後は中身を通じて繋がっている、というのがその先生の考えだったのかもしれません。
物語は最初から最後まで繋がっている、というのは基本的なことかもしれませんが、改めて意識しなければいけないことだと思いました。
==
Film Buyerで、脚本作品をアップしています!
毎日連載小説を更新していきます!
『私と先輩のキス日和』(1月13日~2月末まで ※1話のみ先行公開中)
YouTubeを始めました! チャンネル登録よろしくお願いします!
脚本のお仕事、絶賛募集中です! お問い合わせは、こちら!sukuramiyabi.office@gmail.com
過去実績(本名時代からの実績含む)のサイトは、こちら!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!