なぜ「報告書の書き方」的なビジネス本は役に立たないのか
取締役という立場は時に微妙です。取締役というのは実は業務委託なんですが「担当領域の経営をお任せします」という平たく言うと委託契約。部長や課長の育成もしながらですと、役員会で報告する時の立ち位置では部長の報告書の添削なども良くします。
「報告書の書き方」テキストはまさに「書き方」を教えてくれるだけ
「日本語がなってないなー」「わかりにくい」「もっと完結にかけないかな」とよく資料の指摘を受ける事があるとおもいます。では、「日本語がちゃんとしてたら良いのか」「わかりやすければ良いのか」「完結だったらいいのか」というと、そうではありません。次に指摘を受けるのは中身だからです。私は書き方を学ぶ前に中身を学ぶことが大切だと常々思って指導します。(ですので、最初は書き方はずっとイマイチのままですw)
ビジネスは成果を出してこそ意味がある
成果の出し方はここでは触れませんが、経営者は報告書の中身の「筋の良し悪し」に焦点をあてて報告を聞いています。「課題設定は合っているのかな?」「対策は適切なのかな?」「工数やリソースは適切かな?」「リスクはあるのかな?」まあ、おおよそこんなところを頭に置きながら聞いているわけです。聞きながら「ん?」となると質問が飛んでくることになります。
日頃から意識していれば報告書なんてすぐ書ける
なので、前段落で書いた経営者が気にするポイントを逆手に取って、報告することベースで仕事をするのもありだと思います。報告のための仕事というわけではなく「成果を出す」という当たり前のポイントを外しにくくなります。どうしても仕事は計画通りにいかないし、不確定要素も出てくるし、ピープルマネジメントもしないといけないし、、、ついつい頭の中はぐちゃぐちゃしがち。でも、いざ報告となるとまとめられなくなってしまうものです。
最後に頭が整理された状態で、「報告書の書き方」テキストを読むのは有効だと思います。後はドキュメント化するだけというところで力を発揮しますので。逆に体裁だけ整っていて中身のない報告書を「OK」としてしまう経営者がもしあなたの会社にいるとしたら、そもそも経営が危ないかもしれないですね。