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本業を伸ばし続け、資本主義の奴隷にならない

会社は人生のようなもので、成長サイクルがあります。今日はそのお話です。

ベンチャー期前期_ひたすら本業を磨き上げる

会社立ち上げ期は商品サービスを良くすることやマーケティング活動に会社は集中します。市場に指示されなければ敗者は去るのみですから必死です。特に企業カルチャーが明文化されていなくてもやるべきことはひとつですし、会社はある意味結束しています。逆に安定志向の方にはあまり向いていないフェーズです。

ベンチャー後期_本業を更に伸ばしていく

この頃になると市場からも認知されるようになり、競合との戦いも激しくなっていきます。営業力だけ、値下げだけでは対応できなくなり成長戦略をある程度定め、会社も組織的活動が求められ始めます。成長戦略とは簡単に言うと3Cと4Pの掛け算です。
ただ、ベンチャー前期にいるスタッフは猪突猛進型であまり戦略的に動くことに長けてないケースが多く、マネジメント層は(採用含め)アップデートが必要になります。

成長期_資本投下で更に伸ばしていく

成長戦略がはまり、成長軌道にのってくると一気にグロースさせるべく資本投下して一気呵成に伸ばしていきます。
成長期になるとある程度ファクトも溜まっており、正確に分析すれば勝ちパターンも見えてきます。そうすると資本も集まってきますが、これを正しく投資できるかがポイントです。人に投資するか、システムに投資するかなどなど経営の腕の見せ所ですね。

安定期_ここが分かれ道になる

安定期とは言い方を変えれば成長い鈍化する時期でもあります。マーケットの成長率の鈍化やシェア率をある程度確保してしまったなどが理由です。ここで問題になるのが「継続成長を目指す」のかどうか。そしてその成長をどう実現していくのかどうかです。本業の成長を果敢に攻めるのか、本業の周辺領域を狙っていくのか。または、強みを活かして違う業界へ新規事業を狙っていくのか。
それぞれのメリデメを整理します。

1,本業の成長へ投資
メリット:組織的な大きな変更が不要
デメリット:投資対効果が悪い
市場成長を流すか、更にシェア率を伸ばしていくかですので投資対効果は悪いのは一目瞭然です

2,本業の周辺領域を広げていく
メリット:本業ブランドの強みを活かせるので手っ取り早い
デメリット:組織が分散し、パーパスにそぐわないことが起きやすい
カーディーラーが自動車保険を取り扱ったり、引越し業者が電気ガス水道の手続代行をしたりするケースです。手っ取り早く売上は立てられるものの、企業理念との乖離や社員モチベーションの低下などが懸念です。

3,強みを活かして他業界へ攻める
メリット:当たれば大きな柱を作れる
デメリット:優秀なメンバーを新規事業にアサインすると既存事業へ影響することも。投資費用も高額になる
シェア率が高いのでライバルに本業が脅かされる可能性は少ないかもしれませんが、一方で優秀なメンバーにとってはプライオリティの低い組織になりがちで安定志向なメンバーが増えていきます。
仕組み化を進めつつ、優秀なメンバーで新たなチャレンジをすることは人材流出を防ぐためにも効果的です。

資本主義の奴隷にならない

資本主義経済はそもそも成長を前提にしています。成長が期待できない会社からは資本は引き上げられていきますので。
単に成長を維持しようとするなら「周辺領域を攻める」で良いと思いますし、敢えて成長率の鈍化を受け入れるというのも正しい選択だと思います。自分たちの強みを信じて他業界に新規事業をがんばってみるのもありです。

最悪なのは社長や役員が資産保守に走ってしまうことです。
そうなると羊頭狗肉はIRをし、経営資産を投げ売りしたち、手っ取り早い売上に飛びつきます。身の回りはイエスマンで硬め、軌道修正もままならなくなり内部崩壊につながっていきます。

日本史に詳しい人ならわかると思いますが、外に敵が居なくなると権力闘争が起き内部崩壊が進むものです。

こういう事例を私は何度もみてきましたし、そこに染まらぬよう一定の距離をおいてきました。

やはり経営は特に「安定期」になったときこそ、進むべき道を見定めて事業を磨き続けなければいけません(本業にせよ、新規にせよ)。

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