どうしようもないから
どうしようもないから、眠って、眠って、起きて、シャワーを浴びて、眠る。そんな日々を過ごして、絶望して、開けていないカーテンの向こうから人の声がする日常から目を背けて、布団をかぶる。
ここ1ヶ月調子が悪い。就職活動は、上手くいっていたと思う。「活動」として見れば。その先が問題だった。内定をもらって、いざ地元に戻ることを理解した瞬間、目の前が真っ暗になった。
大学に入学してひとり暮らしを始めて、地元、実家の考え方がどれだけステレオタイプだったのかに気づいた。父と母の言うことが正しいと思っていた。ひとりで色んなものを見て、色んな人と会って、違うって気づけて、毎日楽しいことばかりだった。
それなのに、また、あたしは過ちを繰り返す。
「未練はないですか?」
はい、って答えながら頭の中で「いや、どうせ2~3年後には出るけど。別に地域に貢献とかしたくないけど」ってもう1人の自分が面接官を鼻で笑っていた。
バカじゃないの。未練があるんだから、それに嘘をつかず、正直になれば良かった。内定をとることばかりに必死になって、自分がしんどくなる道を選ぶ必要はなかった。
「地元に、実家に帰りたくないんです」
自殺防止センターの人は、飲み食いが出来ないあたしに「先に病院に行くべきだ」と話した。まともな判断が出来ない状況にある、と。まともに判断が出来ないって何?就活中の、元気な時にだってまともな判断が出来なかったあたしはどうなるの?
深夜2時、電話を切って風呂場のカミソリを手に取った。ボサボサの髪の毛、荒れた肌の自分と目が合って「可哀想」と口から零れた。本当に、可哀想で、馬鹿で、どうしようもない。
今日も父と母のLINEを無視して、youtubeを開いたらラランドニシダの「人生終わったと思っている君たちへ」を無意識にタップしていた。色んな人がいるな、みんな辛いんだな、あたしだって辛い。また、自己中心的なことを考えて、最後の投稿者に対するニシダの「noteでも書いてみたら」って言葉がストンと胸に落ちた。投稿者の抱える思いと自分のそれが少し似ていたからだろうか。自分は文章を書くことが得意ではないけど、こうやって思いを吐き出すことで、何か。何か、得られるんじゃないかと思ってしまった。バカっぽい。
可哀想で、バカで、どうしようもないけど。カミソリも睡眠薬も、棚の奥の方に隠してしまった。なんとなくそうするべきだと思って、隠して、久しぶりに食べたガリガリくんが美味しくて、そういえばもう夏だったと気づいた。
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