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1週目。湯気とかおり

においは際立ちのことです。
そう言われてみると、トーストを意識して作ったことはなかった。

スーパーで買ってあった袋をあけて、食パンを取り出す
そもそも普段意識していないので、何分が適切なのかがわからない。

とりあえず、一番高い温度に設定して、トースターのネジを2分にまわした。
近くにあった小さい脚立を広げてトースターの前に陣取ってみる。
じっくり見ても、あまり変化がない。トースターの上に物が置きっぱなしなことに気がついた。危ない危ない。
2分じゃ変化がない。次は何分にしよう。ずっとトースターの前にいるんだから、いいタイミングで止めればいいのか

徐々に表面が色づき始める、白が茶色に、茶色が、やや黒に。
湯気を充満させたくて、じっと見ていたら、黒くなりすぎている気がする。
あわてて蓋をあける。少し黒くなったが許容範囲
確かに、湯気が立ち上っている。トーストってこんなんだったっけ。

初めてちゃんと、トーストを食べた気分だ。合わせて紅茶でも入れておくんだった。

いつも通り、コーヒー豆を挽く。ガリガリガリガリ。音も、においも、注ぐときに立ち上る湯気も。
今この瞬間だけ、感覚が研ぎ澄まされている。


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