海賊カイソット爆誕☠️
数週間前より海外サイトで噂になっていたフィリピンの至宝・カイソットの横浜ビーコルセアーズへの移籍が遂に公式発表されました。これは横浜にとってかなり大きな補強となります。今回はカイソットがどのような選手なのかを解説しながら、横浜にどのような変化をもたらしてくれそうかを妄想してみたいと思います。
フィリピン🇵🇭の至宝が海賊に☠️
カイソットってどんな選手?
220センチの超大型センター
カイソット選手は身長220センチ体重105キロの左利きのフィリピン人センターです。220センチって、かなりデカいですよ。あのハシームサビートが221センチでしたから、それに匹敵する高さです。年齢は21歳、2002年5月11日生まれなので、2001年5月2日生まれの河村勇輝の一年年下なんですね!若いし、そしてイケメンときたら、これ横浜でもかなり人気でそうですねぇ。
フィリピンの河村勇輝
カイソットは若い頃から有名な選手で、特にバスケットボールが1番人気なスポーツであるフィリピン国内ではとんでもない人気を誇る選手です。私も最近は毎日のように「Kai Sotto」で検索をしていたのですが、YouTubeでは毎日のようにファンの動画がアップされますし、今回の横浜加入のニュースも海外サイトが一斉に報道しています。フィリピン国民にしてみれば、今後の代表チームを背負う若き国民的スターですから、ポジションやプレースタイルは違いますが、イメージとしては「フィリピンの河村勇輝」と言っても良いのではないでしょうか。
河村勇輝、田中力とは5年前にU16で対戦
ビーコルの河村勇輝、田中力とはアンダーカテゴリーの試合で対戦していたようですね。タカハシDさんのポストを貼っておきます。
5年前のこの試合のボックススコア見てみるとカイソットのモンスタースタッツ、ヤバいですねー。この子達が5年後に横浜で海賊として共闘するなんてね。なんという巡り合わせでしょう。
ってちょっと待って!このサイトのボックススコアで選手名をクリックするとなんか可愛い写真たくさん出てくるやん😍😍😍
そしてこのかわい子ちゃん達の試合のフル動画、YouTubeのFIBAのサイトにあるじゃないですか!貼っておきますので、ぜひ年末の大掃除が終わったらご覧になってくださいね。
NBAを目指している
21歳の才能溢れる若き国民的スターですから、NBAを目指すという流れになるのは当然です。カイソットは高校卒業後にアメリカに渡ってトレーニングを積みつつ、アメリカ国内での大会でその非凡なる才能を発揮。NBA主催のキャンプにも参加し、ESPNなどのアメリカ主要サイトから4つ星評価され、複数の大学からオファーを受けました。しかし大学へは進学せず、2020年5月にNBA下部Gリーグのチームと契約しました。しかし新型コロナのプロトコルの問題などもあり、結局Gリーグではプレーすることなく、2021年4月にオーストラリアプロリーグNBLのアデレード36ersと契約し、プロ選手としてのキャリアをスタートさせます。この時まだ18歳でした。オーストラリアのプロリーグといえば馬場雄大やヴィックローらも所属していた非常にレベルの高いプロリーグとして知られています。カイソットは約2年間アデレード36ersに所属し、フィジカル面で苦労し特別目立ったスタッツを残すほどではなかったものの、10代としては着実な実績を残しました。
その後、2023年2月、おそらく広島からの熱烈なリクルート(高額提示か!?)によってシーズン中にBリーグに移籍。広島ドラゴンフライズのアジア特別枠として活躍します。シーズン後半の2月からの加入ということもあったせいか、平均19分という出場時間にカイソット陣営は満足していなかった様子ですが、それでも広島では21試合中18試合でスタメン出場、9.5得点6.4リバウンドとしっかり実績を残しました。昨シーズンのBリーグでのハイライト動画を貼っておきます。
このオフはNBAオーランドマジックのサマーリーグに参加しNBA挑戦、その後はワールドカップにフィリピン代表として出場しました。代表ではベンチスタートで、やはりフィジカル面での弱さもあったせいか、出場時間は試合によってバラつきました。アンゴラ戦、中国戦では約19分ほど出場し、二桁得点も記録しています。👇にワールドカップ最終戦となった中国戦のフル試合動画を貼っておきますね。相手が中国の壁ジョウチーですから、カイソットのデカさはイマイチ目立ちませんが😅
このワールドカップの最終戦が9月2日、そのわずか1週間後の9月9日には広島に来日、チームに合流しています。
その後、9月28日にインジャリーリストに登録されます。広島ドラゴンフライズからの説明によるとオフシーズン中に発症した椎間板ヘルニアが原因ということなのですが、来日直前のワールドカップには出場していますので、おそらく来日後の練習中に発症したのではないかと思われます。その後、練習生として契約していたチリジネパウエ(河田チリジ)が無事に帰化し、広島は河田とソットを天秤にかけ、河田を選択したということになります。詳しくは広島の岡崎GMのお気持ち表明コメントを参照になさってくださいね。カイソットという才能溢れる若者を日本のリーグに引っ張ってきた岡崎GMの功績はとても大きいと思います。どうもありがとうございます🙏 好き😘
カイソットが横浜にもたらすもの
ではここからはカイソットが横浜ビーコルセアーズにどのような影響を与えうるか、妄想していきたいと思います。もちろんできること、できないことがありますが、私は河村勇輝との出会いがカイソットの未来を切り開くと考えています。
ブロックショットによるゴールプロテクト
220センチの高さから繰り出されるブロックショットは最初に挙げられる強みでしょう。カイソットがゴール下にいるから相手がペネトレイトする気が起きなくなるという心理的圧力も期待できます。昨シーズンのハイライト動画でも豪快なブロックショットが記録されていますね。
河村勇輝とのアリウープ
次に期待できるのが空いているスペースに走り込んできての得点です。空いているスペースというのは二次元の話ではなく、三次元の話です。カイソットはフィジカルは強くないですが、220センチとは思えないスピードと体のしなやかさを持っていますから、例えば勇輝の高速ペネトレイトからのロブパス(ゴール近辺の高いところに浮かしたパス)をアリウープで決めるというシーンが想像できます。NBAを知ってる人ならルディ・ゴベアのプレーをイメージしてもらえればいいと思います。ドノバンミッチェルやマイクコンリーがペネトレイトし、そのロブパスをゴベアがアリウープするというのはユタジャズの強烈なオフェンスオプションでした。今シーズンの勇輝のペネトレイトはスピードで相手を振り切ってレイアップまたはアウトサイドへのパスをするだけなのですが、カイソットが加入することでペネトレイトから直接ゴールに叩き込むロブパスを出すという選択肢が生まれます。ただでさえ勇輝のスピードについていくのは大変なのに、カイソットにアリウープのパスを出されるかもしれないという相手への心理的プレッシャーが勇輝のペネトレイト時の選択肢を増やし、勇輝自身のシュート確率も飛躍的に向上することでしょう。今シーズンのビーコルはゴール下でパスをとって決めてくれるCJやアウダがいないのがかなりキツかったのですが、そこの点、改善すると思います。
シリンダー上空のリバウンド
ディフェンスでは自分のシリンダー上空のリバウンド確保が期待できます。今シーズンは外国籍選手がディフェンスリバウンドを確実に確保できずに相手にセカンドチャンスを与えてしまうこと、ディフェンスリバウンドからの速攻が出ないことも課題だったのですが、そこの点も少し改善すると思います。ただカイソットはリバウンドマシーンというタイプではないので、あくまで自分のシリンダー上空にきたリバウンドを高さで確保するということになるかと思います。相手をスクリーンアウトで弾き飛ばしてリバウンドに競り勝つようなイメージはありません。
高い打点からの柔らかいシュート
カイソットはミドルレンジのシュートが上手いです。シュートが柔らかく、そして当然ながら高さがあります。フリースローも8割近く決めますし、スリーに頼り過ぎている今シーズンの横浜にとって、ここは大きな武器になるでしょう。
オンスリー戦法
カイソットのビーコル加入で最も大きな恩恵はオンスリー戦法をとれるようになることでしょう。近年Bリーグではオンスリー戦法を用いるチームが増えています。例えば川崎のファジーカス、ヒース、ウィンブッシュ、宇都宮はギャビン、フォトゥ、ニュービル、群馬はパーカー、ターズースキー、ジョーンズ、先週やられた佐賀もハレルソン、フィーラー、ガルシアといったように外国籍とアジア帰化枠を3人同時にコートに出し、強さと高さを与える戦略です。ただデメリットもあります。例えばオンスリーに依存し過ぎてしまうと所属する日本人選手のモチベーション低下に繋がったり、また外国籍選手が怪我をした時にチームでとれるオプションが一気に減ってしまうことが挙げられます。川崎で新しい日本人選手がイマイチ育たないように見えるのは、私はこのオンスリー依存が根底にあると考えています。これもあってなのか、青木HCはオンスリー戦法を極度に嫌う傾向があるようです。ただし、今回の横浜へのカイソット加入でオンスリー戦法を採用しない手はないと私は考えます。カイソット加入により以下のようなラインアップが組めます。
PG 河村
SG 杉浦
SF ユトフ
PF オリバー
C カイソット
これによりプレースタイル的には3番(SF)を得意とするユトフが本来の強みを更に発揮できると思います。ユトフ、オリバー、カイソットのオンスリーの時間帯と、ユトフ&スコット、オリバー&スコットのオンツーの時間をうまく使い分けることがポイントになるでしょうね。もし青木HCが単にカイソット、スコット、ユトフ、オリバーの4人のうち2人をローテーションで使うだけの戦略を取るのなら、ビーコルは大して強くならないでしょう。青木HCがオンスリー戦略をうまく使いこなせるかどうか、今後のキーポイントはそこです。カイソットは主力としていずれは25分くらい出てくるのではないでしょうかね。
また個人的に注目しているのは、カイソットとスコットが共存するのかという問題です。どちらかと言うとカイソットはスコットと似たタイプのセンターのようにも思え、カイソットとスコットを2人同時にコートに出す組合せが機能するのかどうか、カイソットが4番スコットが5番という形で往年のスパーズのダンカン&ロビンソンばりのツインタワーってのも夢はあるのですが、個人的には懐疑的に思っています。楽しみではありますがね。
カイソットが苦手なことと不安点
フィジカルは強くない
度々触れてきましたが、カイソットはまだまだ線が細く、フィジカルの押し合いではBリーグの強い外国籍には勝てないと思います。ですので、昨年チャールズジャクソンがやっていたようなプレーを期待してはいけません。例えば、ゴール下でポストアップしてディフェンスがいる中で1on1でゴールを捩じ込んでくるというようなプレーはできません。また、フィジカルの強い相手のセンターをパワーで押し出すというプレーもできません。今後下半身を鍛えてパワーをつけていけばゴベアのように化ける可能性はありますが、現状ではなかなか厳しいと思いますから、そこは少し長い目で見なければならないですね。
怪我の再発リスク
広島のGMさんもコメントしていましたが、怪我の再発には本当に気をつけて欲しいですね。椎間板ヘルニアは基本的にとても治り難いです。私も20代で腰椎椎間板ヘルニアを発症し手術もしましたが、今でも腰は慢性的に痛く、バスケをする時にはコルセット二枚巻きです。未来のあるフィリピンの若き至宝ですから、怪我には本当に気をつけて欲しいと思います。
かなり長くなりましたが、以上、カイソット選手の紹介でした。バスケットボールが1番人気なスポーツであるフィリピンでも今回の移籍は大きな騒ぎになってます。きっとフィリピンのバスケファンも横浜でのカイソット選手のプレーを楽しみにしているでしょうね。ビーコルも英語サイト作成や、グッズの海外発送に対応できるようにしないといかんですねぇ。実はビーコル公式ポストですが、#Kai Sottoというハッシュタグを入れて、フィリピンのファンの方々の目に留まるようにしてるんですよね。こういう気遣い、大切ですよね。
日本のライジングスターとフィリピンのライジングスターの共演、もう待ちきれないわ。このnoteを読んでいただいた皆さんも今後のビーコルをより楽しみにしていただけたら私としてもとても嬉しいです。カイソットは明日の三河戦にデビューするのかな?楽しみすぎる!!!ムハー!!!
カイソット加入前の投稿にはなりますが、もしよかったら明日の三河戦展望もお読みいただけると嬉しいです。