#119 鐘つき・坐禅・写経の寺修行フルコース
先日、Airbnbでお坊さんと修行ができるお寺の宿を発見した。坐禅も写経も、やってみたかったのだけど東京近郊でできる場所がみんなコロナの影響で参加不可になっていたので、こちらに訪れてみることに。
#119 寺修行(鐘つき・坐禅・写経)
鐘撞
やはり、お坊さんの朝は早い。鐘をついて、周囲に5時半の時刻をお知らせするところから一日が始まる。私たちはいつもの軽装だが、お坊さんは着物を着るので朝の3時〜5時の間に起床するのがほとんどだという。
石の階段を登って鐘つき場所へ。
青銅製の釣鐘を、木製の撞木でつくことでその音を轟かせる。実は、突く時には全く力を加える必要がなく、思いっきり引いた反動で鐘を鳴らす。
ただ時刻を伝えるだけではなく、その響きを聞くことで一切の苦から逃れ、智に至る効能まであるという。携帯のアラーム音とは全く違い、時間の重みやを感じられる体験だった。
坐禅
続いて、メンタルケアにも繋がるため、今密かなブームになりつつある坐禅。ただ座布団の上にあぐらをかいて無になるだけだと思っていたのだけど、ちゃんと作法があるようだ。
1.座布団を二つに折ってお尻の下に充てる。
2.右の足を左の腿の上にのせ、可能ならばさらに左の足を右の腿の上にのせる。
3.手のひらを上に向けて、右手を足の上におく。そしてその上に左手をのせる。
4.親指の先端が触れるか触れないかのところで組む。
5.前後左右に体を揺らし、重心を見つけて安定させる・
6.呼吸を整える。
呼吸にもやり方が決まっており、腹式呼吸を意識しなくてはならない。あまり大きく息を吸う必要はなく、静かに、長く行うことが大切だ。
坐禅が初めての場合、うまく心を無にすることは難しいので、「呼吸を数える」ことをおすすめされる。一呼吸を一つとし、息を出すとき、ひとつ、ふたつ、みっつと心の中で静かに数え、十まで数えたらまた一つに戻って始める。
日々無駄な時間を過ごさないよう、手持ち無沙汰になればすぐ空白を埋めるようにすぐSNSを開いたり、音楽やラジオを聞いたり、情報のシャワーに身を置いていたので、かなり新鮮な感覚だった。遠くの方で「ホーホケキョ」と鳥のなく声や、電車が通る音、空気の冷たさなど五感に意識を向けることができた。
瞑想と同じく、きっと脳の休息になるんだろうと思う。「忙しくて」など言い訳をついついしてしまって実行することは難しいかもしれないけど、これからも続けたい習慣だなと思った。
ちなみに、アニメなどで集中していない人がよく木の棒で叩かれていたりするが、その所作も決まっているので、気になったらぜひ調べてみてほしい。(実は、音の割に全く痛くない。)
写経
坐禅が終わったあとは、最近は趣味や自己修練のひとつとして取り組む人が増えている写経。
写経とは、その名の通りお経を書き写すこと。またはその書き写した経文のことをいいます。現代では、300字程度と端的な「般若心経(はんにゃしんぎょう)」を書き写すことが多い。
これまで、写経は経典を横に並べてかくものだと思っていたのだけど、なぞって書いてもいいチートOKでフランクなものだという衝撃事実が発覚!
しかも、硯と小筆で書くのかと思っていたら、渡されたのは筆ペン。この気軽さがきっと今ウケているんだろう。
漢文なのでなかなか何を行っているのか理解することは難しかったけれど、朝から集中することで眠気も次第になくなっていき、綺麗な字を書けることがとても心地よかった。
このお寺の修行体験ではいろんな初めてを一気に体験することができてとても有意義な休日になった。民泊の良さはこうした今までのホテル・旅館では体験できないことができるところにあるんだろうと思った。
またAirbnbで、ユニークな宿泊体験ができる場所を探してみたい。
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