『ヤング&若者ケアラーのための恋愛・結婚セミナー』に参加させていただきました
家族の介護をしている20~30代の就職・転職支援 Yancleの代表 宮崎成悟さん主催の「ヤング&若者ケアラーのための恋愛・結婚セミナー」にZoomで参加しました。講師は未来型結婚相談所シュクルの佐藤祐佳(さとゆか)先生でした。話をきちんと聞いているフリをして、ずっと自分のことを考え続けていたので、内容のまとめみたいなことは書けません・・・ほとんど自分用の自分語りです。ちなみに上の写真はだいぶ前にデートで行ったアクアパーク品川で撮ったイルカです。未練がましく写真を取っておくタイプの女・・・
カミングアウトの難しさ
ケアラーにとっては、お付き合いしている相手にケアのことをカミングアウトすることが課題の一つになることもあります。中には、カミングアウトをしないまま結婚をしたという人もいました。
私は高校生の時に当時好きだった人に「私の母には認知面の障害がある」という話をしました。すると彼は、昔、知的障害のある人に嫌な思いをさせられた経験があると話しました。もちろん成長した彼は障害者といってもいろんな人が居ることを理解していたと思いますが、彼の中では、障害者というとやはりそのイメージが強いようでした。付き合う前からあまりいい印象をもってもらえなかったかなと不安になりました。
その後、無事に付き合ってもらえることにはなるのですが、私が付き合う前から相手に母の話をしたのは、やはり私の中のケアのつらさを相手に理解してほしいという気持ちが強かったんだと思います。今よりも孤独感が強くて、この寂しさを解消できるのは恋愛しかない。恋人ならば全てわかってくれるのでは、と過大な期待をしていました。(後に激重メンヘラ女爆誕)
でも、さとゆか先生いわく、カミングアウトのタイミングは非常に重要とのことでした。タイミングによっては悪く転ぶケースも見てきたそうです。それが付き合いたての時なのか、親密になってからなのか、結婚直前なのかは、やっぱり相手によります。そこで大切なのがコミュニケーションです。
コミュニケーション
今回、さとゆか先生は、実例として、交際相手が親の介護をしている話をあまりしてくれず、不安になってしまった女性のケースを紹介してくださいました。交際相手の方はケアを大きな負担と認識していなかったようですが、実際には女性との関係や仕事にも影響を与えていたようです。
私はこのコミュニケーションの部分が苦手すぎて、恋愛どころか人付き合い全般が不得意でした。
ケアの負担を交際相手にわかってほしいと思う反面、高校~大学時代は自分自身の不安定さをケア由来のものと捉えておらず、はっきり話すことができませんでした。恋人と会っても、電話をしても急に泣き出したり怒り出したりしてしまう自分に対して腹が立つばかりで、相手が心配してくれても「あなたのせいじゃない」「なんでもない」と答えることしかできませんでした。今思えば、恋愛に救いを求めていただけなので、なんでも話せるほど相手を信頼していなかったのかもしれません。恋愛や結婚しか私には救いがないのではないかと考えて、とにかく相手に私といるメリットを供給し続けなくては一緒に居てもらえなくなる!と常に思っていました。(余談ですが私は実家に住んでいて、親が車を買ってくれて、スマホ代も保険代も払ってくれているというブルジョワジー生活をしています。それに対して、親が言ったわけではありませんが、私は家に居て母のケアをすることがその対価なのかな・・・と思って生活しています。経済的安定を人質に取られながら家事やケアをしている感覚です。親に面倒を見てもらっているのは弱みなので自立した方がいいとは思いますが、反対にこちらとしてもケアの対価がないとやってられん!と思っている部分があります・・・)
当時はとにかく家のこと、自分のことを考えるのに必死で、相手を思いやる余裕がありませんでした。カミングアウトのタイミングもある意味「駆け引き」ですが、そこに気を遣えるほどの余力も無く、その他、相手の話を聞いたり、自分のことを話したりしながら恋愛関係を維持することに割く労力がもたなくなりました。とうとうコミュニケーションというコミュニケーションを全て破棄したくなった私はある日急に音信不通を決め込みました。恋人には大変申し訳ないことをしたと思っていますが、当時はもうどうやってLINEの返信をしたところで正解にたどり着けないし、こんなに余裕のない私が他人の人生まで奪ってはいけないとも思っていました。自分と家族のことしか考えたくない。それ以外のことは考える余裕がない。だから私と付き合う人は振り回されて大変だ。私はもうこの先ずっと一人でいて迷惑をかけるのは最小限の人にしたい。このときに生まれた気持ちが今でもこじれています。
恋人とのコミュニケーションが嫌だったというより、親、先生、友達、部活の仲間、近所の人とか、とにかくありとあらゆるコミュニケーションが負担で、中でも負荷が高かった恋人とのコミュニケーションを切ることで、全体の負担を下げようとしていました。
若くしてケアと携わるということを、ケア経験の無い人はなかなか想像しにくいと思います。そのため、誤った捉え方をしてしまうこともあると思います。ケアラーは、自分の話を細かく丁寧に伝えて、誤解やすれ違いをなくす努力をすることが求められる場面があると感じました。
が、しかし。1から10まできちんと話すことは相当な負担です(私には)。そこまでして得られるものって一体何・・・?と思ってしまうことが多々あります。
私にとっての恋愛・結婚とは・・・
とにもかくにもコミュニケーションにしんどさを感じている私は、一人で父と母を看取るまで生きたら適当に死んでしまおう、くらいに思っています。しかし、周りから結婚を期待されるうちに(田舎の重圧)、確かにこの先ずっと一人でいいのだろうかと不安に思うようにもなりました。
結婚に関する希望をあげると、『家を改築したいタイミングなので、改築した家に一緒に住んでくれるお婿さんがほしい』ですが、これも結局、本来の結婚の目指すべきところというより、我が家の介護要員を増やそうとしている感じになってしまうなと思いました。そしてまた、旦那さんに介護を手伝わせていることを弱みに感じて、それでも一緒に居てもらう対価を支払い続けなければと追い込まれる生活に疲れてしまうんだろうなと思います。
結局、「今の家庭を理想型にしたいという思いが強くて、新たな家庭を作るというイメージがない」んだと思います。
現在進行中のプロジェクトがあるのに、新しいプロジェクトに手を出せない感じです。
子供も居たらもちろん良いのだとは思いますが、母のケアと両立する自信はありません。家を出ればいいのかもしれませんが、結局最終的に面倒を見るのは自分しかいない(一人っ子)とわかった上で離れるのは・・・と思ってしまいます。あと単純にケチなので家を改築するならついでに住みたい!というところもあります。
まとめ?(最後の方は過去の恋愛の回想に入らず話を聞いていたはず・・・)
最後は、
・状況は常に変わるけれど、変わることを恐れない
・家族は家族だし、その人はその人。正解はないけれど納得いく答えをみつけよう!そのためにはコミュニケーション大切!第三者の意見も取り入れていこう!
と言っていた・・・はずです・・・。
私はコミュニケーションが苦手な故に恋愛や結婚に対して「理想」「夢見がち」「私には無理」と思っていましたが、さとゆか先生のようにケアとの両立を考えてくださる方や、悩みを受け止めてくださる方がいるのならば、恋愛や結婚にもっと希望を抱いてもいいのかな、と思うことができました。
さとゆか先生は、「結婚相談所」という名前なのに実際は「紹介」しかやってなくて、「相談」をできていないこともある、と指摘していて、確かにそういうイメージもあって、恋愛や結婚に対してモヤモヤした気持ちを抱えていても、それを誰にも話せないのかな・・・と思いました。実は一番大切な部分なのに、出会いや結婚がマラソンのゴールになっていて、とにかく走れ!と言われているような。どんなコースか確認したり、給水所はどこか確認したりする作業は必要なのにね。
いつかは向き合わなければならない話題でしたが、なんとなく目を背けたかった話題にケアラーの皆さんと向き合うことができて、なんだか少し安心する時間でもありました。
どうもありがとうございました!