ふつうなところにおかしみがある
「佐原張子 鎌田芳朗展~おかしみ~」にいってきました。長らく楽しみにしていた展示。
ふだん顔はめ的なものはあまり自分でやりませんが、このフォトスポットはやらざるをえませんよね。
冒頭から失礼しました。
千葉県、香取市の佐原地区にある「三浦屋」の鎌田芳朗さん、御年83歳の東京ではじめての個展です。近年郷土玩具が気になり始め、いろいろなイベントに足を運んでいるうちに知った佐原張子。
会場は元小学校を改装したギャラリー。
たいへん多作な方である鎌田さんは、自身でも自分の作品を把握しきれていないといいます。「佐原のピカソ」とも評される鎌田さんの作品は独特で、本人は絵を描くことも苦手で、自分の家業であった三浦屋の仕事もはじめは乗り気でなかったようです。
童謡モチーフの作品。こちらは「海の子」より。
一方で、鎌田さんの作品に触れて、張り子作家になることを決めた若手の作家さんなど、多くの方が鎌田さんの活動を大いに応援されていることも知りました。この展示も、鎌田さんを慕う人たちのたいへんな力添えで実現したようです。会場である、廃校になった小学校を改装した四谷ひろばのギャラリーの雰囲気も相まってか、とにかく熱量と愛のつまった展示でした。
ライオン
展示に寄せた様々な方からのコメントを読み、鎌田さんの人となりが浮かび上がってくるようでした。張り子の話よりも、得意の歌を歌ったり歌の話をすることが多いという鎌田さん。本人のお茶目さと、多少気が乗らなくとも、まわりに求められちゃしょうがないなぁ、とでも言わんばかりに答えてきた結果のこの作品たちなのかなぁ、というのは勝手な想像ですが。
形も顔もすべて、どれひとつとして同じではなく。どこか滑稽で、とぼけていて、飄々としている。そうか、これが「おかしみ」というものか。でも決してふざけているようではなく、張り子たち本人はなんだかまっすぐで、誠実で、いたって「ふつう」であるように感じる。そこがまたおかしくてニヤニヤしてしまうのです。
展示は、5月12日(土)まで、CCAAアートプラザ四谷三丁目ランプ坂ギャラリーにて。木曜はおやすみ、入場は無料!です。
ちなみに四谷三丁目には、「だぁしゑんか」というチェコ料理やさんがあり、帰りがけに友達にそちらでお祝いをしてもらいました。
なぜかビール写真しかとらなかった。。
どちらもチェコの「ピルスナーウルケル」の生ビールですが、右は日本語で「牛乳」と呼ばれる、泡だらけの注ぎかた(飲み方)!一口もらいましたがこの飲み方もマイルドで美味しい。濃厚だから泡までビール感たっぷりなのですね。
おかしみにあふれた一日でした。
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