わたしの愛読書遍歴
先日、このような記事を書きました。
「変わる」とか言っておきながら、中身は単なる愛読書3冊の紹介なわけです。今までの愛読書を紹介せねばならぬと、わたしはそう思ったので、今回はそれを紹介します。
紹介順は、愛読していた時期となっています。番号が若いほど早い時期に読んでいたものになります。
1. FBI式 人の心を操る技術
この本は、仕草や表情などから人がどのように思っているのか読み取る、という主旨の本です。感情ごとのしぐさや表情の特徴や、隠そうとしても隠せない一瞬だけ現れる表情(微表情)についての言及があります。この本は絶版だと思うので、特にリンクを貼ることはしません。微表情については心理学で研究されているので、興味ある方は心理学の本で微表情について書かれているものを探るといいです。
2. 空港25時間
空に関係するお仕事(パイロット、パーサー、管制官、整備士)らが、仕事内容や今までのキャリア等のお話を語っている本です。パイロットは2人の話が掲載されており、うち1人は御巣鷹山に墜落した時の機長と一緒の便を担当したそうで、その機長とのエピソードも少しあります。この本も古いので絶版になっていると思います。
3. ぼくは勉強ができない
山田詠美の代表作です。勉強はできないけど女によくもてる主人公の時田秀美がいろいろと悩みながら生活していく姿が描かれています。
男子高校生の主人公が持つ恋人は成人していたりその恋人と日常的にセックスしていたり未成年で日常的に飲酒していたりする姿は、およそ大多数の高校生が経験しないような内容だと思いますが、そこに魅了されます。
番外編として『眠れる分度器』という秀美が小学生のころの話がついています。これは、小学生ながら頭の固い先生と格闘する内容になっています。ちなみに、このお話は1999年にセンター試験で出題され、日本中の試験会場が阿鼻叫喚の地獄絵図になった話となっています。噂によると、小説の平均得点率が50%を下回り、センター試験小説文の平均得点率は史上最低となったとのことです(大学入試センターは大問ごとの平均点を公表していないので実際の平均得点率は不明です)。
4. 放課後の音符
これも山田詠美の小説です。高校時代にこの本が好きな人がいて、その人におすすめされて読んだら最初の一文「カナは十七歳だけど、もう男の人とベッドに入ることを日常にしている」で体に電流が走ったような感覚を覚え、それ以降山田詠美の小説を買い漁るようになりました。寝るということが非日常な高校生にとって、小説の最初の一文であのようなことを言われてしまうと、痺れます。
内容は、高校生の女の子恋の悩み等から学びながら成長する、そのようなお話です。短編ですので、小説が得意ではない方でも読みやすいと思います。
5. 面白くてよくわかる! 恋愛心理学
これは、わたしが心理学にはっきりと興味を持つきっかけになった本です。なにが面白かったかと申し上げますと、それまで、わたしの中で恋愛というものは人間の完全なる気まぐれで行われるものだと思っていたのですが、恋愛には一定の傾向があり、研究されているというところに大変衝撃を受けたのでした。
心理学は疑わしい研究(平たく言うと、もう一度同じ実験をしても同じ結果が得られないような研究)がたくさん見つかったことで問題となっており、この本に書かれていること自体がすべて再現性の認められるものとは言えませんが(確か、表情フィードバック仮設についても書かれていた)、わたしの心理学好きを決定する大きなきっかけになった本になるので挙げています。
6. 10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方
精神科医の水島広子先生が書いた本です。10代のうちにと銘打っていますが、10代でなくてもとても参考になるような本になっています。他人とのコミュニケーションをとるうえで大事な原則から始まり、10代のときに遭遇しやすいであろう困りごとについて、どうすればいいのか書かれています。
7. ファッション ファッショ
ここまで何度か登場した山田詠美がピーコとファッションについて語っている本です。雑誌の連載をまとめたものです。もう20年前に書かれたものですが、古びた感じがしませんしとても参考になると思います。おしゃれの本質は今も昔も変わらないから古びた感じにならないんですよね。これも新品は世に出回っていないので、古本屋で探してみてください。ちなみにファッションファッショは無印とマインド編の2冊構成です。
ちなみに、わたしがこの本を読むきっかけとなったのはtwitterでした。山田詠美の名言をつぶやくbotがあったのですが、そこでつぶやかれたつぶやきを見て大爆笑し、これは読みたい! と思い探したのでした。その文章がこちら。
もう、最高です。そういえば胸派尻派いようとこれも今とまったく変わっていませんね。
8. 恋愛的瞬間
これは、以前紹介しました。
「運命の恋人に会った者に他人の物語は必要がないんです」など名言が連発する本です。恋愛に関して迷ったり悩んだりしたら、まずこの本を一読することをおすすめします。冷静に考えると、人類はトータル数えきれないぐらいの恋愛をしてきているはずで、そうすると、詳細は違えど違う誰かがあなたの持つ悩みと同じ悩みを抱えていたはずです。ということは、その悩みの外枠は外部の意見や経験を参考にして、あとは詳細だけに焦点を当てて全力で悩めばいいはずです。
恋愛とは突き詰めると二者による人間関係ですから、恋愛の悩みは人間関係の悩みでもあります。従いまして、恋愛とは関係なくても、人間関係に悩みがあるなら一読の価値があると思います。
(最後に)愛読書とは自分の歴史であり性癖である
愛読書とは自分の骨肉を構成する一部です。それと同時に、愛読書をさらす行為とは性癖を晒すに等しいとわたしは思っています。普段お見せすることはありませんから。わたしの性癖をお楽しみいただけたなら僥倖です。
(おまけ)サムネイルを探していたときの出来事
今回のサムネイルに下の写真を使おうとしました。
これはフリー素材のサイトで探しているときに見つけたものです。そのサイトには「この画像に類似している画像を探す」みたいなボタンがあったので、似た画像ないかなと思い検索した結果がこちらになります。
確かによく似ているものですから笑ってしまいました。実際に使用したサムネイルは、愛読書遍歴ということは自分の歴史を晒すということだから、歴史っぽいサムネにしよう、そうだ、巻物が写った写真にしよう、ということで決まりました。