海外自転車旅! オーストラリアを走る (その2)
アメリカにヨーロッパ、そしてオーストラリア。
「もう行きつくして目新しいところが思い浮かばない」
いえ、世界はまだまだ広いです。
今回ご紹介するのは、自転車でオーストラリアの砂漠を行く旅。
「砂漠なんて走ってて楽しいの?」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
私が過去に参加したいくつかの海外の自転車旅の中から、特に印象深かった旅を紹介するこのシリーズ。
今回はオーストラリアの「赤い砂漠」に焦点を当て、ニトミルク、カカドゥ、パーヌルルの3つの国立公園の観光レポートと体験談を中心に、自転車ツアーの魅力を紹介します。
「将来時間ができたら挑戦してみようかな」
そんな気持ちになってもらえたらうれしいです。
ニトミルク・カカドゥ・パーヌルルの3つの国立公園は見所いっぱい
出典元:http://www.activeholidays.com.au/adventure/remote-outback-cycle-tours/
今回も、紹介するのは、オーストラリア縦断ツアー。
ツアーのサイトはこちらです。
http://www.activeholidays.com.au/adventure/remote-outback-cycle-tours/
ツアー名:リモートアウトバックサイクルツアー
予算:コロナで2020年度は中止のため不明。私が参加した当時は日本円で40万円くらい。
期間:8/14~9/22 39日間(当時)
区間:パース~ブルーム
このツアーでは、パースを出発し、2週間かけてアリススプリングスへ。
前回の記事では、パースからアリススプリングスまでを紹介しました。
まとめるとこんな感じです。
●2週間の日程は?
1週間ごとに、休息日が1日。
そこが観光地であれば、オプショナルツアーに参加して楽しめます。
そうでなければ、汚れた服をまとめて洗濯したり、テントに入り込んだ砂の掃除をしたり。
●それぞれの自転車での走行距離は?
毎日昼過ぎまで4~60kmだけ自転車で走行します。
そのあとは気温が上がって運動するにはちょと危険なので、トラックに拾ってもらって2時間ほど車で移動し、その日のキャンプ地を目指します。
●盗難対策などの貴重品の管理は?
基本、自己責任ですね。
と、いうのもオーストラリア内陸部は人もいませんし、誰かに持っていかれることはまずないでしょう。
夜もトラックに積んだままにしておく人もいれば、テントに持ち込んでる人もいます。
ただ、トラックの上に荷物を積んでもらっている場合は、電子機器は入れておかないほうが良いでしょう。
日中はかなり高温になるため、デジカメのメモリスティックが熱で壊れデータが消えたという参加者がいました。
●入浴は? トイレは?
シャワーやトイレ設備が整っているところでキャンプできるのは、週に1回程度。
お風呂代わりに、川や湖があればチャンスと思ってダイブしちゃいましょう。
トイレは、ガソリンスタンドがあればラッキー。
迷わずトイレを借りましょう。
そうでない場合は、広大な大自然、全てがあなたのトイレです。
トイレットペーパーを携帯しとくのも手です。
ただし使用済みのトイレットペーパーは必ず持ち帰ること。
●電子機器の充電、Wi-Fiは?
アリススプリングスなど大きな街に出るまでは、充電もできません。
もちろん砂漠ではwifiも飛んでいませんので、SNSやメールのチェックはおあずけです。
さて今回は、アリススプリングスからさらに2週間かけ、スチュアートハイウェイに乗って一気に北上。
海岸沿いの州都ダーウィンを目指し、ゴールはダーウィンからちょっと南下したブルームです。
不思議な景色 デビルズマーブル
出典元:https://northernterritory.com/tennant-creek-and-barkly-region/destinations/karlu-karlu--devils-marbles-conservation-reserve
アクセス:アリススプリングスから約400km北上
訳して、「悪魔のビー玉」。
こんな丸まった岩があちらこちらに点在します。
しかしすごいネーミング。
なぜこんな奇景になったかわからなかった大昔、「きっと悪魔が魔法で一晩で」と思ったゆえの地名なんだそうです。
今では、丸い岩とその下の岩場は、何十億年も前に噴火した火山のマグマだと判明しています。
後世、マグマが流れた一帯が隆起し、なにせ周りに遮るものがなにもないので、長年吹きっさらされてるうちに自然にこうなったんだとか。
オーストラリアは、もう何万年も目立った地殻変動がないようで、辺りの山も丘もみんな風化で丸みを帯びてます。
なので、こんな奇景が造られやすいのかもしれませんね。
ちなみに丸い岩は、登ってもOK。
実際あちこちで観光客がユニークなポーズで写真撮影してました。
ただ、かなりつるつるなのと、周りに助けてくれそうなガイドや警備はいないので、自己責任で。
水の恵み ニトミルク国立公園
出典元:https://northernterritory.com/jp/ja/katherine-and-surrounds/region-guide
アクセス:ノーザンテリトリー州都ダーウィンより244 km南東
オーストラリアは、内陸部はほとんど砂漠。
ですが、要所要所にオアシスのように緑豊かなエリアがあり、国立公園になっています。
国立公園といえば、水。
なにせ、道中は野宿野宿また野宿で、走って汗だくになってもシャワーも浴びれず、あなたの髪はどんどんヒサンなドレッドヘアに。
キツいのはそれだけじゃありません。
とにかく砂漠はハエが多い。
野生動物がまき散らすフンがエサなんでしょうね、とにかくそこかしこにヤツらがブンブン飛んでおり、私たちの汗(水分塩分がほしいらしい)を狙ってたかられる。
なので、国立公園に入ったら、滝つぼ、川、沼、湖、とにかく全てにダイブ。
もちろん遊泳OK。
ただし監視員やライフセイバーはいません。
水はわりとキレイですが、なんせ大自然、不気味に底が見えず暗いところもチラホラ。
泳ぐときはぜひ、仲間と一緒に。
くれぐれも気を付けて。
ついでに更衣室もありません。
でも、淡水は思いのほか沈むし浮かびにくいので、服のまま浸かると結構キケン。
なるべく水着で、もしくは、女性でも覚悟決めて下着で行くかしましょう。
ニトミルク国立公園にはキャンプ施設もあり、ツアーもそこを利用します。
キャンプ場ですよ、シャンプーと石鹸、何日ぶりでしょうか。
また、滞在中は1~2日ほど観光する時間があります。
砂漠では見られない、たくさんの野生動物と緑あざやかな景色。
もちろん別料金ですが、何日も砂漠しか見てこなかった目には超新鮮。
絶対おすすめです。
古代先住民の足跡を感じる カカドゥ国立公園
アクセス:ダーウィンから車で東に約3時間
オーストラリア最大級の国立公園です。
2日ほど休暇があるので、レッツ観光三昧。
ただし、基本、別料金です。
●ワニにひょっこり会える イエローウォータークルーズ
出典元:https://northernterritory.com/tours/kakadu-tourism/yellow-water-cruise---2-hour
(そんなマニアがいるかはさておき)ワニ好き必見です。
ゆったり流れるイエローウォーター川をクルーズするツアー。
ワニを山ほど見かけます。
それ以外にもバッファローなど、たくさんの野生動物がかっ歩する姿を楽しめます。
夕方には、晴れていれば沈む真っ赤な夕日を、雨上がりならどでかい虹がかかるので、きっとロマンチックな気分に。
●古代人の息吹 ノーランジーロックの古代壁画
出典元 https://www.youtube.com/watch?v=hnF2-_FteIc
ノーランジーロックには、少なくとも2万年前には先住民が暮らしていたそうで、彼らの世界観や神話がつまった壁画がたくさん残されています。
壁画の書かれた洞窟の一帯は一大観光スポットになっていて、スロープが整備され、ガイドもついてくれるので、おすすめです。
超古代先住民に思いをはせてみましょう。
●見逃せない水泳スポット バラムンディ ゴージ
結構深くて底が全く見えません。
バラムンディ、とは魚の名。
スズキやメバルの仲間で、白身魚でとってもおいしい。
でも2m近い大きさの魚なんだそうで、アボリジニ語で「大きなうろこ」という意味です。
運が良ければ、そんなバラムンディを見られるかもしれません。
水中メガネをお忘れなく。
出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3
バングルバングルで有名な パーヌルル国立公園
出典元:https://clublog.club-t.com/_ct/17246223
アクセス:西オーストラリア州。一番近い町カナナラからでも250km。
パーヌルル国立公園も、見所いっぱいの観光スポット。
一番有名なのは、バングルバングル。
赤茶けた砂と黒い砂とが交互に積み重なったカラフルな地層が、長年の風化で山脈のような景色になったんだとか。
中は歩き回ることもでき、洞窟もあって冒険心をくすぐられます。
ぜひ、寄ってみては。
英語力に自信がない? それでも何か特技があれば溶け込めるかも!?
さて、海外のツアーで心配なのは、英会話。
結論から言うと、英会話は頑張れるだけ頑張って勉強していきましょう。
私が参加した当時、ツアーの参加者は全部で50名くらいでした。
でも日本人どころかアジア人が一人もおらず、多くはオーストラリア国内の方。
それでも何人か、フランスやイタリアなど英語圏以外の方もおり、参加者どうしで話すときは、中学生レベルでもわかる英語が使われてました。
当時の私の英語力ですか。
恥ずかしながら、まさに、中学生レベル。
まぁ、「あそこの観光地はすごかったね」とか、他愛ない話をする分には問題ないものの、たとえば夜、皆さんお酒が入って盛り上がってきたとき。
彼らが早口でクセのあるオーストラリア英語で何かしゃべってワッハッハ、というシーンではほとんど聞き取れず、「何やら楽しそうですねぇ」と例のイタリア人、フランス人とお互い苦笑いするしかありませんでした。
私は道中、「これも語学留学のひとつだ」と割り切ってなるべくオーストラリア人とも話すようにしました。
でも、先の二人とはいまでも友達ですが、オーストラリア人とは長く続くような友情はついに築けませんでした。
私がシャイなのもだいぶ影響。
もし、あなたの英会話レベルがそれほど高くなくても、「旅の恥はかき捨て」モードでガンガンいける性格なら、まず問題ありません。
「同じかまの飯を食った仲」効果で、会話すればするほど仲良くなれます。
英単語がタイミングよく頭に浮かんでこなくても、明るいキャラと捨て身のオーバーリアクションでぐいぐい行きましょう。
もし、あなたがそこそこの美人・美形であったなら。
ラッキーです。
みんなが放っておきません。
どんどん話しかけてもらえるので、英語力なんか気にせず身振り手振りでもいいのでガンガンいきましょう。
そのうち勝手に英会話力が上がっていきます。
もし、あなたに何か特技があるなら。
外人ウケしそうな空手や柔道の型ができる。
ギター弾いて歌える。
バク転やアクロバット的な動きができる。
なんでもいいです、やってみてください。
もう、英語なんかまったくできなくても、彼らはじゅうぶん感動して心を開いてくれます。
なにせ自転車ツアーのタイムスケジュールは、朝から昼過ぎまで爆走したあと、基本ヒマです。
昼過ぎから尋常じゃなく気温が上がっていくので、午後はゆっくり過ごすのです。
でも野宿が続くとスマホでネットもできません。
みんなでただたき火をじっと囲んでいるとき、「誰か何かやって見せてよ」という雰囲気になります。
コミュニケーションをとるチャンスです。
あなたなりのパフォーマンスでみんなの心をつかんでください。
安全面の心配だけじゃない? 個人ではなく、敢えてツアーに参加するメリットとは
個人で自転車旅をするメリットは、自分の調子や都合で調整できること。
「今日は天気悪そうだからやめる」
「昨日無理して山越えして筋肉痛がすごいので休む」
道中は何が起こるかわかりませんものね。
また、「宿のご主人が、もっといいルートを教えてくれた」なんてことがあればコースを変えたり、宿で別の自転車旅の人と意気投合したから一緒に走る、なんて「出会い」も楽しみのひとつ。
●ツアーなら荷物を減らせる
でも、道中野宿なら、テントや寝袋に調理キットが必要ですし、ホテル泊でも自転車の修理キットくらいは必須ですし、荷物はそれなりに増えます。
ツアーなら、これらは貸してもらえる可能性が高く、要は荷物を減らせるのです。
なにせ、飛行機に載せていい荷物は、航空会社によるでしょうがエコノミークラスなら大体20kg前後です。
自転車だけで、モノによっては15kg以上いくので、結構重要なポイントですよね。
●安全に大自然ルートをめぐることができる
個人で行く場合は、安全面や途中で食料や水の調達を考えると、どうしてもコース取りが点在する集落をつなぐルートになりがち。
ツアーだと、何日分もの食料や水を予め用意しておいてくれるし、しかも道中に詳しいガイドがつくため、何日も人里に出会えないような大自然ルートを安心して挑戦できます。
何より、たくさんの荷物を、トラックでまとめて運んでくれます。
身軽になれば自転車のスピードも上がります。
これなら、キツい坂もなんのその。
記憶に残る、旅。
重い荷物にあえいで大変だった道中より、余裕ある爽快な道中で見た景色の、どちらがより多く心に残るでしょうか。
まとめ
今回はオーストラリアの中北部を中心に、海外自転車旅の魅力をお伝えしました。
●ニトミルク・カカドゥ・パーヌルルの3つの国立公園は見所いっぱい
ニトミルク、カカドゥ、パーヌルルの3大国立公園について観光レポート。
●英語力に自信がない? それでも何か特技があれば溶け込めるかも!?
英語力は高ければ高いほどよいのはもちろんのこと。
ですが、楽器で盛り上げられる、パフォーマンスができる、などあれば、つたない英語力でも外人グループに溶け込めます。
●安全面の心配だけじゃない? 個人ではなく、敢えてツアーに参加するメリットとは
持っていける荷物には限りがあります。
そして、せっかく行くなら壮大な大自然ルートを楽しみたい。
そうなるとおすすめはやっぱりツアーです。
飛行機や特急を使わず、敢えてゆっくり自転車で。
それは、あなたにとって、目的地だけでなく道中すらも観光スポットになりえる旅のかたちではないでしょうか。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
では、また、いつか。
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