短歌自薦「水」
こんばんは、透影 弦です。
今回の短歌のテーマは「水」です。
水って心みたいだと思いませんか。
明確な形があるわけではなく、染まる色も、流れる音もそれぞれ違って。
不確かな存在であるのに、どこまでも繋がってせかいを巡っている。
一雫に願いを込めて詠みました。
くちおしい 岩の裂け目の清水よ
ては届かずに毒がまわった
空想で散った桜は入水し、
流されるまま何処へ行きつく
散り果てた桜の破片に埋まったら
知られぬままに溶けてしにたい
色のない無機質な線
水彩で温かくして眼鏡はずして
瞬きでせかいはどんどん移ろって
流されぬよう手を繋いでよ