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「誰でもできる介護」と「私にしかできない介護」

みなさんは、介護は「誰でもできる仕事」だと思いますか?

私は、介護の仕事は極めて高度な仕事だと思っていて、「誰でもできる仕事」だとは全く思えません。

もう10年以上前に、とある施設の求人チラシに「誰でもできる簡単な仕事です!」と書いてあったことに激怒した記憶があります。

今でも「誰でもできる仕事ではない」と思ってはいますが、昔の考え方と少し変わってきたのは「誰でもできる仕事にしていかないといけない」ということです。

介護の仕事ができない介護職

介護現場では今、介護の仕事ができない介護職が増えています。

オムツがキレイに当てられない。
シーツ交換がキレイにできない。
記録がうまく書けない。

基本的なところで躓いている介護職が多いのです。

そして、基本的な躓きを繰り返し、先輩や上司からは怒られてばかりの日々を送るのです。
あるいは、先輩や上司から諦められてしまってきちんとできないまま…ということもあると思います。

介護の仕事は、他にもいろんなスキルが求められます。

認知症の方とのコミュニケーション。
利用者の身体状況に合わせた介護技術。
利用者のアセスメントや介護計画の作成。

これらもまた、介護職としては当然に求められるスキルです。

さらに言えば、今求められている介護は「自立支援」「重度化防止」でなければなりません。

ただ単にできないところを補う介護ではダメなんです。

これらはかなり高度なスキルだと思っています。
「誰でもできる仕事」ではないんです。

「介護の仕事ができる」ということは簡単なことではないんです。

「誰でもできる介護」へ

私は、長年介護の仕事をしてきて、「誰でもできる介護」にしていかなければ…と思うようになりました。

分かりやすいマニュアルを考えたり!
分かりやすい研修を考えたり!
分かりやすい取り組みをしたり!

できるだけ分かりやすくして「誰でもできる介護」を目指したのです。

「介護の仕事ができない」理由はどこにあるのかを探っては、そこに手を差し伸べるようにして職員と向き合ってきました。

そういった姿勢のおかげで、職員が成長するケースは確実に増えました。

実践のなかで「やる価値はある!」と意気込んで、人材育成に力を入れるようになって、「誰でもできる仕事」を今も目指し続けています。

「私にしかできない介護」も大切に!

「誰でもできる仕事」への転換に取り組むなかで、大切にするようになったことがあります。

それがこちら👇

「私にしかできない仕事」を大切にするということです。

「誰でもできる仕事」をするだけじゃ窮屈です。
介護の仕事が「楽しい!」と思えなくなることもあります。

最近、介護保険制度開始前のもっと自由だった介護を思い出すことがあります。
介護保険制度が始まって、良くなったことはたくさんありますが、いろいろ規制がなかったからこそ良い介護ができたことも多かったんです。
あの頃は楽しかったな~…としみじみと思うんです。

やっぱり「楽しい!」は大切です。
「誰でもできる介護」で継続可能な介護を目指しているわけですが、そもそも「楽しい!」がないと仕事は続きません!
「楽しい!」と思えるためには「私にしかできない介護」という視点も大切だと思うんです。

今の介護方法とは違う介護技術を身につけたり!
自己流の認知症ケアを実践したり!
奇抜なレクリエーションを企画したり!

もっと「私にしかできない介護」も取り入れなきゃって思います。
そうしたら、チームの中に思わぬスーパーマンが生まれるかもしれません!
困った時には助けてもらえるスーパーマンもいたほうがいい!

そんな組織作りこそが、真の継続可能な介護の近道ではないでしょうか!


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