不適切ケアは黒ではなくグレーであるべき理由
不適切ケア。
読んで字のごとく不適切なケアのことです。
ひとつ例をあげれば、子ども扱いなどが不適切ケアにあたります。
「◯◯ちゃん」とちゃん付けで呼んだり、あだ名で呼んだり。
多くの人が「そんなのダメだ!」と答えると思います。
でも、田舎の施設では利用者さんのことを◯◯ちゃんと呼ぶようなことが自然と起こっていたりします。
施設の近所に住む職員さんが、昔から良く知るおじいさんのことを昔からの呼び方で「スケちゃん!」なんて呼ぶんです。
ものすごく自然なやりとりで、そこには不適切な感じは全くないんです。
この場合、不適切ケアになるのでしょうか?
不適切ケアは、グレーゾーンと言われることがあります。
虐待かどうかの線引きを考えたときに、明確な線引きはなく、そこには不適切ケアというグレーゾーンの領域があるとの考え方です。
そして、このグレーゾーンにある不適切ケアを適切なケアに導くことこそが虐待の芽を摘むことにつながるのです。
これが虐待を防ぐ一番の近道だと私も思っています。
というわけで、こちらです👇️
不適切ケアと聞くと「やってはいけないケア」のように聞こえますが、いきなり「黒」にすべきではありません。
いきなり「黒」としてしまうと、その不適切ケアがなぜいけないのかを考える機会を奪ってしまいます。
それに、不適切ケアが起きる理由は現場の忙しさや人間関係も影響していることがあるので、いきなり「黒」とすべきではありません。
現場の忙しさを共有したり、理解を示したりすることで、不適切ケアを不適切だと思える心の余裕が生まれることがあります。
だからこそ、どんな不適切ケアもまずは「グレー」のままにしておくほうがいいんです。
ツイートのとおり、「グレー」だからこそ共有しやすいというメリットもあります。
誰かがしている不適切ケアが「黒」なら指摘しにくいですからね…。
虐待を通報しにくいのと一緒です。
「グレー」だからこそ表面化しやすくて、共有しやすくて、話し合いもしやすくなる。
まずは虐待の芽をたくさん見つけること。
そのなかに悪い芽がないかを見極めること。
みんなで悪い芽を探して、見つけて、一緒に摘んでいけばいいんです。
そして、あえて摘まなかった芽は、ちゃんと育つように栄養を与えてあげればいいんです。
不適切ケアを適切なケアに導いてあげます。
介護はプラスに目を向けるように変わってきましたが、マイナスに目を向ける介護も必要です。
どんなマイナスも、いきなり「黒」にせず「グレー」から始めていけば、きっと前向きな気持ちでいられるし、前向きなチームが作れると思います。
というわけで、「グレー」を大切にしていきましょー!
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