介護現場の凡事徹底と覿面注意について思うこと
「凡事徹底」と「覿面注意」。
凡事が徹底できなかったら、その場で注意する。
松下電器産業創業者・松下幸之助の有名な教育方針です。
この人材育成の考え方は、今でも人材育成の基本として位置づけている会社は多いと思います。
ですが、私の場合はずっと「その場で注意」ということができませんでした。
その場で注意することに疑問があったからです。
10年ほど前は、ぼんやりとした疑問でした。
なので、周囲が「凡事徹底」「覿面注意」と言い出すと言い返すこともできず、見たらその場で注意をしなきゃと言い聞かせていました。
でも、「覿面注意」はほとんどできたことがありません…。
時間を置いてから話をすることがほとんどでした。
そんななかで出来上がっていった私の考え方がこちらです👇
覿面注意しない理由①:介護現場への理解
介護の仕事はマルチタスクです。
いろんなことを考えながら仕事しなきゃいけません。
結構、凡事が抜けてしまうことはある仕事だと思っています。
凡事を抜かさないように一生懸命仕事しているところへ、覿面注意されると「今やろうと思てたのに!」と言いたくなることがあります。
介護職の皆様、いかがでしょうか?
確かにどんな仕事においても凡事は大事です。
例えば、介護現場で言えば、手洗い消毒は絶対です。
一つの介助ごとに手洗い消毒をすべきです。
でも、実際のところは、介助中に急な対応を求められ手洗いすることなく…って場面もあります。
人員体制の影響もあり、凡事が徹底できない環境があります。
当たり前のことができないことがあるんですよね。
そのなかでの覿面注意…。
私はやっぱりできない…、いや、効果が弱いと思うのです。
覿面注意しない理由②:自ら育つチャンスを与える
実は、介護現場では、覿面注意しなくても本人は気づいていることも多いものです。
後から「あ…、しまった!」と気づけることもあります。
それが気づけないのなら、まずは気づけるようにチャンスをあげたいと思うのです。
そして、自分で直せるように働きかけていきたいと考えています。
介護現場の場合は、そうやって成長していくしかないのかな…と思うのです。
マルチタスクのなかでの凡事徹底の難易度は高い…。
覿面注意する前に、凡事徹底できる環境をもっともっと整えなきゃって思います。
そうした現場理解のもとで考えた育成方法のほうが、きっと職員は成長すると考えています。
覿面注意しない理由③:人前での注意を避ける
私が覿面注意しない理由を考えたとき、最初に思ったことのが「人前での注意を避けたい」ということです。
介護現場で注意をするときは、常に周りには利用者がいて、他の職員がいます。
凡事徹底ができないのは忙しい時間帯のことが多いので、場所を変えて注意というのも難しかったりします。
なので、どうしても利用者や他の職員の前で覿面注意せざるをえないことが多いのです。
私は、これが単純にイヤでした。
恥をかかせてしまっているようで…。
自分がされたらイヤだな…とも思います。
覿面注意を見ている利用者も他の職員も良い気分ではないと思うのです。
介護現場ならではの人材育成を!
私は、介護現場では、こうした配慮ある人材育成が必要だと思っています。
コーチングでも、一般企業で通用するコーチングをそのまま介護現場に持ち込むとそぐわない場合があります。
もちろん、「凡事徹底」「覿面注意」が適した場面もありますが、介護現場でそれを教育方針としてあげると、必要以上に厳しさが増してしまったりすることがあるんですよね…。
仕事内容や場面によって上手に「覿面注意」ができれば問題ないんでしょうね(^^;)
他の業界はどうなのか気になりますが、介護現場においてはそうした傾向があると私は感じています。
人材育成についても、いろんな考え方を自分の組織の現状に合わせて取り込んでいくことが必要な時代だと思うので、参考程度に読んでいただければ幸いです。
きっと当てはまることもたくさんあると思います!
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